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霊感のある友人と、仕事でお通夜に行った時の話

怖さ:★★☆ 

以前、会社の同僚に不思議なことを感じることができる人がいました。

「幽霊なんて見えるわけないじゃん」と本人は言っていますが、勘が鋭い(?)というか。何か感じたりすることはあったようです。

仕事で外出した時など突然、彼女から電話が入って「悪いんだけどさ、すっごく空気が悪いんだわ。お塩買ってきてくれる?食卓塩とかじゃなくて、あら塩ね」と言われて、よくわからないながらも、お客様のところから会社に戻る途中にスーパーに寄ってあら塩を買って帰ったら、デスクの下にお塩を盛って「あ~、すっきりしたわ~」という具合です。

そんな彼女と、ある夜、仕事の関係でお通夜に行った時のことです。

お通夜の会場は東京近郊のちょっと田舎にあるお寺でした。小高いところにあって、階段を上って境内に入りました。お寺のすぐ裏手には山があって、木がうっそうと茂っています。

お通夜が始まったころはまだうっすらと明るかった空もすぐに暮れて、すっかり暗くなりました。彼女と私は、お焼香を待っている間、ご遺族やほかの参列者の邪魔にならないように屋内には入らずに、並んで外に立っていました。

しばらく、お坊さんが読経する声を聴いていると、横に立っていた彼女が突然、「うわっ」と声を出しました。

「どうしたの?」と聞くと、「今、何か通ったよ」と言います。あまり声をたてないように、でも気になったのでどういうことなのか尋ねてみると、彼女と私が2人、立っているちょうどその間を何かが通り抜けて、山の方に行ったというのです。

2人の間隔は肩がぶつからない程度。お通夜の読経中にひそひそ話す声が聞こえる距離です。もしもその間を何かが通ったとしたら私も感じるはずです。

風が吹き抜けたというわけでもなく、幸か不幸か私は何も感じませんでしたが、幽霊とかお化けが通ってたとしたら、もしかしたら私の体をすり抜けていたのかもしれないと思うと、気味が悪くなりました。

話し手:30代 女性
採取時期:2016年ごろ
採取場所:埼玉県

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