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ムーブメントの起こし方

はじめまして!

12020/12/09のファシリテーションアドベントカレンダーを担当します、雅己です。

まず、素材業界(製造業)に所属する私が、ITやプログラミング界隈でアドベントカレンダーに参加しているきっかけについて。

ちょうど1年前の10月頃。まだコロナ禍にはなかった時世に、東京方面へ宿泊出張できる機会があり夜に時間がありました。普段は岡山にいて、上京できるタイミングで異種交流を求めていた私は、イベントカレンダーからManagement3.0という単語を見つけてその会合に飛び込んでみた。そこで出会ったのが、ダイアローグファシリテーターのgaoryuさん。

Management3.0の世界観を丁寧に教えていただきながら初参加の自分でも楽しめる場を上手に構築されていたことや、Facebookで共有される記事の質が高くて、それ以降勝手に慕わせていただいている。業種が異なっても、活用できる知見はいろいろあるんだなぁと。違いと共通点、どちらも興味深い。


さて、ムーブメントの起こし方については、

この2年間意識して取り組んでいることであり、Noteにその活動の記録を綴っています。

このテーマを追及するきっかけになったのは

・会社の置かれた環境
・ファシリテーションとの出会い
・新規事業開発への興味
・リバネスとの出会い
を経て

・自身の人生計画が明確に形づくられた。


ことが大きいかなと。

…テーマの正当性について長々と書き連ねるのは、読者の期待とは異なると思うので割愛しますが、ムーブメントを起こす上で気持ちを楽にしてくれたのは、新規事業開発にちなんでイノベーションを起こす方法論について学んでいたときに得られた気づきです。

すなわち、全員を一度に動かすのではなく、クリティカルマス狙うという意識。これについては過去Noteに詳細を記載しているので、興味があれば参照していただきたい。

ムーブメントは徐々に大きくなり、今は1000人規模の従業員を巻き込む活動となっています。

そして、現在進行形で進んでいます。

ムーブメントの起こし方を振り返ると、

・グラウンドデザインを描く
・小さく始める
・対話の場を構築する
・トラックレコードを得る
・複数のコミュニティに属して仲間を得る。

といったことがポイントであるように思います。

まずは「グラウンドデザインを描く」について深堀してみます。

グラウンドデザインを描く

ファシリテーター仲間の皆さんならば、場のデザインの重要性とその効果について共感いただけると思う。組織でムーブメントを起こすには、このデザインを拡張して、1つ1つの会合のみならず、長期スパンで人の心の動きをイメージします。

この長期にわたるグラウンドデザインは、関係者へのメッセージでもある。

「これは単に1回限りのイベントではなく、我々は対話の場をつくり、その対話を効果的にすすめるためのスキルやマインドセットを共に学び、よりよい組織になっていく」

もしあなたが私と同じように小さなチームの範囲でまず奮闘されているならば、このグラウンドデザインを描く際には、組織開発の専門家(コンサルタント)に入ってもらうことをお勧めします。そして、ファシリテーター養成もセットで依頼することを計画すると良い。かつて日産のゴーン氏が社長に就任して真っ先に実施したのがクロスファンクショナルチームを機能させるための2000人のファシリテーターの養成だったといいます。今の時代も、ファシリテーションの心得を持った方が、同じ組織にいることの大切さは変わらないと思う。

さて現在は1000人規模であるが、目指すは所属企業全体の5万人、そして企業の枠を超えたエコシステムの50万人規模で作り出すムーブメント・・・

自身もファシリテーターとして活躍しながら、すそ野を広げる・・・

ムーブメントを起こすためには、そのようなマインドセットが求められる気もします。

小さくはじめる

小さく始めると聞いて、思い描くスタートポイントはなんでしょうか?人それぞれ想起するものは異なると思いますが、私の場合は家族です。家にホワイトボードシートを購入して壁に貼り、楽しいイベントをテーマに家族の意見を募って整理する練習をしてみました。その際に、本で学んだフレームワークを使ってみたり、娘に書かせてみたり。場を誘導できるホワイトボードの活用スキルをここで習得したのです。

私がファシリテートする規模の広がりは

家族(5名)→業務チーム(4名)→職場(10名)→各コミュニティ仲間(10~20名)→部署(30名)→事業所幹部(20名)→課長陣(50名)→・・・

という形で広がっていて、課長職の下に広がる従業員を意識すると、なんと1000人規模に。

対話の場を構築する

対話の場が重要だと理解されながらも、その時間を設けられていない組織は多い。また1on1とグループ対話では進め方が異なる。それは体感して初めてわかることでもあり、ある程度場数が必要だと思います。

なぜ1対1では話しやすいのに、なぜグループでは話せないのか?なぜあの人がいると、グループでも議論が弾むのか?・・・

問いを投げかけて、自分で気づかせる。ファシリテーションの門をくぐらせて、その先に広がる道を歩ませる。ファシリテーション”道”へようこそ。

組織のファシリテーターは、実践をもって参加者にスキルやマインドセットを伝授していくのがやはり良いと思います。そのようなことができる場を積極的に構築していくことが理想です。私の場合、Learning Communityを立ち上げコロナ禍が生じるまで約半年間運営してみました。若手の参加者の反応からは、学ぶものが多くありました。

トラックレコードを得る

周りの人が認知できる成果があると、周囲から関心を得るようになります。そうすることで小さな取り組みは、やがて本流に乗ります。ここで、認知できる成果というのは、はじめは定性的であることが多い。

「お、あのグループはいつも職場の雰囲気がいいな」
「スタッフの層が厚いな」

そこに、定量的な評価があるとより説得力が増します。

ムーブメントを起こすことは長い取り組みとなるために、活動の成果をモニタリングできることが重要です。私の場合はQ12(キュートゥウェルブ)を活用しました。Q12は米国のギャラップ社が開発した組織のエンゲージメントレベルを測定できる客観性の高いツールです。5段階評価で4.2を誇る我がグループは、結果として、別のサーベイにて全社のモデル職場に選ばれています

複数のコミュニティに属して仲間を得る。

業種によって程度の差はあれ、組織は運営上階層化されている場合が多い。層は分かれていても、それ全体が組織であり、ムーブメントを起こすにはすべての層にアクセスする必要が本質的にあります。そこで意識するのが、自身の属するコミュニティの特性。階層の中の横の広がりをもつコミュニティか、あるいは階層間をつなぐコミュニティなのか。ひとそれぞれアクセスしやすい層があるはずで、それを一人で網羅するのはかなり大変だと思います。仲間をみつけて、一緒に連動してもらえると非常に楽になるし、動きがダイナミックになり一体感が増してくる。そのコミュニティは完全に別のものもある必要ではなくて、少しずつメンバーが重なっているぐらいがちょうどよいと思います。それはまるで、絡みあうかのように広がっていく仲間の輪であり、仲間の存在はムーブメントを大きくワクワクさせるものにします。

きっと、あなたの周囲にはムーブメントを起こしたい人は決して少なくない人数いるはず。ムーブメントはより良い平衡状態への移行であるから、多くの人に歓迎される試みのはずです。しかしながら、実際にはどう動けばわからず、これまでどおりの生活や働き方をしている人が意外と多いのが現実です。そのような方々に道筋を示すことで仲間になってもらい、あなたもムーブメントを起こしてみませんか?


最後に、自身の取り組みについてインタビューしていただいたので、その動画を掲載します。(Re-rise News)


今回のアドベントカレンダーの活動を通じて、新しい方々とのつながりに期待します!


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