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食品製造工場の正社員として入社したら3ヶ月でアルバイトに降格させられた話

このお話はゴルフ場を退職した後の、2012年頃のお話です。

ゴルフ場を辞めてから、私は地元のスーパーでアルバイトをする日々でした。スーパーでのアルバイトを始めて2年ほど経ったある日の事でした。

いつまでもアルバイトやってないで早く正社員になれ

「アルバイトでこの先どうするんだ」「正社員になれ」と、未だにゴルフ場を辞めたのは私の根性なしのせいだと思っている親からキツく言われるようになりました。

そしてハローワークに通い、就職活動をする事に。

そして騙され地獄へ...

食品工場の入社面接は2回ありましたが、一回目の面接でいきなり「あなた採用だから」と即採用されるという、ブラック企業にありがちな状況となりました。賢い人や知識のある人ならこの時点で察して辞退するのでしょうが、馬鹿な私は「やったー!」という喜びしか感じませんでした。ちなみに2回目の面接は、これまたブラック企業にありがちな圧迫気味の面接でした。

そして勤務初日、あれ?なんかおかしい?

そして初出勤の日を迎えました。私のほかに1人アルバイト採用の方がいました。会議室に案内されて待っていると人事部の社員が来て説明を始めました。

「〇さん(アルバイトの方)には労働契約書を渡しますので必要事項記入捺印して提出してください、なかぞんさんは正社員なので契約書はありません」

確かに、正社員であれば労働契約書を交わさなくても違法ではありません。ただし労働基準法では労働条件を何らかの書面で明示することが義務付けられています。労働条件通知書というものがそれにあたります。雇用契約書がなく、かつそれに代わる書類も無い場合は違法になります。

あれ?どういうこと?おかしくない?と、今なら疑問に思うけど、当時は一切知識がなく、契約書も通知書も無いことを疑問にも思わず受け入れていました。
そして、求人票では土曜日他となっていた休日が、実はシフト制で特に決まった曜日が休みではないことが判明しました。週末は生産量が増えるので土日は休めないことが大半でした。

試用期間終了後即アルバイトに降格させられる

そして働き始めて3か月目の事でした。工場長が面接をするというので会議室へ呼び出されました。そこでとんでもないことを言われたのです。

「経験不足みたいだし正社員やめてアルバイトになってね、それが嫌なら今すぐ退職届書いて自己都合で退職してね、そしたら明日からもう来なくていいよ」

「明日から無職なんて嫌だよね?じゃあ答えは1つしかないよね」

「じゃあこれアルバイトの契約書だから書いて明日提出してね」


本当に悲しかったですが、従うしかありませんでした。

そして始まる古参アルバイトのオバサン軍団からのイジメ

アルバイトに降格させられたという私は、オバサン達の噂の格好のターゲットでした。そして「こいつには何をやってもいい」という雰囲気になりイジメがエスカレートしていきました。

休憩中は私を囲むように座り私の悪口を大声で言われたり、私の作業着を「これ辞めた人のやつだから使っていいよ」と短期アルバイトの学生に貸されたり、更衣室のロッカーのカギ穴を破壊されたり、タイムカードを破損汚損されたり隠されたり、製品を流すベルトコンベアの速度をわざと早くして作業が追い付かないようにして「愚図ねぇ」「のろま」「早くしてよ」「何でそんな簡単な事ができないの?」と罵倒されたり、「あんたさぁ、この仕事向いてないからやめた方がいいよ」と嫌味を言われたり、わざと計量を間違えた製品を流してそれを私のせいにされたりと、色々と嫌がらせを受けました。

後でわかった事実

この食品工場は、常にいじめのターゲットを作り、その被害者が退職するまで苛め抜くという事が常習化していました。いじめを行うことで我の強い古参のオバサン達が団結するので上司も見て見ぬふりをしていたのです。

そして、どうして私がアルバイトに降格させられたのか。

それは、この会社では「正社員として採用するのは新卒者のみ、中途採用はしない」という方針だったからでした。

古参のオバサン達のいじめのせいで人がどんどん辞めていくので次のターゲットを早く補充しないと業務に支障が出ます。なので「正社員」という餌を垂らして人を集めていたのでした。不景気なので正社員と書けば多少条件が悪くても人が集まりますからね。とにかく誰でもいいから生贄が欲しかったのでしょう。

そして、アルバイトとして頑張ったけど限界を迎え退職

古参のオバサン達のいじめを耐えて何とか毎日頑張っていたのですが、体調不良が続き病院へ行くも原因は見つからずストレスでしょうと言われるだけでした
当日欠勤が増えていき、上司から「お前ええ加減にせぇよ、体調管理ぐらいきちっとしろ」と怒られることもありました。

そして「あなた体調悪いの?病院は行ったの?最近休みがちだけど、辞めるならちゃんと自分から言ってね、会社側からそんなこと言ったら会社都合の退職扱いになって会社側が不利になるから」と総務の女性社員から遠回しの退職勧奨をされました
出勤すればいじめられ、休めば嫌味を言われる
そんな辛い日々が続いたある日の事でした
その日も当日欠勤して寝込んでいた時に上司から電話がかかってきました

「なんか思う所あるんやろ、じゃあちゃんと出社して自分で頭下げて手続きやれや、それがけじめってもんやからな」

その後、人事部の社員からも電話がかかってきて「出社できないなら書類は郵送しますので必要事項記入して返送してください、返却物あるなら郵送で返却してもらって構いませんが送料は全てそちらで負担してください」と冷たく言われれました

その後、退職届が郵送されてきて、それに記入して返却物と共に返送して終わりました
在職期間が5か月だったので、失業保険受給資格が無く、無収入のまま再就職を目指さなければならなくなりました

親には「何で辞めたの!」「なんでもっと頑張れないの!」「ちょっと嫌なことがあっても我慢するのが社会人なの!」と怒鳴られました
やはり私の我儘で辞めたと思われていましたが私だって辞めたくて辞めたわけじゃないんです
降格といじめが無ければ今でも働いていたと思います
でも、あのまま我慢して働いていたらきっと今頃私はこの世にいなかったでしょう
そのくらい辛かったんです

その後の工場の様子

地獄のような工場を辞めて約10年経った現在、悪評は知れ渡り正社員採用という餌すら使えず本格的な人手不足に陥った工場は、フィリピンから出稼ぎにきた女性や外国人実習生を使ってなんとか稼働しているそうです。

以上、食品製造工場の正社員として入社したら3ヶ月でアルバイトに降格させられた話でした。

最後まで読んでくれてありがとうございました

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