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『勝手に賞』: 七田賞‐短歌

この度鶴亀杯に参加させていただき、沢山の素敵な作品を読ませていただき心躍っておりましたが…

自分の「好き」という気持ちを、届けたい人たちに届けられるという嬉しいお知らせが飛び込み、さらに嬉しくなった私です。



●俳句がただいま投票中という事で、私は『短歌』の勝手に賞をさせていただきたいと思います。

*これは誰が詠んだのかも見ず、首の解説も一切読まず、ただそのご首を読んだ私の感性のみで 「好きだ」と感じたもの達です:)
まさしく【ブラインド】形式で選ばせていただきました:)

↑これ本当です!!!色眼鏡もひいきも無し!!ふふふ。

こちらから読ませていただき、選ばせていただいたものです:)
短歌は初心者の私ですが、私の感性という事で受け取っていただければと思います。

それでは参ります。。。


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◎おお大賞◎ 3名(…4首)

風景も心情も全てにおいて七田の心にぺたりと張り付いたもの達。


● 人恋しくだんの森の迷路にてわれ呼びし名は広がりゆくや

めいさん作

とある方を想う愛しみ・恋しさの森の迷路の中で、その人の名前を呼ぶ私の声はただ広がってゆくばかりだ。
そんな思いの広がりを迷路に例えた事で 自分の声が広がるばかりではなく なんとなく届かない、切なさも虚しさも どうしたら良いのか分からない気持ちも...迷子感が目一杯出てきて 愛おしい気持ちがより一層膨らむ様に感じました。
「くだん」;前に述べた…という意味で、人恋しにかかると解釈いたしました。「人恋し森」という森が誰の心にもあるのではないかと思います。そこには誰もいなくって、ただ一人自分の声を張り上げられる場所。そこで呼ぶ名はあなただったら誰の名ですか?

これは私個人の解釈ですが、人を想う・愛おしむ気持ちがすごく凝縮された素晴らしい作品だと思います。心の奥底の様子が広い迷路という空間に広がってゆきました。



● 哀しみはラムネのびんのビー玉よ泡の想ひをからから鳴らす

● 悲しみを繭玉にして育てなば透ける涙の糸となりぬる

Dekoさん作

こちらDekoさんの投稿だけは、実は企画前にお伺いしました。

とにかく、この透明度が半端なく高いご首。糸を紡いで心を縫い合わせる…そんな言葉を連想せずにはいられません。二首あげさせていただきましたが、「悲しみ」と「哀しみ」の対比が二つで際立つ素晴らしいものです。
「哀しみ」は纏うもの…ビー玉が纏っている哀しみに、「悲しみ」は感じるもの…人の中にある辛い気持ちを。
今は無きラムネ泡…今か今かとポンと蓋の弾かれる瞬間を待ちわびていた泡たちが、一斉に外へと出でた時のそんな気持ちや想いを、残されしビー玉が音として奏でてくれる。と同時にビー玉自身の残された寂しさをもカラカラと鳴らす。
悲しみを繭玉にするだけでなく、それを育てて糸を紡ぐ。それは悲しみを乗り越え、前にと進むそんな強い姿にも受け取れました。上記しましたように、悲しみでできた傷をも悲しみで作りし糸で縫い合わせてゆく…そんな素敵な とにかく透けるようなご首でした。



● 稲光り誰が引き寄せる切通し吾の髪にも露ひとしずく

西野佳果さん作

切り通しとは、丘や山を切り開いて作られた道の事。自然の中にぽっかりと空いた穴のような自然トンネルは歴史の中で、沢山の馬や人々を受け入れ通しました。
稲光が落ちる中、そっと身動きもせずに誘い入れてくれる切通し。雨からも稲光からをもそっと守てくれる。髪からポトリと滴る雫の先ではきっと何億もの雨粒が地面を強く打ち付け、と共にそっと自分を守ってくれる切通にも注がれているのではないのだろうか。どうにもならない空の元、物言わずに自分を羽根の下にかくまってくれる切通しの「守りぬく姿」を感じた、そんな素敵な歴史も時も感じさせるご首でした。
一人森の中にいる時に、そっと寄り添えるものがある、守ってくれるものがある…そこに今までの歴史を背負う切通しを描かれた素敵な作品だと思います。




