松村尚美

小説と童話を書いています☆

松村尚美

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🌟増田妃翠 自己紹介

 働きながら作家を目指しています。主に小説と童話を書きます。作詞もしています。二曲ほど歌になって発表されています。初めてノートをするので、分からないことだらけです。みなさん、よろしくお願いします。

    • 川端康成 掌の小説「金糸雀」

      💎川端康成•掌の小説「金糸雀」  ある日どなたかが言ったのです。川端康成の掌の小説の中では「金糸雀」が好きなのです。もしよろしければ、あなたもお読みください…  そこで私は金糸雀を読むことにしました。  *******  主人公が以前恋人だった「奥さん」に宛てて手紙を書いている。  〜内容〜  昨年いただいた金糸雀が飼えなくなりました。金糸雀は、妻が世話をしていましたが、妻が亡くなってしまいました。  以前は金糸雀を見て「奥さん」を思い出していました。妻がいてく

      • 「闇祓」辻村深月

        「闇祓」辻村深月  ヤミーハラ【闇祓】闇ハラスメントの略。 精神•心が闇の状態にあることから生ずる、自分の事情や思いなどを一方的に相手に押しつけ、不快にさせる言動•行為。 *****「本文より引用」*****  あらすじ  第一章  澪の通っている高校に不思議な高校生、白石要が「転校」してくる。奇妙なことに要は澪に異常に接近してくる。不気味に思った澪はクラブの先輩で憧れの神原に相談するが、結局澪は白石要に神原から助けられることになる。澪と要は一緒に神原と消えた同級生

        • 洋•未完

          ☦️ 「洋 未完」 ※未完、という題名です。 この男を、小説の中に連れて行こうと思った。厳しい日常とはかけ離れた、ドラマチックな世界に。そうして蓋をして、鍵をかける。人様が聞けば、鼻で笑われてしまうだろう。だが、私の現実は、妖しく緩やかな渦を巻いて、洋を飲み込んでゆく。 ある倶楽部で洋を見つけた。私の複雑に絡み合った文章と心を、確実に分析し、感想を述べる洋に、私は『ドクター』という渾名をつけた。私は、プライベートでは、洋を『ドク』と呼んでいる。私だけの名前だ。

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        🌟増田妃翠 自己紹介

          詩「紙の雪」

          「紙の雪」 風のない街、アスファルトに立つ。 冷たさが足元から広がり、 紙の月をちぎったような雪が、 肩に髪に降り積もる。 身体の温度が奪われないのは、 あなたに向けた熱のせいか。 濡れた睫毛に孤独を表し、別れの文字は鍵をかけたまま。 終わりのない終りが 残酷に肌を刺す。 紙の雪は溶けることを知らない。 感情の上に感情を重ね、自分を嘲笑ってみた。 叫び声を空に向けると、口中に無機質が広がる。 紙の雪は溶けることを知らない。 心まで降り積もり窒息しそうな夜。 #創作大賞20

          詩「紙の雪」

          「母の日に」

          昨日、母の夢を見た。 母はまだ若かった。 目が覚めて「あ〜私の帰る場所はもうないんだ」と思った。 母は年老いてしまったからだ。 今日は母の日だから、そんな夢を見たのかなぁ。 「お母さん、ありがとう」😊 #母#母の日

          「母の日に」

          詩「たんぽぽ」

          「たんぽぽ」 遠い街に行ったあなたよ 遠い大きな街に行ったあなたよ 覚えていますか あの丘のたんぽぽ 黄色い小さな太鼓みたいな あなたと話しながら見ていたたんぽぽ たんぽぽもあなたと私を見ていた 覚えていますか? もう帰ってこないのですか? 会いにきてくれないのでしょうか? 私は綿毛を ふぅっと吹いて 空に飛ばした 「あなたに届け」 あなたの街の丘に届け あなたの大きな街の、丘に届け たくさん咲いたら 黄色い小さな太鼓は笑って あなたが 私を 思い出すかもしれ

          詩「たんぽぽ」

          詩「女の指」

          「女の指」 女の指が滑らかに動き 丘をつたう 窪みを這う 女の指が柔らかに動き 俺の身体を 砂漠へと誘う やがて海があらわれ 俺は浮かんだまま眠る 女は 女 俺は子供になって 女に包まれていた 優しい女だ 朝までそうしてくれた 俺は二つの月に顔をうずめ眠っていた 「きつかったろう」 「痛くなかったか」 女の指を口に入れた 整えられた爪先を舌で確認する 味はなにもしなかった いや、俺は、愛を確かめたかったのだろうか? 女は 女 立ち上がり窓から大都

