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都内から ARTISTS' FAIR KYOTO 2023 を観に行ってきた話

3泊4日の日程で、お仕事と取材をかね、奈良と京都へ出かけてきました。

念願の!ARTISTS' FAIR KYOTOアーティストフェア京都に伺ってきたのですー!!!

サテライト会場での展示やイベントなど、2日半にわたってあれこれ本当に楽しかったです。もうすでに、来年も現地へ行きたい、と思っています。

ということで今日は、メイン会場3箇所の展示をご紹介します。
サテライト会場での展示や、参加したイベントについてはまた別の記事でご紹介するので、お楽しみに。


ちなみに・・奈良を訪れたのは、2021年の秋以来1年半ぶり2回目。

そして京都は、ちょうど1か月ぶり。先月の卒展以来でした。

京都は少し空気がゆるんでいるように感じて、春が近づいているんだなぁと実感しました。(見事に目もかゆくなりました  花粉よ・・・)


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そもそも「アーティストフェア京都」ってなに?

2023年のメインビジュアルは 山羽春季さんの作品✨

アーティストが企画、運営、出品する全く新しいスタイルのアートフェア「ARTISTS’ FAIR KYOTO」は、アーティスト自らが市場開拓を試みることで、新たな価値観を創造する目的でスタートしました。
観客とアーティストの交流が生む作品発表の場を新たにつくり出し、「アートを買う文化」が当たり前となることで、次世代のアーティストが創造性豊かに文化芸術発信を行える場を京都の地に創設します。

https://artists-fair.kyoto/about/


「アートフェア東京」など、他のアートフェアとの大きな違いは、引用の通り、ギャラリーがブースを構えるのではなく、アーティスト自身が運営に参加し、作品の展示や紹介などをしてくれる点

アート作品を購入するときは、作った本人が説明してくれるのが普通では?と、多くの方は思うかもしれません。
が、アート業界では、ギャラリーを通して作品を購入する、というのが従来の流れ、というか、仕組みでした。

でも商売って、作り手と買い手の間に関係者が増えるほど、関係者に手数料が渡り、作り手の利益は減ってしまうもの、ですよね。

その仕組みにももちろん、アーティスト本人に代わってギャラリーがさまざまな仕事を担うことで、アーティストが創作活動に集中できる、など、いろんな良さがあります。
でも、それ以外の別の選択肢を作り、作り手であるアーティスト本人がしっかり稼げて、創作活動を続けていきやすい仕組みも作ろう!!!と始まったのが、アーティストフェア京都なのです。

だから、今の「アートをミュージアムで観る文化」だけではなく、「アートを買う文化」も、もっとごくごく当たり前になることを、本気で目指しています

2018年から始まって、今年で6回目。
実行委員会の他、京都府も主催者に名前を連ね、春の恒例行事になりつつあるそう。

なんか、とってもいいですよね。
決してお安くない、かつ貴重な作品を買う側だって、アーティスト本人と直接話してから買えたほうが、やっぱり単純に嬉しいし、会話した時間とか体験をまるっと含めて、作品に紐づくエピソードとして大切にできるので、みんながハッピーな仕組み、だとわたしは思います。

だからぜひ一度、現地で観てみたかったんです!!!

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メイン会場① 東本願寺・渉成園しょうせいえん


そうなんです、なんと歴史あるお寺さんの敷地内に現代アートの作品が並ぶんです。

これらは、アドバイザリーボードとして携わっている、錚々たるアーティストの方々の作品。そして、見事なまでに、素敵でした。

もふもふのしっぽ  これは・・・
ヤノベケンジさんの作品です!


正直、チケット代がそこそこのお値段ですが、その価値はあると思いました。なにせこんな景色、この期間しか観られませんので。

お茶室・蘆菴ろあんの2階にあがると・・・

和室にマッチする名和晃平さんの作品


見事な池が広がる臨池亭りんちてい滴翠軒てきすいけんのお部屋には・・・

なんと1884(明治17)年に建てられたもの!
ずっとここでまどろんでいたかったです
池田光弘さんの作品

こんな空間、贅沢すぎます。そして楽しい。

鶴田憲次さんの作品

煎茶席のためのお茶室・代笠席たいりつせきも、見事に作家のインスタレーション作品に。

池上貴志さんの作品 屋根からずっと雨のように水が(ちょっとこわい)


そして小高いお山の上に立つお茶室・縮遠亭しゅくえんていには・・・

加藤泉さんの作品がどーん!


