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新卒入社したゴルフ場でパワハラ受けて上司に相談したらモンスター社員扱いされ入社1ヶ月で辞めた話

リーマンショックの打撃を残した就職氷河期時代の2010年頃のお話です
就職希望だったけど進学に切り替える人が何人もいました
一つの求人に何十人も群がり散っていく地獄絵図でした

このnoteは、虚偽求人に騙されブラック企業に足を踏み入れてしまった挙げ句、モンスター社員扱いされて1ヶ月で退職した無知で馬鹿な私のお話です。


リーマンショックの影響が残った大氷河期時代の就活

大学の就活とは違い、高校の就活では「1人1社制」があり、一つ応募すると結果が返ってくるまで他の求人に応募出来ません
更に、自衛隊等の公務員以外は同じ学校から複数人応募することは出来ません
他の生徒と希望の求人が被ると本人同士ではなく教師達が話し合い「どちらのほうが採用されるか」を審査します(担任審査)
この担任審査に落ちると他の求人を探すか、あれば同じ会社の別部署の採用試験を受けるように説得されます
当然、良い求人は最初の方で取られてしまうので1社目を落とすともうマトモな企業求人は残っていません
そして私は不幸なことに希望求人が他の生徒とかぶってしまいました
私は担任からあまり重要視されておらず取るに足らない生徒扱いされていたので1社目の担任審査を速攻で落とされ、別部署を受けることになったのですが、気持ちを見透かされていたのか当然不採用でした
不採用通知を見て気持ちも落ち込んでた時に、件のブラック企業の求人を見つけたのです
正社員採用・資格不要・経験不要・知識無くても大丈夫!研修期間の3ヶ月で1から丁寧に指導します!
今ならこの文章だけで確実にやばいブラック企業だと判断できるが、当時はそんな知識もなかった
兎にも角にも正社員!正規職!だった私は直ぐに進路相談の先生に伝えまし

そして私は面接の日を迎えました。

面接といいつつ、殆どお客様扱いでした。1社目は物凄い威圧感だったのに、このブラック企業の面接は本当に穏やかな雰囲気で過ぎていきました。面接担当は、私が言葉に詰まってもニコニコしながら最後まで聞いてくれました
そして後日、採用通知という名の、奴隷収集令状が届いたのです
私はこの後待ち受けている地獄を知らずに浮かれながら残りの学校生活を送り、卒業しました。そして3月下旬、ブラック企業の社員寮へ引っ越しました

そして迎えた入社日、パワハラ地獄の幕開け

入社式は4月ですが、それより一週間ほど前に入寮するよう通達されていたので3月下旬に社員寮へ引っ越しました

怒号が飛び人格否定され始末書を書かされる毎日

4月1日
キャディとして本格的に勤務が始まった、地獄の幕開けだ
資格不要・経験不要・知識無くても大丈夫だと言われていたのに
実際はそんな事一切無かった
キャディ研修は「ゴルフの知識がある前提」で進められる
Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人が指導係として配属されていましたが、新人が少しでも間違えると「何で間違えるんや!アホが!」とこの4人から罵倒されます
ミスした数×500回といったペナルティが新人に課せられるのが日常茶飯事でした
ミスといっても少しでも指導係が「気に入らない」と思えば「ミス」になるという感じで、1時間前に説明されて、いざ言われた通りにしたら間違っていると怒鳴られ殴られるのは日常茶飯事でした
例え白いものでも指導係が黒と言えば黒と言わなければならない、でも1時間後にこれは黒ですねと言えば「ハァッ?これはどう見ても白やろが!何回言ったら分かるんやこのボケ!」と怒鳴られる、そんな風潮でした

指導係からの説明を聞いて、実際にやろうとした時に「おい!お前何やっとんや!!私は左足から歩き始めたのに何で右足から歩き始めたんや!教えた通りに出来んのはちゃんと見てない証拠や!バカヤロウ!」と理不尽に怒鳴られ頭を殴られた新人もいました
因みにやろうとしたことはお客様のお迎え後、お客様から預かったキャディバッグを指定されたカートへ積み込む作業で、他の先輩方を見ていても歩き出す足は左右バラバラでしたのでどちらの足から歩き出しても全く問題のない業務でした

先輩が説明してくれている時に忘れないよう必死でメモ取っていると横から指導係が「お前!先輩が時間割いて説明してくれとる時に下向いて何やっとんや!ちゃんと人の目を見んかい!目を合わせろ!言われんと分からんのかアホやな!」と怒鳴られることもありました
しかし、目を見て話聞いていると「おい!お前はせっかく先輩が説明してくれとるのに、メモ取らんと何をボケッとしとんじゃ!お前聞いただけで覚えられるんか?メモ取るんは社会人の常識や!そのくらい自分で気付けやボケェ!」と怒鳴られました

