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感想

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記事や投稿、作品について思ったことなど
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記事一覧

橘玲著『DD(どっちもどっち)論 「解決できない問題」には理由がある』を読んで思ったことなど。

ダニエル・カーネマンが『ファスト&スロー』で述べていたように、人間はファスト思考とスロー思考の両方を持っています。いわゆる直感やよく考えずにパッと思いつく認知的負荷の低い思考方法をファスト思考、論理を組み立ててじっくり吟味する認知的負荷の高い思考方法をスロー思考と呼ぶと私は理解しています。 上記のように、スロー思考は負荷が高いため、人は基本的にファスト思考を使って生活しています。我々が日常生活で直面する問題や意思決定のほとんどは、これまでの経験から答えが導けるものばかりです

「開幕直前! Mリーグの楽しみ方を布教して杏戸ゆげ殿を沼に沈めたい鴉天狗」を見てみた

本日9月16日から24-25シーズンが開幕するので「Mリーグ」の紹介をされている上記の動画を見てみました。Mリーグの概要から各チームのメンバー紹介までされていて私のように見たことが無い人が、Mリーグってどんなものかというのを知るにはちょうど良い動画なんじゃないかと思いました。 私としては麻雀は雀魂からはいったので、神域リーグに絡んでいる多井隆晴プロとか、松本吉弘プロのいるアベマズを今年は推していこうと思います。次点でやはりこちらも良くYoutubeで見ている渋川難波プロのい

【ネタバレ有】映画『ラストマイル』の感想

先日、映画『ラストマイル』を見てきたので感想などを書いてみようと思います。ネタバレ無でいい感じに書くことが出来ないので、思いっきりネタバレしています。未鑑賞の方はご注意ください。 前提『アンナチュラル』と『MIU404』を、アマプラや数年前の年始の一挙放送で鑑賞済みなので、それらの登場人物については大体わかってる感じです。 あらすじAmazonっぽい企業から出荷された商品が爆弾とすり替えられるテロ事件が発生し、その倉庫のセンター長とマネージャーが解決に挑む物語です。 詳

『令和元年の人生ゲーム』を読んで考えたことなど

麻布競馬場さん著『令和元年の人生ゲーム』を読んでみました。今回は作品の内容そのものよりも、私が読んで考えたことについて書いてみます。 Z世代の苦悩がわかるという触れ込みだったので手に取ってみました。触れ込み通り現代の若者の悩みの一端は見えたかなという感じなのですが、それ以上に印象的だったのは、どの世代も抱える悩みや迷い、欲求の根本は変わっていないという点です。Z世代の苦悩も、時代や社会の変化に合わせて表面的なディテールが変わっているだけで、ベースとなる部分はそれより上の世代

RAGEx麻雀を見に行ってきた

去る、7月13日(土)RAGE 麻雀 feat.Mリーグに行ってきました。どういったイベントだったかというと、以下のような感じです。 昨年から雀魂で麻雀を始めて5月に行った雀魂のイベントが思った以上におもしろかったので、今回も参加してみました。 多井プロのたかちゃんねるや、松本吉弘プロのぐみひゃくやそれに付随する動画を見ているので、Mリーガーの方は解説の方も含め皆さん認識していたのですが、インフルエンサー枠の方はワッキーさんと、ロバート山本さん以外は存じ上げない状態の私が

2024年7月に読んだ本まとめ

今月はミステリが多かった印象です。今月読んだ『九度目の十八歳を迎えた君と』で、単著で出版されている浅倉秋成氏の小説はすべて読んだことになります。個人的には『六人の噓つきな大学生』が一番好きかなという感じでした。浅倉さんの本は今後も新刊が出たら読んでいきたいと思います。 浅倉 秋成著『九度目の十八歳を迎えた君と』 後半二和の台詞に「そうやった。私もそういう子供だった」と心を乱されたり。「そうやないんや」という、主人公の言葉に持ってかれたりした。高校生の頃の主人公の空回りも含

休暇の不公平感緩和について思う

日経新聞のサイトを見ていて気になる記事がありました。子供の急病などで休暇を取得したり、育休を取得する人を「子持ち様」と批判する声がSNSなどに上がっているようです。私のタイムラインは基本的に趣味のことをつぶやいている人ばかりなので基本的に平和なのですが、そんな殺伐とした世界もあるわけなんだと驚きました。 上記の記事では、実際の企業が取っている解決策として以下の2つが紹介されていました。 カバーした社員の賞与に報酬上乗せ どの従業員も休暇取得しやすい環境をつくる 個人的