◎大賞◎ ‐6首

美しすぎる心の在り方や視点…こんな首を読みたいと思う物達。


● 払暁ふつぎょうの凛と背伸ばして蓮の花泥濘でいねいの世に気高くあれと

K_Maru027さん作

夜が明ける…そんな暗闇と光の時間の中で、ゆっくりと浮かび上がるのは凛と真っすぐに咲き誇る蓮の花。動きのない静寂の沼の中に咲き誇るその姿。その姿からに これからのあるべき姿を見るようで、蓮の花が「気高く生きなさい」と…。
払暁(夜明け)時を描いたことで、幕開けを感じさせる。まるで闇が舞台上のカーテンのようにすぅーっと引かれる様が目に浮かんで、朝日が照らし出すのは他でもない、ぬかるみの中に立つ蓮の花。自分もこうありたい…そう願った一首です。
また、【カワセミの銀の腹を捕らえたる釈迦堂に見ゆ武士の道】こちらも素晴らしいご首でしたので是非読んでみてください:)



● 雨音がマティスの「ジャズ」のリズム打つ 雷鳴響きしばし足止め

ハミングバードさん作

マティスとはフランスの画家です。緑色を独自の激しいタッチと共に描く、多分皆さまも一度は目にしたことのある作品があるかと思います。(←アート好き…笑)ここで「ジャズ」をマティスの切り絵作品の「ジャズ」と、「リズムを打つ」としたことで、音楽のジャズ・雨音の奏でる音楽とかけられたと私は解釈しました。激しい雨に 雷鳴…これが思い切り心に響くジャズの音楽に変わり、どんどんと心にリズムを刻む。目の前にはあるべくしてある様なマティスの絵画。聴覚で、視覚で、そして心で楽しむ。しばし足止めにも関わらず、足止めを食らっているというよりも、浸っている感じがたまらなく好きです。実際ハミングバードさんの所へお伺いしたら、本当に足止めを食らっていらっしゃって、いつもより長い時間を過ごしてしまったようなのですが。ふふふ。素敵な一首でした。



● 座らずば見えたであらう由比ヶ浜阿弥陀如来に蝉しぐれ降る

庵さん作

高徳院に座る鎌倉大仏「阿弥陀如来坐像」。。。一つの疑問、鎌倉大仏はいつから露座なのだろうか…。そんな疑問を「座らずば見えたであらう」で届けてくださった庵さんの視点に、私は拍手だった。穏やかに座る大仏は、立てば見えたであろう由比が浜の波音に静かに耳を傾けているのだろうかと想いを馳せてしまいました。そんな大仏様のお姿に蝉時雨が降り注ぐ。。。大きな大仏に姿なき小さな蝉たち、その対比も そして小さきものから鳴り響く歌も 素晴らしい情景を生み出して、静の中の動を素晴らしく描かれた一首だと思いました。



● 梅の実を氷砂糖が甘やかす憂うむすめに香れシロップ

リコットさん作

梅の実を氷砂糖が甘やかす…この表現がとてつもなく好きです。「甘くする」とも「甘やかしている」ともどっちにもとれる事と、そこに娘さんの姿を描くことで、娘さんを大事に大事にする親の姿が映ります。
ふぅっとため息をこぼす そんな娘の姿を見て、そぉーと気分を上向きにする甘い梅の蜜の香りを届けと願う。きっとそっと吹く夏風に、甘い母の愛情の香りが漂って 娘さんの溜息を吹き飛ばすのだろうなと。
甘くて、愛がギュッと詰まっていて、とてつもなく優しい一首です。



● きみも今日も夏の月までも見過ごしてただ山の端に宵の来つらむ

つるさん作

ただただ時が過ぎてしまう…そんなときは無いだろうか?一日の終わりにふと私には一日を振り返る時間があるんです。
大事なあなたの事も、まる一日そっくりそのままも、そして夏の闇に燈る月の美しさまでも…全て心にとめぬままに、ただ山の端に宵の静けさが訪れてしまったのだろう。。。空虚感というか、空っぽさというか…しみじみと自分の時を振り返り、走りすぎていった日々の中に 大事な物達を忘れてきてしまったような…そんな思いを感じました。忙しく動き回っていても、何もせずに過ごしていても…何か確信のあるものを掴み切れないそんな思いが込みあがりました。



