namayagi

詩を書く人。たまに短歌も詠む。映画を見るのが好き。 そのときに書きたいものを書いていく。

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最近の記事

ブラックビスケッツ「タイミング」のこと

マガジンにまとめようと思って、間違って消してしまったので再投稿です。 namayagi 2024年3月1日 23:55 「タイミング」の再ブーム 昨年の紅白歌合戦でなつかしい歌が流れた。 なぜこのタイミングでこんなに昔の曲がと思ったら、「2021年にカバーしたKlang Rulerのバージョンが、2022年にTikTokで流行したから」らしい。 当時の印象は、テレビ番組発の曲  リアルタイムで聞いてたときには、コスプレしたウッチャンナンチャン達が、二つのグループに

    • 自己紹介

      自分はいったい何ものであるか。 インターネットにおける自分に限定していえば、詩の投稿がその大半を占めてきた人間である。 家にはじめてデスクトップのパソコンが来たとき、画面はまだブラウン管のような箱型のものだった。 最初に詩を投稿したのは、「恍惚の宿木」という掲示板だった。ありがちな名前で投稿したため、投稿してから似た名前の先人がいることに気づいた。自分がパクリの偽物のような気がして、読む人に混乱を招いたような気もして、いそいそと退散した。  それで、別の名前で別のところで書

      • 夜空の上澄みを集めたような曲

        夜空の上澄みを集めたような神々しい曲を聴きたい夜がある。 菅野よう子 "Blue feat. Maya" 菅野よう子さんの"Blue feat. Maya"だ。 HondaのCMで流れているあの曲だ。 元はカウボーイビバップの曲らしい。 オープニング曲のTank!のイメージが強いが、こちらも神々しさに満ち溢れている。 このBlueの出だしの歌声が聖歌のように美しく重なる部分が素敵だ。 そこからささやくような歌声に切り替わる。 出だしが教会の建物の中での歌なら、建物の裏で絞

        • 詩「さくらの花びら」

          さくらの花びらのしわを読もうとしても 他のことばかり考えてしまう 死んだ人の顔とか間違えたこととか 風が強すぎて星が何を言っているのかわからない 唇の開閉に合わせてうなずくだけで眼がうるむ まつ毛が潜り込もうとする涙袋の底に くしゃくしゃになった手紙があって 広げてみたら何年も前のさくらの花びらが 風の背中につかまって あっ という間に逃げてしまった

        ブラックビスケッツ「タイミング」のこと

        マガジン

        • 4本
        • 音楽系
          7本
        • エッセイ系
          6本

        記事

          人生は何もしなければ、あまり何も起こらない

           物語が好きだった。アニメ、マンガ、映画。主人公がひょんなことからいろんなことに巻き込まれていく。引き出しからドラえもんが出てきたり、かめはめ波や霊丸が打てるようになったり、マスクをつけると陽気な緑の男になったり、そんなことは起こらない。火影にも海賊王にもなれないし、スラムダンクもできない。霊も妖怪も見えないし、恋もしないし、殺人事件にも出くわさない。  朝起きて、学校やら、仕事やら、最低限やらなければならないことだけを片付けて、人ともかかわらず、趣味に出かけることもせず、

          人生は何もしなければ、あまり何も起こらない

          Tomorrow Never Knowsの話

          Mr.Children「Tomorrow never knows」 "Tomorrow Never Knows"と聞くと思い浮かべるものは? 多くの人が思い浮かべるのがMr.Childrenの代表曲のはず。 自分もカラオケでもよく歌う大好きな曲。 「とどまることを知らない」で始まるこの名曲。 友の愛した女を欲しがってしまうトレンディな歌詞。 「若者のすべて」というドラマの主題歌だったのもわかる。 「果てしない闇の向こうに」は「一寸先は闇」のことわざにも象徴されるように

          Tomorrow Never Knowsの話

          紅茶の思い出

          1.紅茶に本気な喫茶店  人生ではじめて飲んだ本格的な紅茶は、旅先でふらっと入ったオシャレな喫茶店だった。何となくコーヒーの気分ではなかった自分は、紅茶を頼んだ。寒い日だったのでホットで。  紅茶がポットで出てきた。それに鍋つかみのようなものが被さっている。ポットカバーとか、ティーコージーいうらしい。 (これです↓)  砂時計が置かれて、それの砂が落ちきったら飲み頃ということらしい。  何だこれはオシャレすぎる。  砂時計が落ちたので、カップに紅茶を注ぐのだが、回転式の

          紅茶の思い出

          「趣味:料理」への道

           ゲームが好きだ。でも「趣味はゲームです。」というほど好きとは言えない。ゲームにどれだけ時間をかけても、外側の現実世界の自分に何も還元されない虚しさがある。  サッカーやってたら脚力がついたとか、ピアノ習ってたから楽譜読めるとか、そういう還元される能力みたいなのがない。  データの中だけで、しかも(通信対戦などを除けば)プレイした思い出は自分の中で完結しまっている。同じシナリオでプレイした人と共有できる話題もあるが、個人的なプレイの思い出はそうはいかない。ここで何度も死んだと

          「趣味:料理」への道

          関ジャム「プロが選ぶマイベスト10曲」のこと2(後半戦)

