23:ベナンの小学校の現状
Bonjour!
ベナンの小学校の現状についてお話します。
まずそもそもなぜベナンを志望したかというと「ベナンは教育水準が低い」と知ったから。
今から8年半前、ポルポト政権時に教育が一度破壊されたカンボジアの学校教育の現状を目の当たりにし「将来、教育水準が低い国で活動したい」と思ったのがきっかけです。
カンボジアは第1希望でしたが、要請内容(情操教育の普及)と私のやりたいこと(基礎学力の定着)が異なっているのを知っていたのにも関わらず、面接の試験で包み隠さず自分自身のありのままを話した結果、ベナン派遣で合格をいただきました。
出国前から分かっていた情報として
①教科書を含む教材が足りていない
②情操教育の授業がほとんど行われていない
③教師の体罰が横行している
④自宅では現地語、学校ではフランス語を話すため、子どもたちの学習の定着に問題がある
⑤学校に通えていない子どもが多い
ことくらいでした。
上記5つは任地の中心部の学校でも実際に起きている課題です。(④については次回「言語の壁と学力」で詳しく記載)
初めて小学校に足を運んだ時から、それなりの覚悟をもって授業を参観しました。
しかし、分かってはいたものの自分の目で見るとかなりショックを受けました。今もそうです。
それに加えて…
⑥教師の知識の無さ
⑦子どもたちの基礎学力の無さ
⑧教員不足
⑨衛生環境の悪さ
⑩午後の授業はしない
が目立ちます。
「⑥教員の知識の無さ」
「3.6.9...」と続けて30を超えると教師自身が間違えていました。その間違えた数を黒板に書き、子どもたちに復唱させています。
「1時間は100分」と教えていたという話も…。
間違っていることを教えている先生は私が知る限り1人や2人ではありません。
「⑦子どもたちの基礎学力の無さ」
4年生で0がわからない。
分かっていても0+2を頭で計算ができない。(高学年も2+3レベルまでの計算しか頭でできない。)
高学年の優秀な生徒も九九は2の段までしか言えない。
基礎学力のなさは想像以上です。
「⑧教員不足」
ベナンは日本と同じ6学年。
しかし校長先生を合わせて先生は6人しかいません。
ある学校の3年生の担任の先生が転勤になり(理由は分からず)、その子達は4.5.6年生のクラス在籍になりました。
もちろん授業は全くついていくことができていません。
「⑨衛生環境の悪さ」
各教室に大きなバケツが置いてあり、その水を子どもたちが同じコップで飲んでいます。
しかし水道もないため、いつから置いてある水なのかわかりません。
目を怪我した子どもがいた際、私が先生に「この水で目を洗わせていい?」と聞くと「汚いからダメ」と言っていました。(結局私の水筒の水で洗わせました)
トイレも地面も教室の床もかなり汚い。
自分の赤ちゃんを教室の床に寝かせている先生もいますが「床は汚いからずっとおんぶをしている」と教えてくれた先生もいます。
「⑩午後の授業はしない」
もちろんしているクラスもあります。
しかし基本午前中の授業の板書をノートに写すか、先生がいても何もしないか。
1年生のクラスに行った時、何もせずただ座っているだけの異様な光景を目にしました。
先生に理由を聞くと「午後は子どもたちが疲れているから」とのこと。
しかし少し私語をするだけで叱る。
1年生に喋らず座れなんて無理に決まっている…。
しかし、暑い中、教材がない中、言語の壁に苦しめられる中…
先生たちも子どもたちも本当によく頑張っています。
少しでも力になれるような活動を展開したいと授業を参観するたびに強く思います。
長くなってしまうので補足は次回以降の記事で👋🏻
nao
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