実は今、「紙」のマーケティングがアツい!?その実態とは
マーケティング=デジタルマーケティングという意味で話されることも多いくらい、令和の世はデジタルマーケティング全盛だ。
僕が新しいマーケティングの相談を受けるときも、「WEBで何かやりたい」というニーズであることがほとんど。向こうからアナログ施策ありきで相談が来ることはあまりない。
しかし、実は今、「紙」を使ったマーケティングが再注目されていることをご存じだろうか。
ひっそりと成長している、とある業界
2019年: 約1207億円(前年比106.9%の成長)
2020年: 約1136億円(前年比94.1%の減少)
2021年: 約1283億円(前年比111.0%の成長)
2022年: 約1387億円(前年比108.1%の成長)
2023年: 約1472億円(前年比106.1%の成長)
上記は、ある業界の市場規模の推移だ。
なんの業界だろうか?
コロナで少し落ち込んでいるもののすぐ回復しており、デジタルツールか何かだと思う人が多いんじゃないだろうか。
実はこれ、ポスティング業界の市場規模だ。
皆さんの自宅にも届いているであろう、配達員が郵便受けにチラシをねじ込むアレだ。
ポスティングは典型的な”古い”紙の施策であり、市場が成長しているという事実にはちょっと驚かれるんじゃないだろうか。
なぜ、紙への回帰が起こっているのか
ポスティング業界が伸びているのには、大きく2つの背景が推測できる。
●コロナ以降、在宅率が上がった
もはや昔の記憶になりつつあるが、新型コロナウイルスの感染拡大により巣篭もりブームが起こったのはご存じのとおり。
巣篭もりは経済のトレンドにも大きな影響を及ぼしており、たとえば動画サブスクが急拡大したり、出版業界だと宅トレ本が一気に売れたりと各所で顕著な流れが生まれた。
そのなかで再注目されたのが、ポスティングだ。
消費者の多くが家にいるわけだから、当然自宅に届くチラシを手にとって見る人は増える。
相対的にポスティングは効率よくターゲットにリーチする広告手段となり、コロナ禍で選択肢が限られるなかで、マーケティング予算を投下する企業が増えたのだ。
コロナが明けた後もリモートワークが続く会社は多く、紙によるアプローチが効果的な状況は継続している。
●WEBマーケティングの難化
一方、コロナ禍において通常の選択肢として多くの企業が試みたのが、デジタル集客だ。
リスティングやSNS広告、ウェビナーを絡める施策など、あらゆる会社がインターネットを通じた集客に注力した。
その結果として起きたのが、WEBマーケティングのとんでもない競争激化だ。
そもそもデジタルマーケティングとは、本質的にターゲットのスマホやPCの画面表示の奪い合いだ。無限の可能性があるようで、実は枠が限られている。
そこを広告が取り合うと、必然的に出稿者が札束を積んでの叩き合いになる、
デジタルはどんな媒体にせよ、競争が激化するとユーザーに広告を表示させるための単価がどんどん高騰していき、広告費が合わなくなっていくのだ。
自分の業界の大手企業と、同じ広場でお店を開いて競争する状態を想像してほしい。勝てるわけがないとわかると思う。
一方でポスティングやDMといった紙の施策については、ターゲットの閲覧を取るにあたっては大手と同じ土俵に立てる。家のポストに届くかどうかに資金力の差は出ない。チラシのコンテンツなどで、努力して戦える余地が十分にあるのだ。
そうした背景から、ポスティングを選ぶ企業が増えた。大手でもデジタルに限界を感じてポスティングに回帰したところが多いという。
デジタルにない強いメリット
こうして、ある意味で消去法的に広告がアナログへ回帰してきている。
そんな流れで再注目されているのが、紙媒体が持つ「反響の強さ」だ。
今、特にBtoBなどの領域においては、広告から直接の問い合わせを狙うより、資料請求やウェビナーでコンテンツを提供し、個人情報を取得したうえで企業からアプローチするのが半ば常識になっている。
そうしたなかで多くの企業が悩んでいるのは、デジタル特有の反響の「軽さ」だ。
ユーザーとして想像してみてほしい。たとえばWEB広告から軽い気持ちでウェビナーに申し込んだとして、ほとんどは情報収集が動機になっているはずだ。
ウェビナーを視聴した後に企業からアポイントを取ろうという連絡が来たとして、うっとおしく感じる人がむしろ多いんじゃないだろうか。
一方で紙の媒体を見て問い合わせるというのは、多少の覚悟がいる。
媒体に載っているアドレスや電話番号を手打ちしたり、QRコードを読み取ったり、企業を検索してフォームから問い合わせたりと、はっきり言ってめんどくさい。
しかしそれだけに、反響をくれるのは「そうまでして問い合わせたい層」であり、ある程度は購買の意向があって連絡してくるケースが多くなる。実際、デジタルと比較してポスティングやDMが、同じ集客単価で成約率は2倍以上なんて成果を出した企業もあるようだ。
ちなみに、僕らが提供するブックマーケティングサービスによる著者への反響だと、その強さはさらに加速する。
一冊出したら数十人の読者から反響が来てほとんどが数千万円の商材を買う、なんて出来事が当社実績ではザラに起こっている。「買うって決めてる人が来てくれるから、すごく話が早い」というのは著者からよく聞かれる言葉だ。
まとめ
デジタル全盛の時代における、紙によるマーケティング回帰の流れを紹介した。
なお、僕たち自身が集客するための方法も、今のところ一番数字が良いのはアナログ寄りの手法だ。ブックマーケティングやパンフレット制作をやっているので当然「紙モノのプロ」を自負しているが、自社集客としてやっているから紙マーケティングにより詳しくなっているところも多分にある。
もちろんデジタルの施策も工夫しているが、「時代はデジタル」と安易に決めつけるのではなく、デジタルからアナログまで全体を見渡したうえで最適なマーケティングを設計するのが良いと思う。
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