2024年上半期に読んで印象深かった小説なんかをご紹介

上半期読んで印象深かった小説なんかをご紹介とさせてもらっているのは、エッセイも含めたからです。小説・随筆・詩歌なんかをまとめて一般的には文芸書というような気がしますが、定義が間違っていたら良くないのでこういったタイトルにしています。 上半期で印象深かった本を10冊ほど印象順に並べてみました。一番はなんといっても万城目 学著『八月の御所グラウンド』です。下にも書いてますが物語の破壊力をいやというほど感じることが出来ます。題材に何の思入れもない、比較的共感力の低い私が泣いちゃう

2024年6月に読んだ本まとめ

今月は数は少ないものの、小説、タレント本、哲学者が書いた本、実用書とバランス良く読めたなぁという印象です。まぁ、バランス取る必要あるのか?という疑問もありますが、個人的にはあまり偏ると飽きてくるので、このぐらい雑多な方が良いなと思います。 浅倉 秋成著『家族解散まで千キロメートル』 以下にまとめました 永野著『僕はロックなんか聴いてきた〜ゴッホより普通にニルヴァーナが好き!〜』 逆張りしがちなので、J-POP全盛の時代に私は洋楽ばかり聴いていた。 そんな青春を送って

2024年5月に読んだ本まとめ

大分仕事がハードだったので読んだ本が少ないです。仕事でへとへとになっていると、本読む気がなかなか起きないですね。。。お笑い芸人の長野さんの本が面白かったのですが、まとめに入れてなかったので来月紹介しようと思います。 夕木 春央著『方舟』 まぁ、殺人が起るのでそりゃあそうなんですが、なんか寂しい話だなぁなどと思ったりしました。実際のところこういった限界状況に追い込まれると、寂しいシビアな選択が必要になるってことなのかもしれないですけどね。 綾辻 行人著『Another エ

ブラックホール型自治体の問題点がわからないので不勉強を晒してみる

上記の記事で、東京23区の内18区でファミリー向けの物件を増やす条例が制定されているそうです。また記事には以下の記載がありました。 ブラックホール型自治体というのはあんまり聞いたことが無かったので、検索してみましたが、新しい言葉なのかあんまり情報はありませんでした。不勉強で申し訳ないのですが、私としてはブラックホール型自治体に認定されることにどういった問題があるのかよくわかりませんでした。 東京23区への人口流入が止まればブラックホール型自治体は当然居住者が減り自治体とし

自分への期待について思う

他人に対して期待しない様にしているのと同様に、自分に対しても基本的には期待はしていないつもりです。 ただ、MTGのファシリテーションをしていて上手くいかない時にちょっと悔しかったり、ふわっとした問題の課題の抽出に思いの外時間がかかったら反省したりするっていうのは、自分に対する期待を結果が下回っているからなんじゃないかと思います。つまり、自分に対して多少は期待しているわけです。 自分に対して過剰に期待すると、現実との落差で心が折れてしまいます、ただ、全く期待しないとそれはそ

『貞子DX』の感想など(※ネタバレ有)

週末に『貞子DX』を観ました。(完全にネタバレなので注意ください) 世の中的にもDX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれて久しいので、貞子もVHSをダビングして呪いを拡散するというアナログかつ時間がかかるこれまでの方法からDXすることにしたようです。 具体的には、呪いの動画の視聴習慣をみんなにつけてもらうことで、DAU(毎日見るユーザー)を増やして、ウィズ貞子な生活を実現してもらい、出来るだけ多くの人が常時、貞子に呪われた世界を実現したようです。 何言ってんだと

デジタル小作人といくつかの妄想

我々が利用している国内のWebサービスやオンラインゲームも多くはAWS(Amazon)や、GCP(Google)、Azure(Microsoft)なんかのクラウド基盤上で動いています。国内の法人がWebサービスを当てれば当てるほど、基盤を持っている上記のような会社にお金が入る仕組みになっているので、日本のデジタル関連企業は「デジタル小作人」と言われているわけです。 今後はAIを使ったサービスや、AIそのものにお金が流れることが予想されますが、そのAIを動かすためのGPUなん