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日々変わっていくもの、変わっちゃいけないもの。〜自分にも、決して嘘はつくもんじゃないよ〜


もう終わっちゃったけど、木曜ドラマのsilentで紬は今のこの状況(中途失聴者になってしまった彼がここにいること)を日々受け容れようとしている。「今、この瞬間に自分には何ができるのだろう?」と懸命に考えている。

そんな紬に対して想は、自分が聴者だった頃の過去を度々思い出したり振り返ったりして「中途失聴になった自分は情けないな」とか「お互いの声や思いが難なく届けることができていて、高校生の頃のように言葉でのやり取りがもう一度できたなら」ってことを考えてたのかもしれない。

そのことで自分を責めてしまうこともあったろう。
振り返れば振り返るほどに、「こうかもしれない」と仮説は広がっていく。わけがわからなくなってぐちゃぐちゃになるけど、お互いの心をわかりあい、片結びになった誤解を解くために存在する言葉。

自分の心を言葉にすることが難しい想にとっては、「何でもない」フイっと顔を背けるそのあまのじゃくな行動が、実は「僕のことを気にして? 話を聞いて?」という気持ちの表れだったりして。

あまのじゃくなわたし達の感情は、すれ違いを生んでしまう。

でも、わたしに透けて見えることのないあなたの気持ちは言ってくれなきゃわからないんだ。

以心伝心って言葉があるように、「言葉にしなくても表情や仕草で相手のことがわかる」ってことは、ないに等しい。この言葉も、もう、死語に近いのかもしれない。

「察して文化」が強いこの国では、言わなくてもわかるだろう、と言う考えが未だにに残っていて、それが自分も、ときには相手も傷つけてしまうことになり兼ねない。他人に対して変わらないことを責め、相手を言葉で追い詰めていく自分に対しても自己嫌悪に陥るのなら、お互いにとって心地いい距離感とはなんなのかを模索しつつ、相手を認め、違いを受け入れて寛容になること。

わたしは今までの学校や習い事、その他でも全てにおいて「きちんとしなきゃ」な態度や空気を醸し出してきたのかもしれない。

そのせいで、「話しにくい堅物な人」というラベリングをされてきたのだとしたら、もったいないことをしたよなって今なら思える。

だから、変わりたい。自分自身の殻を破りたいんだ。
だったら、今からでも変わればいい。自分が変わりたいと思うのなら、それを応援してくれる人は必ずいるのだから。

わたしの以前までのこの考え方は、「認め合う」以前のー、堅物さんから卒業しなきゃいけないな、と感じた瞬間が確かにあった。

ドラマsilentでは、想が紬に、「高校の頃から変化していない彼女(紬)に焦点を当てていること、紬は想と向き合うために中途失聴者となった彼を支えようとがんばっている。「お互いを見ている期間が違うんだよ」紬の元彼、湊斗が言った一言に胸のモヤモヤが、ずっと抱えてきた疑問が解けた気がしたの。「そうか、この辺つっかえてた、モヤモヤしてた“何で”の正体ってこれだったんだね?」って自己解決。

自分の気持ちには日々、自分という人生の主人公にスポットライトを当てていれば「こういう気持ちの変化があるよ」とか、「苛々してる自分がここにいるなぁ」ってわかるけど、人のことまで焦点を当てられる余裕は、今はわたしにはないみたい。
他の人も、多分そうなんじゃないのかな?
知らんけど。

話を元に戻そう。
湊斗や紬と同じことを生まれつき耳の聞こえない奈々も考えていたみたいで、「昔の似ている誰かじゃなくて、今のその子を見なきゃダメだよ。見ようとしなきゃダメだよ」「相手の変わってないところだけを見てても何にもなんないよ。相手のことを受け容れることで次に進めるんだから」想と同じに手話で話していた。

わたしが信じていたものや世間的には「こうあるべき」とか、自分や他人がどうやっても正しいとされがちな考えでさえも、「そうだね」ってお互いのいいとこを発見できない人もいるだろう。 
想は、その言葉に何か気づきを得たみたいに
雰囲気が変わっていた。

その想の姿を見ていたわたしもまた、ハッとした気づきがあった。ドラマって、見ていて飽きないのはそういう気づきが毎回あるからなのかなぁ? 話には集中しつつも、そんなことも並行して考えてみる。

ドラマの中で想はしんどいことやつらいこと、泣きたくなるようなことの全てを基本的には紬や湊斗、一番身近な家族にまでも隠していた。

耳が聞こえなくなって
普通から外れてしまったことで
ー 助けてほしい思いもあっただろうけど、それ以上に「僕を受け容れてくれる人が、いるのかな?」
っ…とっても不安だったはず。
一人で何でもかんでも背負おうとしていた。
最終話で紬が、想に届けた言葉はこんなだった。

「言葉にすることが難しい感情のときは、黙って泣いていたっていいよ。わたしがその背中をさするから」
わたしがあなたの隣に、いつだっていてあげるよー。

紬と想が共に過ごしてきた時間が長いからなのか、感情を表に出すことが難しい想のことをちゃんと受け止めていた紬。

わたしは、一瞬想になって、自分までもが救われた。

「障がいがあるとかないとか関係なくして、誰でも認め合える社会が広がればなぁ」。
わたしの大切な願い事。

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