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Tomorrow Never Knowsの話

Mr.Children「Tomorrow never knows」

"Tomorrow Never Knows"と聞くと思い浮かべるものは?

多くの人が思い浮かべるのがMr.Childrenの代表曲のはず。
自分もカラオケでもよく歌う大好きな曲。

「とどまることを知らない」で始まるこの名曲。
友の愛した女を欲しがってしまうトレンディな歌詞。
「若者のすべて」というドラマの主題歌だったのもわかる。

「果てしない闇の向こうに」は「一寸先は闇」のことわざにも象徴されるように、少し先の未来ですら真っ暗闇のようにわからないことを表している。
そして、このあと出てくるtomorrowという未来を想起させる。
Tomorrow never knows=「誰も知ることのない明日へ」と言い換えているから、これが桜井さんの曲名への日本語訳なのかもしれない。
「心のまま僕はゆくのさ」という言葉が、そっと背中を押してくれる。


The Beatles - Tomorrow Never Knows

先日、NHKの「クラシックTV」のビートルズの回を観ていたら、The Beatlesにも"Tomorrow Never Knows"という歌があるという。
聴いてみると、サイケデリックな感じ。
同じドラムの音が繰り返し流れる。

同じ「クラシックTV」でテリー・ライリーのミニマルミュージックの回を履修しているので、1960年代のこの頃はこういう繰り返しを用いた実験的な音楽の動きがあったことは知っていた。

ちょうどビートルズがライブから遠のいて、仏教やドラッグに傾倒していたころの曲。何となく歌詞にもメロディにもそんな雰囲気が出ている。

Turn off your mind, relax and float downstream
It is not dying
It is not dying
Lay down all thoughts, surrender to the void
(略)
That love is all that love is everyone
It is knowing
It is knowing
(略)
But listen to the color of your dream
It is not living
It is not living

The Beatles - Tomorrow Never Knows

心とか死とかが出てきて、思考をoffにしようとするような。
まるで仏教の色即是空、空即是色の世界。
The Beatles版の般若心経かもしれない(それは言い過ぎか)。

翌年にリリースされた”All You Need Is Love”に歌詞の世界観はつながっている(気がする)。
”That love is all that love is everyone”のところなんて、
まさに”All You Need Is Love”じゃないか。

”All You Need Is Love”はビートルズの代表曲の一つだ。
とても心地よいメロディで、同じフレーズを繰り返す。
冒頭の"There's nothing you can do that can't be done."から、
二重否定の文章が続き、禅問答みたいな歌詞なのだ。
調べてみたが、解釈や日本語訳はいろんな説やバージョンがあった。


このループするドラムって…

そして、The Beatles - Tomorrow Never Knowsをミスチルファンが聴くと、頭に浮かぶ曲がある。

『名もなき詩』だ。
でも、ドラムのリズム以外は全く違う。
違うのだけど、『名もなき詩』といえばあのイントロのドラム。
あれが流れただけで客席が沸くのだ。
もはや、たまたまドラムのテンポが一緒になっただけレベルの話かもしれない。それでもミスチルとThe Beatlesがどっちも好きな自分には刺さるのだ。

”Tomorrow Never Knows”で「心のまま僕はゆくのさ」と歌っていた桜井さんは、『名もなき詩』でも「あるがままの心で」と歌う。

愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気が付けばそこにある物
というあの有名な歌詞も、The Beatlesの歌にも出ている「love=愛」への桜井さんの解釈なんじゃないかと思う。
そう思って、勝手に胸が熱くなっている。

この文章を書きながら、ミスチルの楽曲のwikipediaを読んでいたのだけれど、

どうやら”Tomorrow Never Knows”は、元々は「明日への架け橋」というタイトルだったみたいなので、The Beatlesとはそこまで関係ないのかもしれない。
その一方で、ミスチルとビートルズの関連を書いているファンの方々の文章も見つけたので、当たらずも遠からずってなとこなのかもしれない。

ちなみに、ビートルズの方のWikiもおもしろかった。曲の作られた背景とか、制作方法とか。影響を与えた楽曲とかを見るのが楽しい。


さいごに

”Tomorrow Never Knows”を「明日のことはわからない」って訳すと、途端に椎名林檎の『ギブス』になるからおもしろい。

椎名林檎のあの声で、あのメロディで脳内再生されるから、言葉と音楽の結びつきが強烈なのがわかる。
みんな「明日のことはわからない」のだ。

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