念願のDIC川村記念美術館へ │ 展示・音声ガイド・ミュージアムショップ&グッズ編
観に行きたかったけれど泣く泣く諦めた、サイ・トゥオンブリーの展覧会開催から5年。ついに先日思いきって、都内から一人、そっとお邪魔してきたDIC川村記念美術館。
正直、こんな時世にいいのだろうか、と相当迷いましたが、本当に久しぶりの"旅"感を味わい、素敵ポイントが満載すぎて、存分に心身の栄養補給をしてきました。
ということで、前回の続き、美術館の中のお話です。
そもそも DIC川村記念美術館 って?ってお話や、超絶おすすめな交通手段、美しい庭園などをご紹介した、前回の アクセス・庭園編 はこちら✨
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至福のコレクション展示スペース
その先に
館内は程良い広さ。展示室は1階と2階にありますが、ゆっくりめぐっても1時間半~2時間くらいで観終えられるくらいのボリュームです。
円筒に三角屋根の特徴的な外観の中は、エントランスホール。吹き抜けになっていて、入った瞬間、わぁ✨と心をつかまれるような空間でした。
(ちなみに館内は全面的に撮影NGです。現地に足を運ぶまでお楽しみに。)
こちらが1階の館内マップです。(サイトから画像をお借りしました)
左下あたり、110 のお部屋のみが企画展の展示室。
その他のお部屋にはコレクション作品が展示されていました。
そうなんです、創立の目的の通り、この館は企画展ではなく、コレクション展が主たる美術館なんですね。
20世紀美術を中心としたコレクション群の中でも、代表的な作品・作家についてはこちらで解説されています。
そして、いま館内に展示されている作品も、ホームページで確認できます。
ちなみに、訪れた時の企画展は、「クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる」展。
なかなか国内で展覧会が行われることの少ない作家でして、ぜひ観たかったので、訪れることができて本当に良かった。会期は10月3日までです。
ちょうど今、同じく10月3日まで、フランス・パリの凱旋門が、布に包まれていますよね。これも、クリストとジャンヌ=クロードの作品です。
企画展には、この初期の資料もありました。
今年の1月に観た映画『クリスト ウォーキング・オン・ウォーター』も、いまだに印象に残っています。皆さまも機会があればぜひぜひ。
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さて、美術館の館内で、わたしがぜひ利用をお薦めしたいのが、お茶室。
いきなり展示じゃないんですけどw 全力でお薦めしたいんです。
お茶室は、館内マップの左端、110の展示室の奥、え?この先?という、少し奥まった場所にひっそりとあります。
お茶室、といっても、椅子とテーブルの立礼式(りゅうれいしき)。お作法がわからなくても全く問題ありません。
こちらでは、薄茶かお煎茶と、季節の和菓子のセットがいただけます。
撮影の許可をいただいたので、中をちらりと。
お邪魔したときは、平日のお昼だったこともあって、贅沢に貸切状態でした。
こちら、畳の一部に正方形にカットされた場所がわかりますでしょうか。
たぶん炉(お湯を沸かす場所。囲炉裏などの"炉"です)が切られていて、お点前ができるスペースのよう。
床の間には、季節のしつらえ。お軸、素敵でした。
程よい広さで、何よりも自然光で明るいお部屋。
理由はこちら、庭園と池に面した大きな窓です。
こんな感じで、外の景色をゆったり眺めながら過ごすことができます。
いただいたお茶とお菓子がまた、素敵で✨
この日はまだ残暑が厳しかったので、冷たいお薄をお願いしたら、涼しげなうつわで出していただけました。お菓子も美味しかったです。
展示室の奥にあるので、本当に静か。
美術館そのものも"非日常"を感じる場所ですが、この空間もまた非日常でした。
ひとしきり、外の大きな池と、そこをゆるりと泳ぐ白鳥を眺めてぼーっと。とっても贅沢でした。
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オンラインでも楽しめる 「ロスコ・ルーム」
こちらが2階のフロアマップです。(サイトから画像をお借りしました)
川村記念美術館といえば、有名なのは、2Fの「トゥオンブリー・ルーム」、(そう、サイ・トゥオンブリーのトゥオンブリーです!)
