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2023年 19冊目『ゆるい職場』


リクルートワークス研究所の古屋星斗さんの本です。

いつの時代も若者がゆるいなど既存従業員と違うという話が取り上げられることがありました。

ところが、現在は若者ではなく、職場がゆるいというのです。

これには、構造的な理由があるのだという事です。

2015年に若者雇用促進法が施行され、採用活動時に自社の残業平均時間や有給休暇取得率、早期離職率などの開示が義務付けられました。

2019年には働き方改革関連法により、労働時間の上限規制が施行されました。

2020年にはパワーハラスメント防止法:優越的な関係を背景にして、業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動で、職場環境を害する事が規制の対象として定義されました。

これら職場運営法改革により、新入社員の育成環境が大きく変わったのです。

これらにはプラスの側面もたくさんあるのですが、副作用としてゆるい職場ができてしまったようなのです。

そして、その緩い職場が、大企業での離職率の高まりを導いたようなのです。

まず国際比較

24歳以下の若年失業率、日本は突出して低いのです。

スペイン29.8%

イタリア24.2%

フランス16.4%

イギリス11.1%

アメリカ8.3%

韓国7.4%

ドイツ5.7%

日本3.8%

つまり日本では若者は取り合いになっているのです。

一方で日本の大卒は3年以内に3割が退職しているという事実があるのです。

※これはずーっとそう

ところが、その離職率が従業員1000人企業で上昇しているのです。

つまり、ゆるい職場で、これでよいのかという新卒が辞めているようなのです。

もちろん全体がそうではなくて、二層化しているそうです。

学生時代に起業している学生も多く、白紙で入社しているわけではないのです。

仕事をバリバリしたい

でも、ハラスメントはお断りという学生が半数近くいるのです。

つまり、関係の質は維持しながら、仕事の質を高めるという難しい事が求められているのです

具体的には

スモールステップを見せる

関係社員を増やす(横の関係で育てるのが良いそうです)

当社には新人はいませんが、たくさんの学びが得られる本です。

▼前回のブックレビューはこちら


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