余談ですが、ここに敷かれていた畳が!
なんと市松模様になっていてびっくり。

初めて見ました。これはすごい、そしておしゃれ・・・!

the 職人技!!!素敵すぎる!!!


ここまでのアドバイザリーボードの皆さまの作品は、3月12日(日)まで鑑賞できます。ぜひ!!!  

なお、各建物には 履き物を脱いで上がります(そして靴は自分で持って歩きます)し、ちょっとひんやりする廊下を歩くことも多いです。
脱ぎ履きしやすい靴と、厚手の靴下でのご参加がお薦めです。

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渉成園では、若手アーティストの皆さんの作品も展示・販売されていました。(こちらは3月5日まで)


なかでもわたしは、公募枠で参加されていた山西 杏奈さんの木彫作品が素敵で、しばらくじっくり鑑賞しました。

すすすすてき!!!

ちょうどご本人がそばにいらしていて、作品について少しだけお話を伺えて嬉しかったです。

京都市内にある、共同スタジオ puntoで活動されている、とのこと。
また一つ、取材しに行きたいところを発見してしまいましたよ。

この作品が一番好きでした(もちろん売約済・・・!)


ちなみに山西さん、昨年からはじまった若手アーティストの活動を支援する賞『ARTISTS' FAIR KYOTO 2023 マイナビ ART AWARD』で、40組の参加アーティストの中から、見事!優秀賞を受賞されていました✨


今回の展示をきっかけに、きっと一気に知名度がアップするのでは。
これからのご活躍が楽しみです。(Instagramで素敵な作品が見られます)


また、東京藝大の企画展で以前観て、なかなかの衝撃を受けた、八島良子さんの作品も展示されていました。

八島さんも、見事に優秀賞を受賞されていました✨

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そして、少し離れた門前には、SNSで話題の"花子"さんがごろん。


わたしが近くを訪れたときは、『ずいずいずっころばし』を歌ってくれました。カラフルでちょっと優しげな表情がかわいかったです♪

Yottaさんのインスタレーションです
裏側はこんな感じです 東北と京都の融合

手がけたYottaヨタんはユニットで、そのおひとり、木崎さんと会場でお目にかかれました。


「都内でも展示したいんですよねー!」と木崎さん。
わたしもぜひ観たいな、と思いました。

東京駅前もいいけどちょっとベタなので、例えば国会議事堂の前なら、花子さんのカラフルさが目立って良さそうだなーと。実現してほしいなぁ。

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メイン会場② 京都文化博物館 別館

次に訪れたのは烏丸御池駅近くの京都文化博物館の会場。

明治時代に建てられた趣ある近代建築の室内に、ワイヤーの金網でできた壁が建てられ、若手アーティストの作品が所狭しと展示されていました。

広すぎず狭すぎず、ちょうどいいボリュームの展示数。(140以上のギャラリーが出展するアートフェア東京が多すぎるのかも)

なかなか入り組んだ会場は多くの方で賑わっていて、そこかしこでアーティストの方と話し込むお客様の姿が。
京都の街にアートフェアがすっかり馴染んでるんだなぁと実感しました。

ということで、この会場でわたしが気になった作家の方をご紹介。

山中雪乃さん すでにいろんな展覧会で展示されてる方


川村摩耶さん 100号の油画作品がインパクト大!でした


johnsmithさん 「線」と「面」を追求した作品


鮫島ゆいさん 文京区本郷のTOKASでも展示中ですね


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メイン会場③ 京都新聞ビル 地下1階

最後はこちら。

エントランスからして、他の会場とちょっと違う雰囲気


なんと元々は、大型の輪転機(新聞を刷るための印刷機械の一種)が並ぶ印刷工場だったという展示スペース。本当に街の中心で、取材してすぐ記事を書き、すぐに輪転機を稼働させて新聞が印刷されてたんですね・・・。