そして1Fの「ロスコ・ルーム」ですよね、きっと。
ロスコ とは、マーク・ロスコさんのこと。
1903年生まれの作家で、1930~40年代に人物やシュルレアリスム風の絵画作品を描き、次第に独自のスタイルの抽象画を確立、1970年に66歳で亡くなった方です。
わたしは、事前にあまり情報を入れずに館へ出かけましたが、このロスコ・ルームはさすがに知っていまして、楽しみにしていました。
照明を落とした暗く長い廊下の先、つきあたりの「ロスコ・ルーム」に一歩入った瞬間、それまでの館内の印象ががらっと変わって、こんな場所があるんだ・・・!と、息をのみ、非常に圧倒されました。
巨大な作品群に 360°ぐるっと囲まれ、しばらく立ち尽くしてしまったほど。素晴らしい空間でした。
その「ロスコ・ルーム」、ググっていたらなんと!DICのサイト内に、画面上で360°楽しめるVRコンテンツを発見。
ご参考までに、実際の展示室内は、作品保護のため、このコンテンツよりもずっと照明を落としていて、薄暗いです。
この薄暗さが、作品の世界に没入する感覚を味わえ、非常に良かったです。
よろしければ音声ONでお楽しみください。作品解説が聴けます。
また、コンテンツ内の作品をクリック(もしくはタップ)すると、作品の細部にフォーカスした短い動画が流れますよ。
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聴きこごち抜群
コレクション解説の音声ガイドは 事前にDLを
現地の展示室に行って気づいたのが、音声ガイドの存在。
館内の展示作品についているキャプション(説明パネル)には、作家名と作品名、制作年くらいの最低限の情報だけで、解説は基本的にほぼついてなかったかと。
つまり、説明を読むことにとらわれず、のびのびと作品を鑑賞できる展示になっているんです。
でも、できればもうちょっといろいろ詳しく知りたいなぁ、という方は、音声ガイドの利用がお薦めですね。
ホームページ内、「鑑賞ガイド」のページに案内がありまして、iOS/Androidともに専用アプリが無料で配信されています。ご興味あれば、ぜひ事前にダウンロードを。
そして、美術館を訪れる際はイヤホンをお忘れなく。
わたしは普段から、企画展・コレクション展を問わず、また歌舞伎鑑賞のときにも音声ガイドを利用することが多いんですが、こちらの音声ガイド、とても聴きやすく使いやすくて良かったです。
ですます調で、柔らかく非常に落ち着いた男性の声。1作品あたり90秒前後の程よい尺。
アプリの画面デザインも機能も、シンプルでした。(つくりがシンプルなら、提供する側も、アップデートなどの管理・対応が楽なのでは、と想像します)
何より良いのが、館の外、自宅でもゆっくり聴けること。
わたしは音声ガイドを聴きながら、ミュージアムショップで購入してきた収蔵作品の図録を眺めて楽しんでいます。
収録されているのは主要作品37点ですが、訪問時に展示期間外だった作品も、こうして鑑賞できるのは嬉しいポイントだと思いました。
少し話が逸れますが・・・
ここだけの話、昨今の音声ガイドの中には、正直、苦手だなぁと思ってしまうものがありまして。特に特別展のもので。
ファンの方々には非常に申し訳ないのですが、例えば人気声優の方を起用しているものの中で、キャラクターになりきって情感たっぷりにナレーションしているもの。
どうにも作品鑑賞に集中できないし、説明の内容も頭に入ってこなくて。
たかがナレーション、されどナレーション。音声ガイドのサービスって奥が深いなと思います。
そんな"音声ガイド、借りるか借りないか問題"は、近いうちにこのnoteで書こうと思っているテーマでして、お楽しみに。
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オリジナルもセレクトも楽しい!
魅惑のミュージアムショップ
さてさて、美術館を訪れる楽しみの一つ、ミュージアムショップ!