毎日ペーパーテスト(正社員登用には一切関係がない)があり、1つでも間違えるとペナルティーと称して怒鳴られ、膝蹴りや頭を叩かれる等、暴力を受けました
少しでも間違えれば大声で人格否定され罵倒され、間違えないよう必至になれば「あんたは完璧主義なの?完璧な人間なんて居ないよ?間違う事なんて誰だってあるんだから」と笑われる毎日でした

ある日、指導係のAさんに「お前の携帯に電話かけたらワンコールで切れる!お前着信拒否しとるんやろ!先輩の番号を拒否するなんて言語道断!失礼にもほどがある!今すぐ解除しろ!」と、いきなり怒鳴りつけられたことがありました
私はそんなことしていない、そもそも電話なんて掛かってきたこと無いと言っても「嘘つくな!絶対拒否設定してる!」と怒鳴られ信じてもらえませんでした
なので丁度周りに同期達と先輩数人が居たので証明になると思い、じゃあ今すぐここでかけてください、拒否していても着信履歴は残りますと言いました
テーブルの上に携帯電話(当時はスマホはまだ普及していません)を置いて、そして電話をかけてもらいました
うんともすんとも言わない私の携帯電話
ざわつく周囲と唖然とするAさん、そんな中、Aさんの携帯を見た同期の一言「Aさん!番号の登録間違ってますよ!」
なんとAさんの携帯には「090」としか登録されていなかったのです
Aさんは笑いながら「そりゃかからんわーゴメーン☆ほんとゴメーン☆ハハハッ」と、何ともまぁ軽い軽い謝罪で済ましたのです
私や他の新人達が少しでもミスすると散々怒鳴り散らして、アホボケカス!○んで詫びろ!生きてる価値無いゴミ!等とボロカスに人格否定しまくるくせに、自分がミスした時はそんな簡単に済ますの?と本当に悲しくなりました
間違えると怒鳴られ、間違えないようにすると笑われる、でも教育係がミスしたら本人は笑って誤魔化すし、私たち新人が間違いを指摘する事は一切許されない
私は一体何を信じたらいいのか分からなくなっていました

毎日怒鳴られ辛いですが更に辛かったのは強制的に書かされる日誌でした。


毎日、何をしたのかを詳しく書いて提出しなければなりませんでした。日誌はA4ノートで、1ページびっしり書かないと怒鳴られました。書き直しを命じられ泣きながら書いたこともありました
公休日でも、何をして過ごしたのか、出掛けた場合はどこへ行って何をしたのか等を詳しく書いて提出しなければ怒鳴られました。

「今日は一日、どこにも行かず寮でゆっくり休んでいました」と書けば「休みなのに遊ばないしどこにも行かないなら休みなんていらないよね」と、只でさえ少ない月2回の休みを減らされます

「遊びに行っていた」等と、遊んでいたと書けば「新人の癖に遊び呆けるなんて!じゃあ、あんたはもう完璧に仕事覚えたんやな!今後何を聞かれても一切教えんから」と物凄い嫌みを言われます

先輩たちによる超監視体制の社員寮

社員寮に入っていたのですが、24時間365日の監視体制でした
まず、30分~1時間に1回ほどの感覚で、特に用もないのに代わる代わる先輩が部屋を訪ねてきます
この時に対応しないと他の同期達に「あいつどこいった?」と聞き回られます
もし入浴中だと浴室内まで先輩が入ってきて話しかけてきました
裸を見られてすごい恥ずかしかったし、シャンプー中だと本当に焦りました
例え体調不良で寝込んでいても、きちんと部屋のドアを開けて出迎える対応をしなければならなかったので消灯の夜10時~翌6時までしか熟睡できる時間がありませんでした
先輩の訪問にきちんと対応しなければ後日、指導係のAさん達に怒鳴られます。「せっかく先輩が訪ねて来られたのに無視するとはお前どんだけ偉いんや!始末書書け!」と言われ始末書を書かされます

後だしされる勤務条件

車と免許が必須

求人票には資格不要と書いてあり、備考欄にも何も書いてあらず、面接時にも一切説明はありませんでした
寮があるのでそこから徒歩通勤してお金貯まったら免許を取ろうと考えていたのですが先輩に「徒歩や自転車バイク通勤は禁止だよ」と言われ、そこで初めて「車と運転免許がセットで必須」だということが分かりました
結局、通勤は車持ちの先輩にお願いして相乗りさせてもらってました
毎晩、同じシフトに入っている車持ちの先輩を探して相乗りのお願いをするのは本当に大変でした
今思うと、これは新人が先輩たちに逆らわないようにするための手段だったんでしょうね
今もこの会社の求人が出ていますが、必要資格欄に免許の事は一切記載されていません