● 八十を二つさば読む母の手に一時外した結婚指輪

かっちーさん作

私の祖母は83の時に90だと逆サバを読んでいた。
記された「母」は78と言ったのか、それとも82と言ったのか。少し昔の祖母と重ねてしまった私です。ふふふ。
女であれば、どんなに年を重ねようとも美しくありたいと願うもの。そして、どんなに月日が経とうとも、抱く思いは昔と変わらずみずみずしく輝く物で、それは何度形を変えても…どんな形であろうとも、人の中にあり続けるもの。「母」は今どんな思いで結婚指輪をもう一度そっと指にはめたのだろう。誓いを胸に ふとご主人の笑顔を思い浮かべている姿。そっと左手を右手で優しく覆う「母」の姿が乙女のような微笑みと共に私の目に飛び込んできた素晴らしい一首でした。





◎七田大好きで賞◎ 

ここからは、小さな賞に分けてお届けします:)

〇若さの夏真っ盛り。CMにしてほしいで賞〇 (7首)

透明感の夏、青春の夏…CMにしたいなと。。。そんなほろっとした賞です。


● サンダルをぶらぶら遊ばせ飲むコーラ二人で紡ぐ夏色の時

祐希さん作

まるで堤防の端に座りながら、瓶のコーラを飲むような。夏空を思い切り見上げながら笑う二人の姿が目に浮かびます。ふいに一人が立ち上がり、サンダル持った両腕を広げてうーんと背伸びをするような…。まさに夏色そのものがそんな風景に描かれています:)



● 指そらし髪まき上げて影を脱ぐ蒼天夏雲きみの肩先

ヒスイさん作

もうこれは「やってやりますか!」という気にさせられる、蒼天夏雲そのままの女性の姿が映る一首。入道雲のようなもくもくっとした素敵の塊を 青空にぶちかましに行こうと、手を差し伸べられるようなそんな素敵な一種です:)



● 君の背に木陰が落ちる夏の陽に3歩近寄るけんけんぱ

オラウ゛153さん作

木漏れ日の中でみる大好きな人の背中。女性の長髪が揺れる華奢な肩か、それとも広くなんでも受け止めてくれるような男性の背中か。そんな背中にけんけんぱで3歩近づけば、ふとその人が振り返りにっこり笑ってくれるような そんな頬染まる一首です。



● すききらい すききらいすき きらい あっ
すききらいすき きらいすききらい 好き

春~と共にさん作

花占い。女性であればだれだってやったことのある「すき・きらい」
きらいで終わるともう一度。ふふふ。スキが出るまで花を摘む。
あっと声が漏れる瞬間に、好きとで終わるこの一首。好きと嫌いでここまで心を描く素敵な一首は初めて出会いました。



● 赤ペンのしるし残したカレンダーことしも一緒に見上げた花火

はやしっぷさん作

私はこの首に、カレンダーをめくることなく 何度も何度も眺めては微笑む若い女性の姿を想像しました。ぐるぐると赤ペンで囲まれた花火の日付け…幸せの日は365日のいつでも大切な人と過ごせば記念日になる。そんな幸せのお届け物をしていただいた気分です。


● ゲリラ雨降りし後見る路端には雨に負けじと強く咲く花

吉田みゆさん作

土砂降りの雨が降る中で、人々は傘を差し 雨宿りをする。両手を広げて天からの恵みだと 雨をも自分の糧とする強く咲く路肩の花が、雨上がり ぷるんと雨雫を葉で跳ね返し、ツンと上を向いているような。そんな花を見て虹を空に探そうと思い切り上を向いて深呼吸をしたくなりそうな そんな一首です。


● マイボトル入れた氷は風鈴の音を奏でる駅までの道

御月秋枝さん作

サーモスを持ち歩かなければいけない猛暑。沢山沢山氷を入れてキンキンに冷やした水を飲みながら歩くと、駅にたどり着くまでにお水はすぐになくなってしまう。あれ?もう飲んじゃった?首をかしげながらサーモスを振ると カランと涼しい音が鳴る。そんな夏の音を耳にするとなんだか風鈴の音に聞こえお水がなくても足取りも軽くなる様な気分。カランコロンかりんとボトルを鳴らせば駅までの道のりがすごく楽しいものになりそうで元気が出る一首です。
 


