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茶道って なんかちょっと謎めいて わかりにくい?問題

本屋さんへ行くのが大好きです。でも入ったら最後、あれこれ買っては本を増やしていたので、このところは敢えて行ってませんでした。読みたくて買った本がまだ山のように積まれてますし・・・

でも、やっぱり読みたい!買いたい!という本がありまして、久しぶりに神保町の大型書店・三省堂書店本店を訪れました。
お店の1階、メインエントランスを入ったところのエリアに、棚一つまるっと展開されていた一冊がこちら。

『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』(竹田理絵・著)


発売されたのは8月末。3か月経って大々的に展開されている、ということは、売れているんですよねー。そしてかなり目立つので、さらに売れているんでしょう。

そっかそっか。そうなのか。なるほどなぁ、と思いました。
売れている、ということは、茶道が気になっている、でもよく分かんないからちゃんと知りたい、という人が本当に多いんだな、と。

かく言うわたしがまさにそうでした。
長らく茶道をやってみたいと思っていたけど、どうしたらいいかわからなかったんです。でも習い始めることができました。だからとても共感できます。

ということで今回は、茶道を習い始めて3年経ったわたしが思う、茶道って実はとっても簡単に楽しめるよ!そして、ちょっと知っていると結構いろんな場面で楽しいことがあるよ!!!というお話です。

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茶道、どこでどうやって習い始めたの?

茶道を始めたい、習ってみたい、と思ったら、やはり、まずはお教室に通ってみようかな、と思われる方が一般的でしょう。まさにわたしがそうでした。
でもいきなり、わからないことの一つ目にぶち当たります。

表千家おもてせんけ裏千家うらせんけ武者小路千家むしゃこうじせんけ・・・え、何が違う?

茶道には、表千家、裏千家、武者小路千家の「三千家」のほか、いくつかの流派があり、少しずつ作法が異なります。
でも、流派に分かれているとはいえ、「三千家」は全て、千利休につながっています。
喧嘩しているとか仲が悪いとか、そういうことはないので、ご安心を。

わたしは裏千家を選びました。
理由は、やっている人の数が最も多いから。多数派ゆえ、続けて行こうと思ったときにお教室を探しやすいだろうし、お茶会などの場も多そうだ、という点をメリットと考えてのことでした。

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そもそもお教室は、お稽古をきちんと積まれて「教授」と認められた先生方が、全国・世界の各地に開いています。なので、実は結構たくさんあります。
ここで次のわからないにぶち当たりました。

お教室、たくさんあるがゆえ、どこがいいのか選べない・・・。

加えて、わたしの勝手なイメージも含まれるのですが、なんの予備知識もない自分では"自分に合う先生・お教室かどうか"や"安心して通える先生・お教室かどうか"が全く判別できないんでは?と不安にも思いました。

なので、新聞で見かけてネットで申し込める仕組みだった、裏千家今日庵うらせんけこんにちあんの初心者教室に申し込んだんです。

裏千家今日庵とは、ざっくり言えば、裏千家のトップオブトップ 。
そこが募集・開催している初心者教室なら絶対に間違いないだろう、と思ったからです。まさに真正面の表玄関からお邪魔した感じですね。

半年ごとの募集・開催で、全国各地のお教室で行われています。
結果、わたしは初心者教室でお世話になった先生のところで、初心者教室終了後もそのまま、お稽古を続けることができました。


そもそも、茶道のお稽古やお教室って、いろいろとお金がかかるんじゃ・・・?

これは、どんなお稽古事でもそこそこかかるので、一概に高いとも言えないかな・・・。でも、全然かからないか、と言えば、かかります。

ここでご参考までに、わたしの場合、ですが、実際に初心者教室と、その後のお稽古でかかった金額について、ざっくりとご紹介します。

▼初心者教室 (初期費用)

【お教室に入るための手続き費用】
・入会金
・受講料半年分
(だいたい6~7万) 

【席入りに必要なもの一式】まとめてネットでポチれます!
最初の◎印3点は、忘れるとだいぶ気まずいし、他人にも借りづらいです
帛紗ふくさ:3,000円前後からピンキリ
 小さい小さい風呂敷みたいな布 年に一度くらいで新調します
扇子:これもピンキリです
 帛紗同様、絶対必要なもの。あおぐためには使いません。
白い靴下か白足袋:これもピンキリ お好みで。
 お茶室に入るために履き替え必須。素足はNGです。

お懐紙:30枚入でだいたい300~400円くらい
 お皿代わりの和紙 消耗品でありデザインで楽しめるものでもあり
菓子切:ピンキリですが、ネットだと数百円〜
 お菓子を食べるときに使う小さいナイフみたいなの
・数寄屋袋か帛紗ばさみ:ピンキリです ハンドメイドする人も
 上記のグッズを入れるポーチみたいなものが数寄屋袋。
 クラッチバッグみたいなコンパクトなやつが帛紗ばさみです。

