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蛇足(ウソ前編)

 いまから書くことは概ねウソなのだが――本稿では足のあるヘビがいた話をまことしやかに騙ろうかと思っていたのだが、化石調査を踏まえれば、どうも過去の地球には実在していたようなので、やむを得ずそのアイディアを過剰に仕立て、脚のフォルムがムカデに酷似したヘビが見つかった
 そういうことにする。
 山梨県で見つかった。
 そういうことにした。

 ムカデと山梨の取り合わせに、武将好きの方であればすぐに武田信玄を思い起こすことだろう。戦国武将の中にはムカデやらトンボやら、後退しない昆虫を好み、武具や防具にデザインする者もいた。
 戦争経験者の祖父から戦時の話を聞いたことのある身とすれば、なんであれ「止める勇気」もときに必要かとは思われる(cf.コンコルド効果)が、ともあれムカデやトンボにまっしぐらに進むイメージがあることに異論は出ないだろう。

 幸運を呼ぶ昆虫・ムカデ。
 これを好んだ武将が、かつての山梨県にいた、というのが大きなポイントになり、さきの「ムカデに酷似したヘビ」につながっていく。
 というのも実は山梨県は、日本屈指の水晶採掘地である。日本一大きな水晶玉も、なにを隠そうこの山梨県内にある。水晶玉のイメージ通り、水晶にはどこかスピリチュアルな空気があり、占い師界隈では邪気払いに欠かせない宝石なのだそうだ。
 宝石であるため、もちろん高価な個体は闇社会を暗躍する臓器移植市場の目玉や水晶体よりも、良い水晶は値が張る宝石なのである。

 他方、先にお伝えした「脚のフォルムがムカデに酷似したヘビ」が、どのように睡眠をとるのかご存じだろうか?

(明日へ続く)

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