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所長アシミレーションでの学びと仕掛け

こんにちは、Change AgentのMasami です。

前回記事「所長アシミレーション前夜」の続きとなります。
本題に入る前に、改めてファシリテーターの役割について考えてみましょう。

集団思考の落とし穴

代表的な集団思考の落とし穴をご存知でしょうか。

・社会的手抜き
・感情的対立
・声高少数者の影響
・集団圧力・同調行動
・集団愚考

どうでしょうか、思い当たる節はありませんか?
一人一人の能力の高い方々の集まりであっても、皆さん人間ですから上記の落とし穴に陥る可能性はあります。Organization Developmentに精通するファシリテーターの存在で、落とし穴に入ることを回避できます。

ファシリテーターの準備

ファシリテーターというと、中立的な振る舞いをする心得がある人なら誰でもできるか?というと、そうではないと考えます。

チームのアウトプット最大化にコミットするには、議論中にあえて別の視点の提供などが必要で、背景知識やオーナーとの方向性の事前擦り合わせが必要です。

今回の例では、アシミレーション実施前に2度、事務局(事業所次期中期計画策定を牽引する役割を持った3名。内製ファシリテーター)と所長とで事前打ち合わせを行い、所長のビジョンやアシミレーションにて深掘りすべきポイントを確認しています。

アシミレーション手順

さてアシミレーションとは、融和を意味します。

「アシミレーション」(assimilation)とは、直訳すると「融和」「同化」の意味。組織開発の手法の一つで、具体的にはチームのリーダーとメンバー間の相互理解を深め、関係構築を促進する仕組みを指します。
(日本の人事 https://jinjibu.jp/keyword/detl/715/)

実際には、私がファシリテーター役となり下図のような手順で実施しました。一般的には約3時間かけて実施するプログラムですが、Covid-19の罹患防止対策・幹部メンバーのスケジュール確保の観点から2時間に圧縮しています。

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リーダーからのビジョン共有:15分。
リーダーが居ない場でのチームによるセッション:45分
リーダーとファシリテーターとのコミュニケーション:15分
リーダーからの回答を通じた「コミュニケーション」:45分
今後の進め方についての確認:5分

今回、チームメンバーに当たる部長の人数は13名。この限られた時間内で必要な対流を引き起こすための工夫については別の機会に紹介します。

学び:会社が目指す方向と事業所が直面する現実

本社は、2050年には今の社会課題全てを解決している未来を想像し、逆算して2030年化学メーカーとしてどうあるべきか考え、大きな事業転換を目指しています。事業所長はそのあるべき姿に呼応しながら、自らの想いを込めて15分ばっちりプレゼンいただきました。15分というと長いと思われるかもしれせんが、モノづくりを担う事業所としてもつ変わらぬミッション・ビジョン構成要素などを1つずつ語っていただくと、それなりの時間になります。

理解・質問・貢献を引き出す中で、所長の想いに共感する一方で、今の延長線上にはない未来像をつきつけられ、どうすれば良いかわからず悩む仲間もいることが明確となりました。耳障りの良い明るい未来だけを語って、課員の心に本当に響くのか?そのような生々しい声です。

バックキャストで未来のあるべき姿を描く役割も、現業と向き合いながら事業と社員を支えていく役割も、どちらも健全な企業活動には必要不可欠でしょう。ギャップに嘆くのではなく、ギャップは生じて当たり前!と捉える気持ちが大切であると思いました。

ここからどう本気で繋げていくか。そういう気概が内側から生まれてきた今がスタートラインのような気がします。

今回共有されたギャップとそれに付随して生じる悩みは、時間では解決できず、逆に時間が立てば立つほど深まっていく課題であるように感じました。多くの社員はまだこれを正しく認知できていない。あるいは難しすぎて考えることを避けています。

Change Agent という役割は、そこへの切り込みを担うことになるのだと認識した一日でした。集合知を引き出す必要があります!!

全体像と次への仕掛け

さて、下図※に示す今後の展望を念頭に入れながら、部長さん達にさりげなく内製ファシリテーター候補の見定めと、巻き込みのお願いを行いました。

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アシミレーションはリーダーがビジョンを語り、ファシリテーターがメンバーから率直な意見を引き出し、それらに対して対話する時間を設けることで、メンバーの納得度を高めます。この「アシミレーションをカスケード方式に実施する」ところが最大のチャレンジであり、技術検討においても、組織開発においても(その先はビジネス開発)汎用的なアプローチ構築を目指す私の取り組みの目玉でもあります。

述べ80存在する課レベルの組織。この課内対話には、事務局メンバー+私の4名だけでは人員不足となり、ファシリテーターを置くことができません。
アシミレーションセッションを通じて、

①曖昧性の壁②関係性の壁③存在の壁

これらの乗り越えるべき壁の打破にもファシリテーターを設定することに大きな意味があることを実感してもらい、各部でファシリテーターを養成しながら組織開発を発展させていくことを提案しました。
これこそ持続可能な仕掛けだと考えます。

超えるべきギャップを克服する道筋を自らの力で設定し、真の一つのチームとなる瞬間…これは私が見てみたい景色の1つです。

今回はここまで!

※次期中計策定プロセスの全体設計には、PFC(People Focus Consulting https://www.peoplefocusconsulting.com/ )に支援頂いています。また、ビジョンがどうすれば浸透するか?については最先端の脳神経科学の知見を反映させています。


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