          詩「女の指」

          詩「雨音」

          「雨音」 雨がピアノをひく 鍵盤を雨粒がたたく 青い青い色 風が穏やかな 生ぬるい空気 雨がピアノをひく 木蓮の花が昨日咲いた 一昨日は嵐が来ただろう ピアノは風にさらされ 砂埃を浴びた 雨はピアノをきれいに流した 鍵盤を雨粒がたたく 青い青い色 もう誰も演奏してくれない ピアノは トラックに運ばれ 廃棄される 雨がピアノをひく 鍵盤を雨粒がたたく 青い青い色 最後の演奏 #創作大賞2023#オールカテゴリ部門

          詩「雨音」

          詩画像「寄り添えないから」

          寄り添えないから 永遠なのでしょう 愛と愛 哀と哀 逢わせる *画像はインターネットから。 *ナオミは本名です。 #創作大賞2023#オールカテゴリ部門

          詩画像「寄り添えないから」

          江戸川乱歩傑作選「鏡地獄」書評

          江戸川乱歩傑作選 「鏡地獄」 〜あらすじ〜 Kの友人、彼は、幼い頃からレンズや鏡が好きだった。彼は珍しい鏡を集めては、その虜になってゆく。中学になり物理を習い始めると、それに拍車がかかり、奇妙な装置を作り没頭する。 度の強い望遠鏡を使い、人の家の中を見たり、蚤を傷つけて、もがき苦しむ様子を楽しんだり、若く美しい小間使いを雇い、鏡張りの部屋で二人戯れたり、、、 ある時、玉乗りの玉を大きくしたような中から、彼の不気味は笑い声がして、Kが玉を叩き割ると、球

          江戸川乱歩傑作選「鏡地獄」書評

          「白い花びら」

          ❁⃘*.゚「白い花びら」 窓を開け、手酌しながら見上げる夜空に、三日月が静かに浮かんでいる。机の上の一輪挿しで、白菊が冷たい風に震える。畳に人差し指で、好いた男の名前を書く。 正月のこと、給湯器に故障の表示が出た。こんな寒い季節に湯が出ないと、風呂に入れず、近くの銭湯へ通う羽目になってしまう。急いでガス屋さんに電話をする。 「あのう、給湯器に故障の事らしい数字が表示されました」 「ああ。まだお湯は出ますか?」 「出ますが、とても心配だわ」 「急ぐ必要はない

          「白い花びら」

          詩「ふゆばれ」

          「ふゆばれ」 濃紺の空に白い満月が浮かんでいた 粉雪が風にあおられ 白い月に さらに白い ベールを引く レースに隠された花嫁の顔のように 月の白い顔は薄らと透き通る ふゆばれの今夜 結婚式が行われる 神父は星なのか? 星など出ていない 不在か 厳かな式は 観客も眠っていないだろう わたくしだけが、指で 十字をきって、祈る 幸せは人の計り知れない遠くまで こだましている #創作大賞2023#オールカテゴリ部門

          詩「ふゆばれ」

          詩「すもももももももものうちぃ」

          💖 すもももももももものうちぃ 両手にバケツ 丘向かう 向かうは、丘? 向かうは、すもも? 向かうは、自分? バケツ持つ両腕、広げ すももももももも、枝広げ たくさんなった実 もいでください 「 ようこそ 」 さわさわさわさわ さわさわさわさわ ねえ、あなた 痛くないの? もがれて ねぇ、あなた 痛くないの? 喰われて 「 嘘つき 」 すもももももももに、呟く 「 嘘つき 」 すもももももももに、囁く もがれて喰わ

          詩「すもももももももものうちぃ」

          詩「つまらない歌」

          「つまらない歌」 夕陽が 海の向こうに飲み込まれ 空に紺色の絵の具を ぶちまけた ところどころ茜色なのは 闇に犯されまいと 抵抗してるのだろう 時か経つにつれ 漆黒に空ごと飲み込まれ 私は影ごと飲み込まれた 暗闇がどこまでも続き 目で光を求めると 遥か彼方 まるで ランドルト環を眺めているような 心地になる 海は身体から流れ出る 悲しみや 詫びしさを スポンジの様に吸収する 涙も 声も 内臓の 雑音も 唾を飲み込む音も 耳鳴りも こめかみの動きも この 私の 馬鹿野郎も

          詩「つまらない歌」

          「絵本の力」

          『絵本の力』 小学校四年生だった。土曜日に家に帰ると、手を洗い水屋を開けた。中に冷えたご飯が茶碗に盛って置いてあった。私は冷や飯に塩をふって、冷えたお茶をかけて、箸を使って柔らかくして口に入れた。お茶漬けを食べても、腹は膨れていなかった。 寝床の、畳んだ布団の上に置いてある、赤ずきんちゃんを広げると、話の中に食べ物が出てくる。パンと葡萄酒の挿絵に、鼻を近づけて嗅いだ。不思議なことに、香ばしい匂いと、葡萄の香りがした…そうやってひもじい日々を耐えて過ごした。

          「絵本の力」