冬季休業中の給料保証が無い

ゴルフ場は冬季休業というものがあります、雪が積もるとゴルフは出来ないので客が来ない為、休業するのです
先輩から「冬季休業の間は契約社員である新人には給料出ないからバイトしたほうがいいよ」と言われました
給料出ないけど寮費は請求されるのです
契約社員は日給月給制なので、休むとその日の給料は出ないし、更に休業補償も無いので冬季休業の間は完全無収入となるのです
そんなこと面接時に説明は一切なかったので初めて聞く内容に困惑している私に先輩はさらに言いました
「仕事してないのに寮に住ませて貰えるんだから有り難く思わなきゃ」

公休日は月2回だけ

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年休120日、週休2日、シフト制と求人票に記載されていましたが、実際は公休日は月2回しかありませんでした。法的には月に1回だけでも週2日公休日を入れれば「週休2日制」と言えるのですが、この職場では2週間に1回しか休みがありませんでした。年休120日週休2日制というのは「正社員」の雇用条件であって契約社員扱いの新入社員には一切関係無かったのでした。

仕事で使う道具は自費で用意しなければならない

雨が降った時にゴルフをプレーしていると、ゴルフクラブがいつも以上に汚れてしまいますよね
そんな時はキャディが雑巾で拭くのですが、その雑巾は会社側は用意してくれませんし購入費用も一切出してもらえません
キャディが全額自腹で用意しなければならないのです
それも最低でも百枚は必要だからちゃんと用意しろと言われるのです

ついに限界がきて上層部へ相談するも...


毎日、暴言や暴力を受けて限界が来た私は上層部の責任者へ相談することにしました。話し合い当日、そこには暴言暴力を振るっている張本人(Aさん)もいました。そしてこの様なことを言われました。

Aさんも、悪気があってやったわけじゃない

辛いと言うけど、殴る方の手も痛いし辛いんですよ?

指導というのはとても辛いのです

Aさんはあなたの今後のことを想って、心を鬼にしてやったことなのです

あなたは自分自身で選んでここへ来たんですよ?文句をいうのは筋違いでは?

石の上にも3年といいます。苦しいだろうけどもっと努力して頑張ろう!自分で選んだ仕事なんだからね?自分の行動に責任持つのが社会人だからね


責任者の話を聞いている間中、同席していたAさんがアカベコのようにウンウンウンウンウンウンそうそう!そうなのそうなの!とブンブン首を縦に振って頷いていたのを覚えています

私は仕事も覚えず入社数日でいきなり文句付けにきたモンスター社員扱いされただけでした


その後、Aさんからの風当たりは強くなり、とうとう朝起き上がれない、急に涙が溢れ出して止まらない等の鬱の症状が現れるようになりました


そんな事になっても誰も味方してくれず、実親に言ってもニコニコしながら頑張れ!ここで負けるな!ファイト!と言われるだけでした。


そして無念の退職へ

結果、私は逃げるように荷物をまとめて退職しました
実親が「裏切り者!」「そんなことくらいで」「もっと厳しく育てたら良かった」等とボロボロになって帰ってきた私に吐き捨てるように言ったのを今でも恨んでいます。親は今でも「私のワガママと堪え性の無さで投げ出して逃げて辞めた」と思っているだろう。


最後に。

「自分で選んだんでしょ、ちょっと思い通りに行かないからといって文句を言うのは良くない」と言う人もいるだろうが、きちんと「要資格:運転免許(通勤用)」「基本知識有るのが望ましい」と求人票に書いてあれば、決してこの会社を選ぶことは無かった。


資格不要・経験不要と書いてあったし、面接でも知識無くてもイチから丁寧に指導すると言われたから選んだのだ
こんな風に世間知らずの高校生を「資格も知識も要らないよ!正社員で雇うよ!」と甘い言葉で騙して連れてくるような会社なので、地元の高校出身の新入社員は1人もおらず、沖縄と九州から出稼ぎに来た人達ばかりだった(私は隣県から来ていたので他の社員から珍しく思われていた)
地元の高校には悪評が知れ渡っていたのだろう

因みにこのブラック企業は2023年4月現在も変わらず無資格未経験可と書いた正社員の求人票を出している

虚偽求人に騙され、モンスター社員に仕立て上げられた挙げ句、実親に罵倒されて完全に心が折れた人間のお話でした、おしまい。

最後まで読んでくれてありがとうございます

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