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【詩】湯上がり玉子

仲間と夜通し過ごした後の温泉
待たせるのが心配で 
恩着せがましく
急ぎ出た湯上がり

後からのんびり出てくる君
「この人には私のペースで大丈夫」
ホッとした瞬間

束の間の幸せ
消えない不安に
のみ込まれる心

君が酔って鼻の下伸ばした
女の子と同じじゃないと
きっと愛されない

誰よりも近くにいないと
きっと愛されない

大丈夫だと分かっていても
募る焦りと過剰な期待
伝えられた愛情
信じられず
取りそこなった距離

追い詰めて
綻んだんのは僕

明日、君に会えなくなるのが怖くて
いつか見限られるのが怖くて

そんな綻びだらけの僕でも
君は心をすり減らしながら
懸命に命綱になってくれた

だから
僕も君の命綱になりたかったな

この温泉は湯上がりの
揚げ卵が人気なんだ

現在は2人 別々の場所で
ゆっくり自分の
ペースで湯に浸かろう

いつの日か
君に揚げ卵を
奢る日を夢見て

君の好きなお酒も用意するけど、
飲みすぎて 誰かに
鼻の下伸ばさないでね


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