マガジンのカバー画像

感想

349
記事や投稿、作品について思ったことなど
運営しているクリエイター

#読書記録

2024年4月に読んだ本まとめ

4月は『八月の御所グラウンド』が非常に良かったです。流石、直木賞受賞作は伊達ではなかったです。映像化されるということで読んでみた『十角館の殺人』ですが、犯人の狙いが全然ハマらないのが面白かったです。『ハンチバック』も印象深かったです。読書家のマチズモというのがアンバランスな単語ながらも説得力があり興味深かったです。同じような文脈で文章を正しく綴れる人は、そうでない人に対して何かしらの優位主義を持っていそうな気がしますね。まぁ、だから誰しも黙れと言う話ではないと思うんですけどね

2024年3月に読んだ本まとめ

3月は『ピアノマン 『BLUE GIANT』雪祈の物語』が印象に残りました。丁度BLUE GIANT本編の単行本でも雪祈が再登場した辺りでよいタイミングで読めたなぁと思います。また、橘玲氏の『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』は、シリコンバレーのテック企業をリードしている人たちがどういった信条や、パーソナリティを持っていることが多いのかというのをうかがい知ることができたので、興味深かったです。 読んだ本の数が少ないのは別に構わないのですが、就寝前の読書習慣が無く

2023年に読んで面白かった小説をご紹介

今年読んで面白かった小説をざっくりとしたジャンルに分けてご紹介します。今年は他者からの評価に翻弄される若者たちの悲哀を描いた「タワマン文学」と、『地図と拳』で直木賞を受賞された小川哲さんの出版されている作品をすべて読んだことと、17年振りの新刊が話題になった『鵺の碑』が印象に残りました。 タワマン文学麻布競馬場著『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』 不健全な本だなぁと思いながらも、東京に住んでいると何となくわかる内容が多く、結構言いたいことが出てきたので3回にわたっ

2023年12月に読んだ本まとめ

ちょっと早いのですが、年末進行なので今月読んだ本をまとめます。今月は『信長の原理』と、『光秀の定理』が印象深かったです。特に『信長の原理』は、主人公、信長の目線が学者のように一歩引いた感じで面白かったです。 文芸書垣根 涼介著『信長の原理 下』 原理を理解した信長がそれに溺れて本能寺の変が起こるというのが面白い。仕事が出来て権力があるだけでは、それぞれが子会社社長な武士の社会では、トップに立ち続けられないということなんだろうなぁ。 光秀がコトを起こさざるを得なかった織田家

2023年11月に読んだ本まとめ

今月は全然本読めてないなぁと思ったので、読んだ冊数をグラフ化してみました。 意外なことに当たりが多くてテンションの上がった先月の倍、今月は本を読んでいることが分かりました。時間は有限なので今以上に本を読むためには何かやっていることを削らなくてはなりません。ただ、時間の確保と同等かそれ以上に何を読むかってのも大事そうですね。今月は紹介しようと思えない本が多かった気がします。。。時間を増やすのは難しいので、事前に情報を集めて厳選してから読むことで質を上げる必要がありそうです。

2023年9月に読んだ本まとめ

9月は何と言っても、17年振りに発売された百鬼夜行シリーズ新作『鵼の碑』が非常に印象に残りました。いやぁ、最高でしたよ。さらに、伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズの最新作『777 トリプルセブン』もエンタメしていてよかったです。10月には小川哲さんの『君が手にするはずだった黄金について』が発刊されるので非常に楽しみです。 また、今週末で試験勉強にひと段落が付くので実用書や、人文書なんかも読んでいきたいところです。読書の秋なので。 文芸書京極 夏彦著『邪魅の雫』 陰摩羅鬼もそ

2023年7月に読んだ本まとめ

文芸書小川 哲著『ゲームの王国』 グロテスクな表現が多いですが、泥の戦闘後の解放よりも、どんどん処理されていく、ロベーブレソンの住民よりも、秘密警察による拷問の数々よりも、描かれている出来事の多くががルール設計によって起こっているってのがグロテスクだと思うわけですよ。私は。 記憶力が悪いからなのか、自分の記憶をあまり信用していないところがあります。反芻した記憶は勝手に改竄されてしまっているんでしょうし、実際のところ、反芻していない記憶はどんどん消えていってると感じています