〇何度も声に出して読み返してしまうで賞〇 (4首)

短歌でも俳句でも、音楽に似ているなと思う所が多いんです。素晴らしい首の中で、私の頭の中で何度も唱えられていた首です。


● 小器用な小利口者がこそこそと小細工をして事こじらせる

ジーナン・ドトゥさん作

これは何度も何度も口にしてしまう一首です。Koが6つ…会社の休憩室でコポコポと給湯器を聞きながらぽつりとつぶやきたくなるような。ったくもぉ…なんでこじらせるんだよと むしゃっと髪をくしゃりと握り、あっ!とひらめくようなそんな音も良き、リズム最高なまとまりのある一首でした:)という事で…「こぽこぽと珈琲こぼる心なしこんなもんかと小笑い時間」返歌になっていますかね?ふふふ。


● 牡蠣食えばノロわれるなり9度6分関節痛に耐えず苦しむ

修行僧一休さん作

牡蠣食えば…この書き出しでもう何度も口に出したくなるのです。食中毒を引き起こす「ノロウィルス」と「呪われる」をかけられた一首。9度6分…数字なのにリズムがとても良くて、バランスが絶妙なかつちょっとクスリと笑みをくれる そんな一首でした。皆様も是非声に出して読んでみてください、ハマります:)


●懸賞に応募するのを口実にアイス食べてはハガキ書く

ありっちさん作

私は棒アイスを食べながら、「あたり」が出るのをここでも狙っているような…そんなアイスを想像しました。ふふふ。熱い夏…うちわ片手に筆を持ち、筆をおいてはアイスを齧り…。私はこれを読んでから、「~のを口実にアイス食べては~」と、何でもかんでもあてはめながら短歌を詠み楽しい一日を過ごさせていただいているという そんな一首です:)



● 尽きるとも命のかぎり愛求む月夜の旋律七日のホタル

Marutan163さん作

何故これが何度も読み返したくなるで賞と疑問に思われる方もいらっしゃると思います。ほんの短い命を毎晩月の下で煌々と放ち続けている蛍達。それは運命の相手を命ある限り探し出そうとする蛍の姿で、私はこれを読んでからというもの、毎晩お庭でその時間を運命の出会いの為に使う蛍をみてこの首を口にするのです。。。本当に美しいご首です。




〇しんみりと夏を眺めるで賞〇 (10首)

蒸し暑さの中にも訪れるしんみりとしたひと時。そんな思いを馳せるひと時をくれた首への賞です。


● 夏休み何も変わらぬ日々なれど空刻々と姿を変えて

白さん作

夏休み…長いようだけれど日が暮れるのも少しづつ早くなり、流れる雲も夏らしさを徐々に風に流し行き姿を変えてゆく。自分は何も変わっているように思えないのに、ふと見上げた空はちゃんと時の衣替えをしている様子が素敵な一首でした。



● 四階に昇るマンション街の上あの懐かしき夕日見つめる

PJ/休憩中さん作

4階建てのマンションに住んだことがあるのだろうか…昇るとあるから、多分エレベータでゆっくりと最上階まで行ったのかもしれない。屋上から眺める夕日を見つめ何を懐かしんでいるのかな。がむしゃらだった自分、もしくは隣にいた誰か。。。しんみりと夕日が落ちるのを見ていたい気分にさせる一首でした。



● ひと夏の夢路の恋と知りながら今宵も通ふ森戸海岸

茉叶さん作

ひと夏の恋…そう知ってはいるけれど、それでも向かう海岸に 出し進める足は重くもあり、でも何故か急ぎ足にもなってしまう。いつかは夢から覚めると分かっている…だからこそ今夢の中にいる時だけはと切ない思いも一緒に乗るような そんな一首でした。


