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2019年 39冊目『味覚の巨匠エスコフィエ』

フランス料理が好きな人であればエスコフィエの名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。

19世紀後半から20世紀前半にかけて現在のフランス料理の基礎を作った人です。

1903年に出版した『料理の手引き』(Le Guide Culinaire)は、近代フランス料理の知識と技術の集大成ともいえる名著で、5000種類を超える料理のレシピが収録されています。出版から100年以上が経った現在でも、フランス料理の基礎を学ぶ上で必須の教科書として用いられています。

エスコフィエの最大の功績は、フランス料理の創始者といわれているアントナン・カレームが築き上げた、精巧で装飾的で濃厚な料理を単純化し、調理法を体系化し、フランス料理現代化の先鞭をつけたことにもあります。

結果、世界中でフランス料理の地位を大きく向上させた人です。

厨房各々のセクションにシェフ・ド・パルティ(chef de partie、部門シェフ)を置くシステム「ブリゲード・ド・キュイジーヌ」を発案しました。

一度にすべての料理を供するサービスが主流だったフランス料理に、コースメニューを導入したことでも知られています。

背が低かったので山高帽で背を高く見せたのが、現在のシェフの称号になっているという話もあります。

エスコフィエの名前は料理人に授けられる栄誉称号 「ディシプル・オーギュスト・エスコフィエ」(オーギュスト・エスコフィエの弟子との意)として現在も残っています。

リッツカールトンホテルの創業者であるセザール・リッツと出会い、世界中のリッツの設立にも大きく貢献しました。

そのエスコフィエの人生を綴った本です。

面白くないわけがありません。

料理のレシピや、当時の社交界の人たちとの交流も書かれています。

家族との幸せな生活についても触れられています。

一流の仕事人の人生を垣間見れます。

お薦めです。

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