2023年上半期に読んで印象深かった小説をご紹介

2023年上半期は19冊の小説を読みました、その中から特に印象深かった10冊をご紹介させていただきます。本半期は小川哲さんの作品と出会えたというのが良かったです。現在も『ゲームの王国』を読んでますが非常に興味深い作品です。 そんな関係もあり、最も印象に残っているのは『地図と拳』になります。電子書籍で読了したので、書店で見かけた際に分厚さにちょっと引きましたが、その分厚さだけの時間をかけて読む価値のある小説だと思いました。『ゲームの王国』でも感じていることですが、小川さん自身

2023年6月に読んだ本まとめ

絶賛、麻雀にはまっておりまして読書の時間はあんまり取れていないです。麻雀はランダム要素が強いことがついつい続けてしまう理由な気もします。そればかりになると了見も狭くなってしまうので、節度を持って楽しみたいものですね。 あまり時間がかけられなかった関係から、人文書(事実が書いてあるけど実生活ですぐに役立つことはないと定義)が読めてないです。7月はそういった関係の本も読んでいきたいと思います。 文芸書平野 啓一郎著『ある男』 これは染みるやつなんやろうなぁと思う。 囲碁で目

浅田 次郎著『地下鉄に乗って』を読んで思ったことなど

30年前の小説に対して時代錯誤と言うのはちょっと違うと思うので、言い換えるならば『地下鉄に乗って』は90年代前半という時代だからこそ楽しめた作品だといえる。 石田純一が「不倫は文化だ」と(そのままズバリとは言っていないらしいが)言ったのが、1996年だそうだけど、確かにあの時代90年代まではそれを言ってもある程度は許容される、よく言えば大らかさが、悪く言えば無神経さがあったと思う。 では何故30年経った現代はどうだろうか? 不倫をした芸能人は一定期間干されるのが通例にな

2022年6月に読んだ本まとめ

今月はゲームが面白すぎて実用書はほとんど読んでなかったです。そして明日には「Monster Hunter Rise: Sunbreak」が出るので来月もあまり読まないのではないかと思ったり。 文芸書は、先月に引き続き「百鬼夜行」シリーズを読んでいます。今読んでいるのは『鉄鼠の檻』で物語は中盤、中禅寺先生の禅宗のざっくり歴史講義が始まるあたりです。 文芸書京極 夏彦著『狂骨の夢』 広げに広げた風呂敷をしっかりたたんでくれるので良いですね。 最後はビーチボーイズなみに爽やかで

2022年5月に読んだ本まとめ

百鬼夜行シリーズを読み始めました、5月は2冊読んで現在三作目の『狂骨の夢』を読んでいます。百鬼夜行シリーズの多くの作品は20代前半に読んだので歳を取ってから再読すると結構イメージと違ったり、年を取った分だけ物事を知った分内容が理解し易かったりします。 体調があまり良くないので、硬い文章はしんどいなぁと思ったり、柔らかそうな内容は時間の無駄にならないかなぁと思ったりで、文芸書以外が今月はあまり読めていないです。4つほど紹介してますが、いずれもゴールデンウィークに読んだものです

2022年4月に読んだ本まとめ

あんまり短編集は好きじゃないんですが、『逆ソクラテス』は良かったです。4月は結構つらい日が続いたので、かなり救われたんじゃないかと思います。月末の方に読み始めた『壬生義士伝』はさすが有名作家さんの作品と思わせる上手い小説だと思います。熱いですよね。そういった熱さから遠いところにいる私としては、ちょっと引いてしまうところもあったりしますが。 『エッセンシャル思考』も話題の作品だけあって面白かったです。ゴールデンウイークもありますし、理解するために内容をNoteにまとめようと思

2022年3月に読んだ本まとめ

特に狙ったわけではないのですが、今月読んだ文芸書は『本心』、『舞台』、『熱帯』とすべてタイトルが2文字でした。最近読んだ『熱帯』が一番印象に残りました。あまり読まないのですが、冒険小説っていいですね。 実用書は今月もKindle Unlimitedで色々と読みましたが、『「読む」って、どんなこと?』は、文章の楽しみ方が解説されていて文芸書好きな人にお薦めです。 文芸書平野啓一郎著『本心』 あんまり愛情について考えるのとかは好きでないんですが、そんな私が上記のような感想を