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江戸川乱歩傑作選「鏡地獄」書評

江戸川乱歩傑作選

「鏡地獄」

 〜あらすじ〜

 Kの友人、彼は、幼い頃からレンズや鏡が好きだった。彼は珍しい鏡を集めては、その虜になってゆく。中学になり物理を習い始めると、それに拍車がかかり、奇妙な装置を作り没頭する。

 度の強い望遠鏡を使い、人の家の中を見たり、蚤を傷つけて、もがき苦しむ様子を楽しんだり、若く美しい小間使いを雇い、鏡張りの部屋で二人戯れたり、、、

 ある時、玉乗りの玉を大きくしたような中から、彼の不気味は笑い声がして、Kが玉を叩き割ると、球体の中の凹面鏡に囲まれた小宇宙のせいで、発狂した彼が出てきた。彼はそのまま亡くなってしまう。

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 わたくしは「鏡地獄」を読み、すぐさま二作の「鏡」に関する小説を創った。それと言うのも、わたくしは「鏡」を見るのが好きで、外出する時でも常に、「鏡」を三個以上持ち歩いている。購入したり、いただいた、どんな「鏡」も、同じ顔映りの物はなく、「鏡」によって、自分の顔が不細工に見えたり、それなりに可愛く感じたりして、大変興味深く面白いのだった。また、家の中のいたるところにある「鏡」は、室内の灯りや光の加減などにより、顔色が健康的に見えたり、毛穴が開いて見えたり、うらなりのようだったりと、非常にわたくしの興味をそそるのだった。三面鏡に並んだ、たくさんのわたくしは、実に恐ろしく狂気じみて見える。

「三面鏡、、あの中の一人は、自分と違う動きをしていないか?目を逸らしている間に、刃物を持って、わたくしに襲いかかろうとしている奴が居るのではなかろうか?」

  前に踏み出したり、後ろに下がったり、くるりと回って姿を映して見たり、作り笑顔をしたり、わざと涙を流して、憎しみをあらわにして眉間に皺を寄せてみたり、、、

 一日中、夢中になって「鏡」に没頭する、わたくしが此処に居る。

【おっと、わたくしとした事が、また、「鏡地獄」に陥っていたようだな…ふふ】



#創作大賞2023 #オールカテゴリ部門

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