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私と正宗は連れだって歩いている。何故か二人とも無言だった。………友だちとは沈黙すら気に…
「良かったねー!友だちができて」 カネチカは自分の事のように喜んだ。 「ただ、僕の家で遊…
カネチカに、ああは言われたけれどいざとなると勇気が出ない。そんな事を思っている内に授業…
「なんで増えてんだよ……」 正宗が私とカネチカを見てぼやいた。 「いや、彼は僕の協力者…
「えー?カネチカくんがそんな事を?」 ソファに寝っ転がっていた先輩は、眠そうにそう言っ…
「おはよう春樹」 さわやかな笑顔を向ける兄が、コーヒーを飲んでいた。 「おは…よう?」 …
何がどうなったらこうなるのだろうか。 私には理解が追いつかないが、抜け殻のようなった兄と、何故か顔がボコボコに腫れ上がり、ずぶ濡れの先輩?ようなヒトがそこに居た。外はまだ雨が降っている。 「えっと———これは一体」 ぽいっとゴミを捨てるように、先輩?は兄を放り出した。 「ちょっと…遅かった…みたい」 口も腫れていて上手く話せないようだった。声が掠れているが、先輩のようだ。 「どういうことですか?」 「うーん………見たとおり…だ」 兄はゴム人形のようにクタクタして
あのあと、兄は姿を消した。 私はあえて捜さなかった。何があったか説明はしなかったが、…
気付くと、私はあてがわれていた部屋にいた。まだ雨は降っている。 あのあとどうやって先…
———雨音がする。いつの間に雨が降ったのだろう。窓を見ると土砂降りだった。 「何を言っ…
なんでこんなことになったんだろう。よく分からない。 「あー、先輩それじゃないですよー。…
学校の屋上。この時間は人気がないので、私は正宗をそこへ連れ出した。 「———ごめん。力…
まあ、中に入ってくださいよ。と言われ私は家に入った。完全に個人宅である。どうみても拠点…
まるで迷路のようだった。 どこをどう歩いたのか分からなくなってきた頃、やっと目的の場所に着いたようだった。 「客はこの部屋に案内される」 そこは落ち着いた和室で、占いとは無縁な雰囲気だった。 「どうやって未来を占うの?」 私が聞くと、彼は黙ってふすまを開けた。そこは寝室になっていた。 「これで分かるだろ。未来を視るのはVIPの客だけ。口の硬い奴な」 「———………ううん…」 何となくしか察せられないが、深い接触で相手を占うという事なんだろう。 「あんな事、まだガキの