● 夏休み乳母日傘に育てし子故郷戻らず哀感の母

ゆずさん作

手塩にかけて、愛を注いで育てた子供もやがては巣立って行ゆく。夏休みにも親元に帰ってくることのない子供…そんな子供の成長に嬉しくも寂しくもある複雑な親の気持ちがじーんと心に沁みる一首。これを世の中の子供達に読ませたら、ふとひょっこり実家の玄関先に顔を出すのではないかと思ってやまない…というよりも読ませたい私です。


● この海が干上がる時を待ち望み歩いていこう君の国まで

はるなさん作

海の干上がる時をじっと待つ…遠い国にいる私にとって、じんと心に響いた一首です。海を眺めるその先には、小さな離島があるのかもしれない。船をだせない身だけれども、じっと海が道を作ってくれるのを待ち続けるひたむきな想い。君に会うために…じっと海を眺める姿にうるうる来ました。



● たゆたいて 明日をも知れぬ 水海月照らす海路は 我が月の道

十六夜さん作

何処へ流されるとも知らずに ただゆらゆらと海の流れに身を委ね漂う海クラゲ。海月は光放つ者もいて、それはそれは月夜に輝く海月は本当に素敵なんです。それを海の道に例えたこの一首は本当に幻想的な風景が目の前に開き映る…そんな素晴らしい一首でした。
私メキシコにいた時に、揺れると光る海月が波打ち際に打ち寄せられる日に海にいたんです。波が打つたびに青い光を放ちながら…。その風景がわぁーと蘇りました。


● 十五階揺れた灯りの外を見て空の青さで測る夏文

月子さん作

ふと窓の外に揺れた灯りは早めに輝いた一番星かそれとも遠くの街頭か…そんな灯りも淡く見えるような未だに明るさを放つ空。あぁ夏だなと感じる瞬間は空に青が宿る時間の長さに見つける事が出来ると教えてくれる そっと囁くような一首です。英文もとても素敵でした!


● ひさかたの光まぶしき雲一つなき空の下草の伸びゆく

のんちゃさん作

ひさかたの…とは主に空や天に関する言葉(月や雲など)にかかる枕詞だ。
目を細めてしまいそうなまぐしい光を抜けると、雲一つない真っ青な空に青々とした緑がそよそよと夏風に揺れ動く。わぁーと声をあげたくなると同時になんて素敵な光景なんだろう…また目を細めて微笑んでしまいそうな一首です。


● つま頼り里の祭りに馳走ちそうして懸命に生く母の面影

Moeさん作

父の田舎の実家の祭り日に 笑顔で訪問客への供応をするそんな母の姿は、懸命に生き抜く「妻」であり「嫁」であり、そして「母」としての一人の女性の姿。世の中の母の姿は台所に良く浮かぶのではないだろうか。。。それは自宅でも、実家でも、嫁ぎ先の実家でも…何処であっても母はいつも笑顔でみんなの為に包丁を握るのだと、母に電話でもしようかと思わせてくれる素敵な一首です。


● てのひらに長寿の手相握りしめ兵士は果たす無言の帰還

うみのちえさん作

こちらのご首を最後に取っておいたのは、今この瞬間も戦う者、そして無言の帰還を果たす者がいる事をちゃんと伝えたかったからです。
遠い国で今もなお家族の元に帰る日を夢見て銃を握りしめる兵士たち。
長寿の相を信じぎゅっと拳の中にそれを守りながら。その手相をこれからも守って行けるような一日も早い終戦と、これからずっと争いのない、無言の帰還をする者がいなくなるように。大切なメッセージを届けてくれた素敵な一首でした。


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5,7,5,7,7  31文字「短歌」という事で…

31首をあげさせていただきました!!!

合計336首…素敵な作品が並ぶこの企画、本当に楽しくまた学ばせていただいたことが多いものになりました。ここにあげられなかったものでも沢山素敵な作品がありました。一つ一つ丁寧に読ませていただき本当に楽しかったです。応募された皆様全員に感謝申し上げます。
ここに31首、30名の皆様、そして運営員の方々へ表彰状を贈らせていただきます。


短歌が初めてだった私ですが、詠むのも楽し、読むのもまた楽し。。。
最高の経験になりました。
企画を立ち上げてくださった運営員の皆様、そしてこうして私と出会ってくださった数々のクリエーター様方、、、本当に有難うございました!!!



七田 苗子


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