           関ジャムの2023年マイベスト10曲の上位、後半戦が放送された。  自分が知らないだけで、新しい歌手の素晴らしい歌は作られ続けているんだなと思い知った。  パソコンをいじっているときは、BGMにradikoを流しているから、聞いたことがある曲もいくつかあった。けど、改めて解説付きで示されると、自分がいかに良い曲を聞き流してスルーしていたかを思い知る。「ああ、新曲出たんや」くらいな感じで。 CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN / tradition

          関ジャム「プロが選ぶマイベスト10曲」のこと2(後半戦)

          関ジャム「プロが選ぶマイベスト10曲」のこと

          関ジャムはいいぞ  バイヤーのおすすめとか、今年のベストバイみたいなポップや記事をよく見かける。その商品を愛する人に熱くオススメされるとつい買ってしまうから不思議だ。「ハイハイ、そういうマーケティングね。」と冷静になれる時もあるのだけれど、まあ影響されやすいタイプなので大体買っちゃう。買わなくても欲しいなとは思っちゃう。  日曜の午後に「やすとものどこいこ!?」という番組がやっていて、やすともさんとゲストの芸人さんがわちゃわちゃとしゃべりながら買い物をしているのを、ぼー

          関ジャム「プロが選ぶマイベスト10曲」のこと

          吉田博展に行ってきた話

          吉田博の絵が見たい 「死ぬまでにしたいこと」というと大げさだが、 ずっとやりたいと思っていたことがある。 吉田博という画家がいる。 この人の絵が見たい、ということ。 何年か前の日曜美術館でやってた木版画のすごい人。 日本で版画というと浮世絵のイメージが強い。 葛飾北斎の富士山に波がざっぱーんってかかっている絵だ。 それくらいしか、ぱっと思い浮かばない。 浮世絵のことをそんなに知らなかった。 その浮世絵のイメージが、番組を見る前と後で一気に塗り替えられた。 繊細で緻密な仕

          吉田博展に行ってきた話

          詩「音楽を流して」

          体に電流を流すかわりに しびれるような音楽を流して 腕を流れる血液のかわりに どばどばと音楽を流して 胸が張り裂けそうな孤独 その心臓の鼓動に重なるドラム 身体の中に抑えきれなくなった ああああああを歌声に変えて 目から零れ落ちるはずの 涙のかわりに音楽を流して https://po-m.com/forum/showdoc.php?did=380612

          詩「音楽を流して」

          詩「白鍵」

          雲のネックレスが引きちぎれて 空から雨の粒が落ちてくる 地面にぶち当たり 次から次へはじけていく 鼻を空へ伸ばすゾウが 必死で鼻息を吹き出すけれど ラッパのような高音は出ない なし崩し的に行進は始まる 走り始めたゾウ達の背で よろめいているフラミンゴ 長い脚をぐわんぐわんとしならせ 右往左往しつづけている おしくらまんじゅう 肉体の密度が増していき 首元から零れ落ちた 一粒ダイヤのネックレスが 地面で三たび跳ねた ダンゴムシは世界に背を向けて じっと丸まったまま白化す

          詩「白鍵」

          詩「青い森」

          青い森の奥に眠る 一匹の小さな竜の子ども 丸まって寝息を立てている 起こしてはいけない もし目が覚めてしまったら 森の葉がすべて赤くなり 地面から煙があがる あちこちでパチパチ弾ける音がして それから先を知る人はみんな 死んでしまったのでわからない 逃げた人達が戻った時には 草木も家も獣も人も燃え尽きていて だだっ広い空間にただ灰が積もるばかり ぽつぽつと降る雨に濡れていた 竜の子は眠る 眠っている間は 草はあちこち這いまわり 木は安心して背を伸ばす 鳥はできるだけ高いと

          詩「青い森」

          『百年の孤独』を読む

          G・ガルシア=マルケスの『百年の孤独』を読んだ。ついに読み切ったよ、やったよ。ということで、ネタバレを含む、感想を書くことにする。 普段は読書メーターに感想を書いているのだが、今回は長くなりそうなのでまずはこちらに。 すさまじい名著であり迷著  巻末の梨木香歩さんの解説にもあるように、「熱帯の『豊饒』」を思わせる圧倒的な文章。そのパワフルさは神話に近い。バラエティ豊かで密度の濃すぎる比喩、幻想的で常識にとらわれない世界観と場面の移り変わり。その魅力は他の物語とは一線を画す

          『百年の孤独』を読む

          発酵レモンサワーを推す

          発酵レモンサワーシリーズに忍び寄る製造終了  信じられない言葉が目に飛び込んできた。「発酵レモンサワーが製造終了」!!よく読んでみると終了するのは「ALC5%」と「ジンジャーサワー」の方だ。 良かった。自分がこよなく愛している「発酵レモンサワーALC7%」は大丈夫そうだ。正直、発酵レモンサワーの中でも、「濃いレモン」や「ALC5%」のものは、そこまで自分にも刺さらなかった。とはいえ、これはあまり良い状況ではなさそうだ。相次ぐ発酵シリーズの製造終了ということは、「発酵レモンサ

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