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言葉が通じてこそ、友だちになれる【読書感想文】

 私の好きな詩人の茨木のり子さんは、最愛のパートナーを天国に見送った50歳から韓国語を学び始めた。その時の講師の金裕鴻先生の著書。茨木のり子さんとの対談(思い出話や日本と韓国の話)が大部分で、最後の方に金さんの印象に残っている教え子の方々とのエピソードが載っている。

 日本で暮らす韓国人の金さんと、日本人で韓国語を勉強する中でその文化や韓国の人たちに触れる茨木さん双方の視点で、とてもわかりやすく面白く韓国と日本の文化の違いを知ることが出来る。

 福岡から韓国がとても近いので、私自身若い頃から何度も韓国に行っている。今となってはほとんどスマホ頼みな旅になっているが、20年程前は一人旅をして出会った人とお互いカタコト同士で食事をしたり、一緒に観光したりと楽しく交流していた。でも言葉が出来たらもっといろんな話ができただろうな...と思う。

 この本は語学講師と学習者の交流や、語学を通して広がる世界(言葉だけでなく考え方や視野)の例がたくさん見られて、実際私が日々経験していることと重なってワクワクした。語学講師を長く続けてきて生徒さんの姿から学ぶのは、語学は技術だけでなく、むしろそれ以外の要因で人生をより豊かにしてくれるということだ。

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<心に残った言葉>
●方法は見つけるものではなく根気よく続けるうちに見つかるものです。
●...言語の蓄積があると、ある日突然回線がつながるものです。

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