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2022年5月に読んだ本まとめ

百鬼夜行シリーズを読み始めました、5月は2冊読んで現在三作目の『狂骨の夢』を読んでいます。百鬼夜行シリーズの多くの作品は20代前半に読んだので歳を取ってから再読すると結構イメージと違ったり、年を取った分だけ物事を知った分内容が理解し易かったりします。

体調があまり良くないので、硬い文章はしんどいなぁと思ったり、柔らかそうな内容は時間の無駄にならないかなぁと思ったりで、文芸書以外が今月はあまり読めていないです。4つほど紹介してますが、いずれもゴールデンウィークに読んだものです。6月は生活習慣を見直し復調して文芸書以外も読めたらなぁと思っています。

文芸書

浅田 次郎著『壬生義士伝(下)』

好きか?と聞かれたのであれば、「いいえ」という回答になるが、
良いか?と聞かれたのであれば、力強く「はい」と答えたい小説。

よくある手法なのかもしれないけど、
登場人物の謎の行動の意味が、読み進めるにつれて心情も含めて徐々に理解できるようになっていくというのは非常に心地よく、楽しい体験だった。

また、どこまでが実情に近いのかわからないが、
現代に生きる我々とは全く違う、幕末の下級武士の生きづらさや、不思議な世界観を垣間見ることができるのもおすすめしたいポイントである。

好きと言えないのは、すごくいいシーンがたくさんあるにも関わらずお涙頂戴的なノリについていけない私の問題なので、多くの人は楽しめるのではないかと思う。斎藤とか、長倉とか、土方とか、大野親子とか、嘉一郎の本音とか、背中の佐助とか、吉村親子の帰郷とか名シーンばっかりですよ。

ただ、幕末の話なので現在と大きく価値観が違うのでそこが気持ち悪いという人もいるかもしれないと思いました。

京極 夏彦著『姑獲鳥の夏』

20代のころに読んだカッパ・ノベルスからかれこれ4回目の『姑獲鳥の夏』、犯人がどうなるかは全然覚えてなくって自分の記憶力にビックリしました。

最近読んでいる『ファースト&スロー』に書かれていることと同じような、脳科学に関する記述がみられて、20代の私はほんとにこの辺り理解できて読んでたのかしら?と疑問に思いました。そして、驚いたのは参考文献に脳科学系の本が全く入っていないってことですね。あのあたりの知識は本を書く前から、著者の頭に入ってたってことなんでしょうね。

京極 夏彦著『魍魎の匣』

百鬼夜行シリーズで一番好きな『魍魎の匣』を読み直しました。思うところがあったので感想をまとめてみました。

読み終わったときに出てきた羨望を潰す感想。

こちらは「テセウスの船」について考えてみた感想。

文芸書以外

木暮 太一著
『人生格差はこれで決まる 働き方の損益分岐点

金融資産の使い道を、「投資」「消費」「浪費」に分けて考えるように、人的資本の一部である労働時間も「投資」「消費」に分けて考えよう。んで、「投資」に当たるような労働時間の過ごし方をしていると、どんどん楽になっていくということが書かれていました。

中桐 啓貴著
『日本一カンタンな「投資」と「お金」の本』

『Psychology of Money』が結構売れているようですが、その本と同じくらい、長期投資に対する向き合い方がわかる本です。

ストーリー仕立てになっているのですが、私も以前FXや株のデイトレーディングに手を出して、仕事がおろそかになった経験があるので、主人公に親近感を持ちつつ楽しむことができました。

資本主義社会の成り立ちから解説してあるという点も好感が持てました。以前ポッドキャストの「COTEN RADIO」で語られていたのと、同様の資本主義の成り立ちが別の言葉で語られてるので、概念的でありつつしっかりとした定義の存在しない、資本主義に対する理解が進みます。

コア、サテライト戦略も生活に支障をきたさない程度、投資で遊ぶと理解したので試してみようと思います。

齋藤 嘉則著
『新版 問題解決プロフェッショナル』

内容としては非常にシンプルなんだけど概念的であるために、伝えることが難しい問題解決の手法を、実例を多用しながら誰が読んでもわかるレベルで解説した本。

著者が記載しているように、問題解決の手法を「理解している」「実践できる」「実践し解決する」の間には大きな差があるので、こちらの本を見つつ業務や日常で「実践」することから始めてみようと思う。

「ロジカル」であることが求められる職場や職種の人はこういった手法が、みんなが共有する前提知識となっているので、この本を読んでおいた方がよいのではないでしょうか。

松岡 亮二著
『教育格差 ──階層・地域・学歴』

事実に基づいて、教育格差について知ることができる本。解決できた社会はないが、よりベターな方向に向かうことはできるはずと信じる作者の姿勢が好印象でした。

読んでみた経緯や印象に残った点などは以下の記事にまとめました。

2022年4月分


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