一歩入ると、驚きの真っ暗空間。照明が映え、大型作品やインスタレーションの展示にぴったりの空間だな、と。

そして、空間に負けず劣らず、見応えのある作品が展示されていました。

奥行きもかなりあるスペース(ちょっとこわい)
パフォーマンスするABITA@AFK nakiceさん



わたしが気になったアーティストの方々はこちら。

見事にこの空間にマッチする作品の雰囲気で、おお!と思った宇留野 圭うるの けいさん

奥まったスペースには、重低音の響く大型の装置と、動物の骨格標本、そしてちょっと入り組んだ立体作品が並んでいました。

宇留野 圭さんの展示 重低音は左の大きな立体作品から

ご本人がいらしたので、お話を伺うと、それぞれ別テーマで作られた作品とのこと。

重低音を発していた大型作品は、すでに第1作目があって、シリーズの2作目・3作目を今回展示したそう。


また、丸っこいかたちや、色使いも質感も素敵、と魅了された、この立体。

なんだかずっと観てられる 素敵です


3DCGのモデリングソフトとかで設計を?と伺うと、部屋の空間とそこにいる人間のかたちをテーマに、なんと設計図なし!で、一つひとつのパーツを削って組み上げていったそう。


・・・え?うそでしょ? すごすぎるんですけど。

別角度から 入り組んでます・・・!


それってつくるの、ものすごく大変だったのでは?と伺うと、案の定、「いやーそうなんです、めちゃくちゃ大変でした」と苦笑い。
それでも、「できればシリーズとして作り続けたいです」とも話されていたのが印象的でした。

確かにこれは宇留野さんにしか作れなさそうな、なかなかの作品。
そしてちょっと、欲しい・・!と思ってしまいました。

拾った骨からイメージして作った作品も


今後の活動がとても気になる、印象に残ったアーティストの方でしたが、実は今回の若手アーティスト40組の中から、なんと見事に最優秀賞✨に選ばれていました。納得です。


また、絵画作品で一番好きかも!と思ったのが、山羽 春季やまば はるきさん。

踊る人物を描いています 素敵

日本画の画材で描かれる女性の姿。なんとも引き寄せられてしまって、じーっと見つめてしまったほど。素敵でした。
ご本人がいらしたら、ぜひお話を伺ってみたかったなぁ。


そして、広ーい空間めいっぱいに写真作品を中心に構成した展示をしていたのが、前谷 開まえたに かいさん

たぶん・・・右側が前谷さん

会場がもつ雰囲気も上手に活用し、物語やメッセージを感じる、独特の作品の世界を構築されていました。


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3つの会場をらくらく移動 シャトルカー

さて、この3箇所、それぞれ車で10~15分くらい離れた場所にありましたが、なんと!大変ありがたいことに、タクシータイプの車で無料で送ってくれたんです!!!(3月5日までのサービスでした)

こんな大型車両まで完備。

バスのように時刻表があるわけでもなく、事前の予約なども一切不要。
指定の乗り場に行って、車両があれば、随時利用が可能でした。

運行ルートは 渉成園 → 京都文化博物館 → 京都新聞 → 渉成園 と ぐるぐる。
わたしは計3回も乗車しましたが、待たずにすぐ乗れて、すぐ連れて行ってもらえました。

うち2回は見知らぬ方と相乗りでしたが、さして気にならず。
アート話の雑談に花が咲いたり、なんと前日に伺ったギャラリーのスタッフの方々と偶然再会したり、と、楽しいひとときでした。

ひとり貸し切り状態の際は、普段は観光タクシーの運転手だというドライバーの方が、とても丁寧に、知る人ぞ知る京都の桜の名所について紹介してくださり、おもてなしが嬉しかったです。

当初は地下鉄の1日券を買って巡ろうかと思っていましたが、節約になったし、予定よりも大幅に時短&体力を温存しながら各所をぐるっとたっぷり巡ることができ、非常に快適でした✨


まとめ

いやはや、東京からはるばる行ってよかった!!!の一言につきます。
本当に、楽しかったし、行ったからわかることが多数。

しかも、ここまで多くのアーティストの方とお話できるとも思ってなかったので、とても嬉しかったです。これは人気になるのも頷けます。

来年も、ぜひぜひ、京都へ伺いたい!!!と思ったのでした。

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