『さよなら僕の性格』第5話 Y先輩(1)
その人は小さくて、かわいらしい人だった。
教室では、すでに光を反射させる気力すら失い、誰からも見えなくなっていた僕。そんな僕に対してすら、親切に接してくれた部活の先輩たち。その中でも、特に、明るい笑顔で僕によく声をかけてくれた人がいた。
よくしゃべる、人なつこい性格の女性。
自分から人に話しかけられない呪いにかかっている僕にとって、彼女から話しかけてもらえることは、日々の小さなオアシスだった。
Y先輩としておこう。
部活が休みの6月のある日、自転車に乗って帰ろうとし