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サグラダ・ファミリアが見える街

思いもしなかったほどに横に、そしてまた横に揺れる。

機体は横6列の小型で、飛行機に乗るんじゃなかったと後悔の気持ちがわたしをつたう。そんなひやひやしているわたしの隣でお構い無しに、呑気にも相方は気持ち良さそうに夢を見ている。

フランクフルトのトランジットを終え、ヨーロッパで主流のLCCに乗って、いよいよ目的地へ向かう。

彼と出逢ってから何度もその言葉を聞いた、「バルサ、バルサ」。わたしの中ではバルセロナは地名である前に最高峰のサッカーチームの名前。そう、わたしたちは、「いつか一緒に行きたいね」と言い続けていた彼の大好きな街バルセロナへ向かっている。それも幸運なことに撮影の仕事で。

だけどこの時はそんなことは頭の片隅にもなくてだた機体が揺れる恐怖で頭がいっぱいだった。突然のシートベルトサインは嫌な音を立ててはひかり消えない。

気持ち良さそうに彼が眠りから冷めて、手を握りしめてくれる。気分を変えてみようと窓の外を覗いたらエメラルドグリーンよりももっと濃い、でも青ではなくて緑に近い海が目に入った。もうそんな高くを飛んでいない、街がしっかり見える、編み編みでしっかり整っているバルセロナの街並みが。

その時、どんなものよりも高く、存在感を放つ、まるで大きな地図にミニチュアの置物をおいたようなサグラダ・ファミリアが目に入った。

サグラダ・ファミリアが見える街にやってきた。
そう思ったらワクワクして気がついたら飛行機はあっという間に到着した。

憧れた街、バルセロナへやってきた。

2019/4/24 
Kaupili nana.

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