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推敲(ウソ後編)

(昨日からウソの続き)

 実はこの「なぜ恋愛には食パンか」という点においては、平安時代中期に編纂された格式(きゃくしき)である『延喜式』に詳細が載っている。格式とは、当時の法令などをまとめた、ルールブックという認識で良いかと思う。

 古くは平安時代には、結婚の意思を示すために口に長めに伸ばした餅をだらりとくわえて近辺を周回することが、結婚適齢期の女性貴族たちの日常であった。
 食パンの前に、まず餅があったということになる。
 では、なぜ餅なのか?
 いくつかの説がある。
 まずはなんといっても「くっつく」こと。さらには「白無垢」と同じ意味合い。そもそも餅は「めでたい」ものだ。食べ物に不自由しないという「財力」もわかる。この辺りからの習慣であったそうだ。

 また、現代の「遅刻、遅刻!」という発音に関しても、往時は「治国」や「血濃く」という国家や一族の繁栄を願う意味合いや、「知穀」=結婚相手という運命の人を知る穀物、くらいの意味合いがあったという。
 なお、「パン」を漢字で書く表記のうちに「蒸餅」という表記がある(表記は本当!)のは、歴史が進むにつれての餅と食パンの混同があったからだ。
「遅刻する食パン少女」は、我々日本人のDNAに刻み込まれた伝統文化なのかもしれない。


 近年、恋愛から発展した不倫が増加傾向だと聞く。さすがの『延喜式』にも、不倫についてのルールは記載されていない。
 しかしながら昨今の不倫件数の激増と、高級食パン店の出現が雨後の筍のように続いていることには、なんらかの関連があるのではないかとわたし個人はにらんでいる。

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