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夢の中で出会った故人の納棺をした話

怖さ:★★☆ 

亡くなった方を棺に納める際に、死装束(昔の人が旅をするときのような服装。最近は柔らかいドレスのような服や、生前好んで着ていた服にの場合もあるようです)に着替えをさせたり、故人の遺体をきれいにケアする専門家、納棺師の方にお会いしたので、「怖い話はありますか?」と伺いました。

納棺のお仕事は薄暗い霊安室のようなところで行うような印象がありましたが、実際には明るい部屋の中で行うもので、「怖い話ということは特にないですよ」というお返事でした。

ただ、納棺をしている時、遺体を動かしたりすると遺体のお腹にたまっているガスが口から出ることがあるようです。そのガスが出るときに声帯を震わす(?)ため「ヴォ~~~」という、うなり声のような音を発することがあるのですが、それ自体はそれほど珍しくないことなのだそうです。また、デジャブ(既視感)というか、故人の遺体に処置を施していると、ふと、その光景に見覚えがあるように感じることもしばしばあるようです。

その中で不思議と言えば不思議な話というのが、夢の話でした。

その納棺師の方がある日、仕事をしている夢を見たそうです。夢の中でその遺体は普通に動いていて、着替えをさせている間も体を動かして、納棺師の方の肩をつかんできたり。「もう!少しじっとしててくださいよ」と言いたくなるほど、とにかくお仕事をしづらい故人だったという夢でした。

ところがそれからしばらくして納棺の依頼があり、その現場に行ってみると、どこかで見た覚えのある遺体がありました。そのまま納棺をしたのですが、納棺をしながら、数日前に夢に出てきた、あの動いて、肩などをつかんでくる故人だということに気が付いたそうです。

話し手:納棺師
採取時期:2019年12月
採取場所:東京都内の居酒屋

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