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2024年1月の記事一覧
歴史小説「Two of Us」第4章J‐16
~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第4章 Foward to〈HINOKUNI〉Country
J‐16
細川忠興の三男忠利は、細川軍本体から離れ、現在でいう天王寺駅付近で呆然自失して、身動きも出来ずに佇んでいた。
そこが上方大坂の地である事も忘れて、目の前百尺(約30メートル)程先に仁王立ちして独りでまっすぐに睨みつけている男から、眼を反らせずにいる。剃髪したスキン・ヘッドの後ろか
歴史小説「Two of Us」第4章J‐15
~細川忠興&ガラシャ珠子夫妻の生涯~
第4章 Foward to〈HINOKUNI〉Country
J‐15
細川家臣が記したとされる「茶人四祖伝書」の中で、茶人細川三斎宗立について記された文言。
『細川忠興は天下一気が短い人で、反対に気が長い茶人は蒲生氏郷である』
前述のとおり気が短いのは、持病の【癪】(しゃく)のせいだと云われる。短気で怒りっぽい人物を『癇癪持ち』と呼ぶ程、心因性の強