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ムンバイに引っ越してからも頭から離れないトピック

 ムンバイの生活に少しづつ慣れてきた。まず、家を家だと思える様になった(今までは家ではない知らない場所な気がしてなかなか眠れなかった)。キッチンで自炊をスタート。どこで何を買えば良いかも分かってきた。大体はオンラインでどうにかなる笑

 引越しという、最大の山は越えたね。よくできました!
落ち込むこともあるけど刺激のある毎日で、私も変化している。

どうしても気になる

 日本から出て、インドの知らない街で初めて1人暮らしを始めるという一大イベントを経験している最中でも、頭から離れないことがある。
前にも投稿した、ある日突然日本からバングラデシュ人のお父さんによってバングラデシュに連れて行かれ、2年以上日本に帰国できていない12歳の女の子のこと。
バングラデシュでも日本人の母親に親権が渡ったが、それでも帰国の許可は出ていない。

 とにかく、気になる。彼女の今回の経験を綴ったFacebook投稿を何回も読み直し、何なら連れ去りを行ったお父さんの主張が書かれているFacebook投稿も見ている(それぞれの投稿に書かれるコメントも含めて)。この件に関するバングラデシュ内でのニュースや記事もチェックしている。そして、親によるこの連れ去り、離婚、アイデンティティ形成、トラウマについての精神医学、日バ両国の法律、国際法、同じようなケース等に関する書物や記事を読み漁ったりリサーチしたりしている。

※以下は彼女のFacebookアカウント。今回の事件の経緯、日本への想いや現在直面している困難について綴られている。日英のバイリンガルであるため全て英語だが、翻訳機能もあり画像や動画も多いので理解はできると思う。(12歳とは思えないような体験と表現力だから是非みてほしい!)


 自分でも、「私おかしいんじゃない?」って思うくらいこのことについて毎日考えている。
思い浮かぶ主な理由は5つ。

  • 私自身が日本で生まれ育った日バのハーフであり、他人事と思えないから

  • 「父親がバングラデシュ人だから、彼女達もバングラデシュ人としてここ(バングラデシュで)でみんな仲良く再スタートするべき」と言う意見がまかり通っているバングラデシュの現状に危機感を覚えるから

  • この件を取り巻く「国際離婚、親権争い」以外の宗教やジェンダー、子供の権利等の問題について考えさせられるから

  • 子供の頃から「人間の精神、思考」に興味があり、このケースには「親による洗脳」という要素が含まれていると考えているから

  • 自分で海外に出て来たからこそ、私の家は日本だと感じるから


 日バハーフの彼女は、日本で生まれ育ち、連れて行かれるまで一度もバングラデシュに来たことはなかった。父親はアメリカ国籍を持っており、「バングラデシュ系アメリカ人」だと思っていたため、バングラデシュの言葉も文化も教わってこなかった。しかし、この2年間はバングラデシュから出ることは許されず故郷の日本に帰国できていない。
日本に取り残された一番下の妹さんにはその間会っておらず、すぐ下の妹さんはお父さんの元にいて今では会話をすることもできない(母親と彼女との会話を拒否している)。
突然バングラデシュに来たため最近まで学校に通うことができず義務教育がストップしていた。

 何の前触れも、心の準備もなくやって来たバングラデシュには、友達、休日に会いに行っていた祖父母、慣れ親しんだ食べ物、通っていた学校、普段見ていた景色や遊んでいた公園など、今まで彼女という人間を形作ってきたものがない

 ちょっとだけ想像してみてほしい。ある日突然、日本からどこか違う国に連れて行かれ、「日本での過去は全て忘れて、ここで新しい人生を築いていこうね。仕事?学校?友達?家族?家?ここでまた作ればいいよ。」と言われる状況を。受け入れて前を向いて生きていけるだろうか?

 この問題について語りだすもとてつもなく長文になってしまうから今日はここまで。
これからも追っていきたいと思う。考えさせられることがたくさんある。

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