期待以上のステキなアイテムがたくさん並んでいました。
実際にわたしが購入してきたものから、いくつかご紹介(自慢?)させてください!!!
■ 館のオリジナルグッズ
まずは、ずらーっと並んでいて選びがいのあったポストカード。
今回はジョセフ・コーネルさんのコラージュBOXのものを買いました。東京・京橋のアーティゾン美術館の所蔵作品展で観て以来、好きなんです。
また、杉本博司さんの≪劇場≫シリーズも、1枚買いました。
そして、藤田嗣治さんの作品《アンナ・ド・ノアイユの肖像》をモチーフにしたピンバッジには、ひとめぼれでした。
有線七宝のようで、とてもかわいいんですー!!!
さりげなくゴールドがきらめくのも、素敵。
いまは台紙ごと飾ってます。
内側のフューシャピンクのセンス✨
実は今まで、藤田嗣治さんの作品って、いろいろなところで何度観ても、あーんまりピンと来なかったというか、正直、好みではなかったんです。
でも今回、展示室でこの《アンナ・ド・ノアイユの肖像》を観て初めて、素敵だなぁと思えました。
そんなささいな出来事を、より印象的にしてくれるのも、グッズの魅力だなぁと、改めて思いました。
また、普段、あまりTシャツを着ない生活なので、もったいないかなぁと思って買わなかったのですが、オリジナルTシャツは、シンプルだけど こだわって作られていることが分かって、ハンガーにかかったサンプルをじっくり見てしまいました。
身頃の両脇に縫い目がなく、コットン100% ふわっふわの生地で肌ざわりが優しくて、とても着心地がよさそうだったんですよね。
大人サイズだけではなく、同じデザインでキッズサイズもあり、色のバリエーションも絶妙でしたよ。
この他、オリジナルブレンドのコーヒー!や、収蔵作品をデザインした一筆箋、クリアファイル、スカーフ、過去の企画展の図録などなど、充実の品々でした。
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■セレクトされたアイテム
この一筆箋、何だかここの庭園のようで、かわいくて思わず購入しました。
そして、ひときわ不思議な見た目の、このシルバーのアイテム。
パッケージのイラストから伝わりますでしょうか
そうです、ポストカードや写真などのディスプレイアイテムなんです。
くるくるとバネのように重なったところに、適宜、挟んで使います。
フレームがポストカードを邪魔しないところと、フレームに収まらない、いろんなサイズのものもディスプレイできるのが良くて。
いろんな館のミュージアムショップを訪れてきましたが、このアイテムは初めて見つけました。
このミニマルさ、さすがのフランス製です。
そして、さんざん迷いに迷って、帰る間際に買ったのが、こちら。
ミュージアムショップのスタンプカードと並べてみました。
『風景の指輪』です。
箱を開けると・・・
こんな感じ。伝わりますでしょうか・・・
ちなみに磁器製です。この時世、気兼ねなく洗える素材は良いですよね。
モノプリというプロジェクトのアイテムで、なんと最後の1点でした。
パッケージも含めて、何だかアート作品のようですよね。
他で見たことがなかったし、なかなか気軽に来れる場所でもないし、ここでいま買わないで帰ったら、後でものすごく後悔しそうだなぁ、と思い、美術館を一度出ていたのですが、急いでお店に戻って購入しました。
こちらも、ピンバッジ 同様、しばらく飾って楽しんでます。
このほかにも、気になったアイテムがたくさん。文房具や輸入ポスター、サイ・トゥオンブリー関連の図録や作品集をはじめ、厳選された洋書の品揃えもなかなか。
また、作家の方々が手がけた、アートピースのようでありながら、普段の暮らしの中で楽しめるアクセサリーや雑貨などのセレクトもステキでした。
そこまで広いスペースではないですが、こだわりを持って運営されているであろうショップだと思いました。
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ということで、2回にわたってご紹介した、DIC川村記念美術館のお話。
記事をまとめながら、また出かけたくなりました。
皆さまのお出かけの参考になりましたら、とっても嬉しいです。
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次の記事は 10月5日(火)に公開します。
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