あと、お稽古は洋服で参加しても全く問題ないので、お着物は不要です。
でも、正直、お着物が大前提の所作のため、お着物でお稽古したほうが、本来の茶道の作法や動きが、より理解できるとは思います。
だから洋服の上から着られる、専用のお稽古着もあることはあります。

ただ、全身で1万円前後するものなので、長くお稽古を続けよう!と思ってから買おうか考えても良いかと。
わたしも初心者教室を終えてさらに半年後、2年目を迎える頃に、メルカリで買いましたw

▼日々のお稽古(ランニングコスト)

・お月謝:月2~3回×数時間のお稽古で1万円前後でしょうか。
・特別なお稽古の場合は、その経費を都度
:炭代とか
・先生へのお中元/お歳暮
・茶会や茶事に参加する場合は、参加費を都度:1万円前後からピンキリ

正直、この費用は、お稽古の回数やお教室・先生によってもピンキリでしょうし、地域差もありそうですが、ざっくりと、年間で15万前後でしょうか。


この他に、しいて言えば、書籍代が、だいたい数千円かかるかなぁ。
今日庵からも正式な動画教材などが出ていますが、やはり本でじっくり読んで、お稽古で教わったことを復習して、自宅で練習していました。

わたしが初心者教室に入って1年目のうちに買ったのは、
・今日庵が大学生向けとして編集した『裏千家茶道』

一般財団法人 今日庵/制作・ 裏千家今日庵/監修
『裏千家茶道』


・日々のお稽古に持って行ってたミニ事典『ポケット茶人必携』

淡交社編集局/編  『ポケット茶人必携』

この2冊は、どちらも1,000円くらいでした。
ちなみに、淡交社たんこうしゃは茶道に関する書籍・製品などを多く出している、今日庵の関連会社です。

その後、お稽古を積んで、お点前をより細かく理解するために買ったのが、
お点前の種類別に出ている、『裏千家茶道 点前教則』という教科書のような本を数冊。
また、足運びやお道具の準備に関する本、お茶事にまつわる本、茶箱にまつわる本なども、手に取りました。いずれもメルカリでお安く見つけたり、図書館で借りたりしてます。

と、ここまででも、まぁまぁのお金がかかっていますね。
さらに、茶道はお金がかかると思われてしまう理由があります。

自宅でお茶を点てて楽しむためのお道具:ピンキリ
・茶会や茶事に出るために着るお着物:ピンキリ

・お稽古を積んで、先生から許状きょじょうをいただくときに都度
 (裏千家へ申請するための費用&先生へのお礼※相場あり)

ここです。お道具とお着物、そして許状です。
結局、お稽古を続けていけばいくほど、これらの費用がかさみます。

素敵なお道具がほしい、素敵なお着物でお茶会に行きたい、もっとお稽古を頑張りたい。・・・正直、青天井です。

もちろん、これらにお金をかけないでお稽古を続けることはできます。

でも・・・お教室にいると、だんだんとかかるように、かけざるを得ないようになっていくんですよね・・・。
先生方だって、ボランティアじゃなく、ビジネスでお教室を運営されてますからね・・・。

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お教室に通わなくても、お抹茶は手軽に作って飲める


えー・・・抹茶、飲んでみたいけど、結局、お金がなければ、茶道なんて無理じゃないの?と思った方。否!そんなことは全くありません。

例えば、初歩の初歩をちょっとだけ、お試しで習ってみるの、良いですよ。
探してみると、例えば地元のカルチャーセンターやお寺さんなどで体験教室を開いていたり、茶道教室でお試しができたりもします。
費用もだいたい数千円程度でしょう。


また、お茶を点てるだけなら、一人てお家で、でも十分、楽しめます!!!

そう、Youtubeがあるからー!

いまは検索すれば、本当にたくさん、お稽古の動画が見つかります。
お教室を開いているような先生が作っている、本格的な所作を学ぶためのものもありますが、テーブルで手軽にお茶を点ててるようなものも。

我々が一般的に抹茶と思っているものは、「薄茶うすちゃ」といいまして、薄茶を飲むのに最低限必要なものはこれだけです。

・お茶を入れて飲むためのうつわ ごはんのお茶碗でもOK
・あっつあつのお湯
・抹茶(わかれば薄茶におすすめなものを)
茶筅ちゃせん 抹茶とお湯を混ぜる 竹製の小さい泡だて器

うつわにスプーンで抹茶を入れて、熱々のお湯を注いで、茶筅で混ぜれば、お茶は簡単に点てられます!

