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未経験エンジニアの転職活動必勝法 ~(1)自己分析編~

ITメガベンチャーでエンジニアの採用担当をしている傍ら、某社会人プログラミング教室のキャリアドバイザーをしている元大手メーカーエンジニアの片山です。転職市場では、どうしても上〜中級者に求人が集まってしまうこのご時世、選考する側と受ける側の両視点からプログラミング未経験者が転職活動をどう乗り切ればよいかを端的にまとめてみました(全四編)。主に中途の方向けに書いております。少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

まずは、プログラミングを学習する目的を明確にする

プログラミング学習をはじめる人にありがちなのが、

「手に職(スキル)をつけたいから」
「ITが流行ってきているから」
「エンジニアってなんとなくかっこいいから」

などがあげられます。これら3つに共通していることは、プログラミング自体が目的となってしまっていることです。

エンジニア(PM)と人事(採用)の両方を経験していてわかるのですが、エンジニアリング以外の業務(人事業務)もスキルが非常に求められます。ただ、そのスキルがエンジニアリングよりも定量化しにくいというだけです。例えば、

Java 3年、要件定義2年、AWSを使ったインフラ環境の構築/運用経験あり

などとすれば、どれくらいできるかがだいたい定量化できますが、

人事 採用業務2年

などは人によってばらつきが大きく定量化しにくいです。そのため、手に職をつけたいからエンジニアを希望する人は注意が必要です(現職のスキルをある程度マスターしてからでもいいのではないでしょうか)。

ITの波がここ最近増しているように感じますが、現在、使われている技術はMicrosoft Windows 95が発売された1995年から実現できたものがほとんどです。ただ半導体の集積化が進み、コンピュータが高速化されたことと、あまりコンピュータに精通していない人でも多少勉強すれば簡単にプログラミングできる言語やツールキットが生まれたことにより、ここまで世界的に普及し、世の中を変えてきました。あとは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon 4つの主要IT企業の頭文字を取って総称する呼称)の存在も大きいでしょう。ここで何が言いたいこというと、タピオカが流行っているから、並んでタピオカを食べてみるなど、世の中に踊らされてはいけないということです。きっかけは周りからの影響やメディアなどでもかまいませんが、それを使って「何かがしたいのか」の目的は明確にした方がよいでしょうか(ITが流行っているからエンジニアになりたいという志望理由では、自分の意思がなく、ほとんどの企業が採用してくれないでしょう)。

三つ目ですが、エンジニアの業務はプログラミング(コーディング)だけではありません。職場によっては、要件定義から設計、テスト、運用まで幅広くこなす必要があります(ゲーム業界などではプログラミングだけを行うプログラマーの職種もありますが)。そのため、とくに社内でチームを構成し、開発を行うケースでは、意外にもプログラミングの作業よりも、チーム内でのコミュニケーション(進捗確認、レビュー)などが多くなります。私が行なっている人事の業務と比較しても、エンジニアの時の方が、少しPCに向かっている時間が長いと感じるくらいで、ほとんどが社内外とのコミュニケーションになります。かなりフルスタックに一人で開発ができる人は別ですが、そこまでの実力になるにはかなり時間がかかります。ノマドワーカーのようにお洒落なカフェで仕事をしているのは、エンジニアの業務のほんの一部に過ぎません。

以上のことはまず大前提として、エンジニアを本気で志す上でしっかりと心にとめておいてほしいです。

目的が見当たらない人は自問自答しよう

エンジニアになりたい理由が明確な人はそれを糧に勉強と就職活動を頑張りましょう。目的が見当たらない人は、今回は中途のエンジニア未経験の転職活動ということで、現職(もう辞めてしまっている人は前職)の業務を思い出してみましょう。その時に「課題に感じていたこと」「非効率だと感じてたこと」はなかったでしょうか。どんな些細なことでもかまいません。エンジニアリング(IT)の旨みはそういった些細なところにもたくさんに転がっています。最初は、「ITで教育業界を変えたい」などのような大きなことでなくてもかまいません。まずは、目的を持って、勉強や転職活動に取り組み、エンジニアリング自体を好きになることが何よりも重要です。実際に学習する中で、どういったところが好きなのか、自分をしっかりと観察してみましょう。

キャリアは総合格闘技の時代

未経験の人が経験者と転職市場で闘うためには、自分にしかないキャリアを武器にしましょう。前職が非エンジニアだった、公務員の人も、営業や経理や事務の人も、その経験自体は唯一無二です。その中で得られた経験を今後のキャリアにしっかりと役立てられるように、キャリアの棚卸しをしっかりと行いましょう。前述のとおり些細なところにエンジニアリングの旨みは転がっています。例えば、経理の経験と勉強中のエンジニアリングを掛け合わすことで、新たな価値を創造することはいくらでもできます(プログラミングで定常的な経理業務を自動化するなど)。そのような目をつけどころは現役のエンジニアにはあまりある人はいないでしょう(経理未経験のため)。エンジニア未経験だからといって自分を卑下しなくてよいのです。エンジニアリングが未経験な分、そのほかは経験なのです。そのためにまずは、しっかりと過去の分析からはじめましょう。

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