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『オーデュポンの祈り』(新潮文庫)伊坂幸太郎[1000文字程度]

こんにちは☀️七海です。 

今回は伊坂幸太郎さんの一作目である『オーデュポンの祈り』(新潮文庫)の読書感想です。


数年前の深夜に『オー!ファーザー』の映画を偶然、見たことをきっかけに伊坂幸太郎さんのファンになりました🌟
ファン歴は浅いですが、伊坂幸太郎さんの小説は何冊か読んでいます。

今後、これまでに読んだ伊坂幸太郎さんの作品の感想をちょこちょこ投稿していきます!



🕊あらすじ🕊
 コンビニ強盗に失敗した伊藤は気づいたら、知らない島にいました。その島は荻島といい、江戸時代以来外界との交流がほとんどありません。
 荻島には奇妙な人間が多くいます。嘘しか言わない画家、殺人を許された男、そして、「未来が見える」しゃべるカカシ。
 伊藤が荻島に来た翌日、カカシが殺されました。
未来の見えるカカシはなぜ自分の死を防げなかったのでしょう⁉︎…



🕊感想🕊

伊坂幸太郎さんの小説を読むと毎回、起承転結の良さを感じます。分かりやすくて話がスッと入ってきますし、読み進めるごとに謎が解けて、本当に楽しいです。


この作品の舞台である荻島には未来の見えるカカシがいます。しかもこのカカシは喋ります。名前は優午といいます。


皆さんは、「未来が見える」というスペックを羨ましいと思いますか?

私はこの作品を読むまでは未来が見えたらなーって思ったりもしました。
だけど、この作品を読んで、未来なんて見えないほうが楽なのかも、と思うようになりました。
優午は未来が見えるから島の人間たちはみんな、何かと優午を頼りにします。

警察までもが、優午に事件の犯人を教えてもらう始末です。
…あれっ⁉︎て思いませんか?
未来が見えるなら、事件を未然に防げそうなものなのに。


未来が見えても、事件を未然に防ぐこと、被害者を出さないことは難しいことなのです。
未来で起こる出来事1つを何とか変えたとしても、また別の出来事により、悲劇が起こってしまう。つまり、キリがないのです。


もちろん、私には未来なんて見えませんから想像でしかないのですが、未来が見えているのに、人を助けられないってすごく無力感に苛まれることだと思います。
場合によっては人々から糾弾されることだってあるでしょう。
周りから見たら羨ましいことでも、当人は苦しんでいるってこともあるかもしれませんね。






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