また、濃茶こいちゃという、とろっとして濃い抹茶もありますが、使う抹茶の種類と量が少し異なるだけで、作り方は薄茶とほぼ同じ、お湯を入れて茶筅で混ぜればOKなのです。

煎茶と違って茶葉のゴミが出ないので、片付けもとても手軽で簡単。むしろ、茶葉まるごと粉末にして飲んでいるので、健康に良い飲み物なんですよー。

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なんで、茶道をちょっと知っていると、結構いろんな場面で楽しいの?


さてさて、決して安くないお金と、時間を作り先生の下でお稽古を重ねても、茶道を続けていきたい方々がたくさんいらっしゃるのは、なぜか。

それは、茶道に、日本文化・日本美術の全てがつまっていると言われるからであり、貴重なコミュニティの場・学びの場になり得ているから、だとわたしは思います。

先に紹介した書籍でもふれられていましたが、美術館・博物館には、茶道具や茶道にまつわる展示が本当にたくさんあります。
うつわなどのお道具、季節のお菓子、書、お花、料理、建築も、茶道と切っても切れないものです。

だから、茶道を習い始めると、ありとあらゆる日本文化につながるので、興味関心の幅がとても広がります。
やきものの産地に始まり、季節の行事や二十四節気、禅語のことば、和の草花、食材の旬、工芸のこと、着物や裂地のこと、香りのことまで、本当に幅広いんです。

また、大河ドラマや時代劇も描かれるように、戦国時代から江戸時代、名のある武士たちは皆 嗜み、権力が動くような場でもあったし、明治以降の財界人も茶会を通して親交を深めていました。

わたしも茶道のお稽古を通して、幅広い年代の方々と出会えました。
その多くが先輩方でしたので、さまざまな礼節、マナーやふるまいも見て学ぶことができました。
正直、普段の暮らしの中では、きちんとした礼節を自然と学ぶ機会も使う機会も少ないので、まだまだ知らないことばかりです。
でも、そこそこいい歳なので、うっかり知らなくて恥をかく機会は確実に減らせてますし、非常に良かったと思える点でもあります。


余談)お茶どころ・静岡県に生まれたわたしが 大人になってから 縁もゆかりもない茶道を習ってみて

わたしは、煎茶をがぶ飲みするのが当たり前の家庭に育ちました。
家族が集まる茶の間には、常に、お湯の入ったポットと急須と湯呑のセットがあって、子どもの頃から当たり前に、常にごはんの後は煎茶でした。

だから、抹茶や茶道のことは、ずっと気になる存在。でも少々というか、だいぶ、遠い憧れの世界でした。

高校に茶道部はあったけれど、文化祭でお茶を出してるらしい、くらいのイメージで。何をしているのか、そもそも普段は活動しているのか、様子がよくわかりませんでした。
わたしは吹奏楽部で、ほぼ365日朝から晩まで部活してるような部だったので、余計にそう思っていたんでしょう。(無知って ほんとに失礼極まりないですね…。)

で、大人になった今、いざ始めようとしても、どこでどう習うのがいいのか、ほんと、皆目見当がつきませんでした。

また、始める前までは、
できるだけ長く続けたい。ちゃんと習いたい。
師範になれるようなところまで、行けたらいいけども・・・
なーんてうっすら思っていましたが、後から、とんでもなくお金がかかることに気づいて焦りました。

そして、"ふつう"の違いを目の当たりにしたのでした。
お家が代々、お茶の先生の方とは、ふつうが全然違う。
いい悪いの話ではなく、単純に、育ってきた環境の違いがこうもあるのか、と当たり前のことなのに結構面食らいまして、いい社会勉強にもなった出来事でした。

正直なところ、茶道は好きだけど、教授になって独立したい訳でもないのに、お教室に長く通い続けるのって、その先には何があるんだろう、とも思うのです。そして、そんな風に思いながらも通っている人って少なくないんじゃないか、なんてことも。

お茶のお稽古を続けることってなんだか大変だな・・・なんて、すこし淋しくなったこともありました。
だから、お教室に通うことが全てではないと身をもって考えましたし、もっと自由にそれぞれの方法で茶道は楽しめる、と、たくさんの人に思ってもらえたら、嬉しいんです。

まとめ:茶道は 気軽に入れる 楽しく奥深い世界


あのお茶を点てるまでのお作法の数々、ついつい見ちゃいますよね。でも、何でやってるのか、謎ですよねw
お茶を出されても、手順とかマナーとか全然よく分かんないし、とにかくなんだか敷居が高い・・・!!! 
まさに3年前までの自分がそうだったので、あれこれ書いてみました。

ひとまず、ご紹介した本『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』を読んでみるの、おすすめですよ。

岡倉天心『茶の本』も、合わせてぜひ。

青空文庫で無料で読めますし、

「いつか読みたかった日本の名著」シリーズで、致知出版社から出ているバージョンは、特に読みやすいです。


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次の記事は 12月15日(水)に公開します。


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