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ミーゴレンの悲劇

バリ島へ旅行した時のこと。
到着した日に初めて『ミーゴレン』なるものを食べ、
あまりの美味しさに感動した!

甘からず、辛からず、かといって美味からず。
や~!ダチョウ倶楽部です。

・・・まあそれはいいか。
とにかく、おいしいのだ。

ミーゴレンとは、簡単に言えばインドネシアの焼きそば。
これがどう美味しいかというと、甘からず、辛からず、かといって美味からず。
や~!ダチョウ倶楽部です。

もうええな。

とにかくミーゴレンは、甘みとスパイシーさと独特の旨味があり、
私はハマってしまった。完全な一目惚れだ。
私は、絶世の美女・ミーゴレンの虜になった。

バリでは朝食付きのヴィラに泊まったので朝はメニューを選べないが、
昼と夜は好きなものを食べられる。私はミーゴレンのあまりの衝撃に、
その日の夜もミーゴレンを頼むことにした。
 何て美味しいのだろう。もう、毎日ミーゴレンでもいい!

2日目のランチ。迷わずミーゴレンをオーダー。
やっぱり美味しい。日本から遠いバリに、こんな美味しい食べ物があったとは。
完全にハマった私は、その夜もミーゴレンを頼んだ。本当に美味しすぎる。

3日目のランチ。
『せっかくバリまできたのだから、他の料理を食べてみようかな』
と一瞬、心が揺らいだ。
いや、待てよ。ミーゴレンという絶世の美女がいるにも関わらず、
浮気した料理が、とてつもなくまずかったら?
旅の貴重な一食を、ドブに捨てるようなものだ。
『一食入魂』の私は、一途にミーゴレンを選んだ。

そして、その夜も、4日目のランチも、ディナーも、
全てミーゴレンと共に過ごした。

5日目。日本へ帰る日。
気がつけば、私はミーゴレンが大嫌いになっていた。

しまった。食べすぎてしまった。
薄々気づいていたのに、なぜやめなかったのか。
反動がひどい。もうミーゴレンを見るのもイヤになっていた。

しかし今日が、本場バリで食べるミーゴレンのラストチャンス。
どうしよう?

いや、ここまで貫いたのだ。
こんな最後の最後で負けてしまうくらいなら、
もっと早くに浮気していれば良かったではないか。
もはやミーゴレンを食すかどうかは、自分との戦いになっていだ。

『ミーゴレン、プリーズ!』
私は、ミーゴレンに恨みすら覚えながら、最後の一本まで完食した。

みなさん、覚えておくといい。
どんな美人も、三日で飽きるものだ。

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