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大尊敬していた人から嫌われた時の話

私がフリーランスとして仕事を始めたことを、おもしろく思わない人々もいた。

ここに書いたように、約10年前はまだフリーランスとして働く広報マンはほとんど存在せず、いるとすればPR会社を経て独立、法人化するパターンが多かった。
事業会社で、しかもその1社で1年半の経験しかない私が、PRを仕事にしようなんて無謀にもほどがあると自分でも思っていた。

だが、なぜかそういった流れになってしまったのは仕方がない。
お仕事を発注いただけるうちは、とにかくクライアントのためにやれることをやり切るしかない、と目の前の仕事に集中した。

毎日毎日どうしたらもっと成果を出せるのか考えていると、アイデアはいくらでも出てきた。足りないスキルはとにかく周囲の人に聞きまくり、頭を下げて教えてもらった。その頃は本すら読まずに、とにかく記者さんや広報さんの現場からの知見を教えてもらうことが勉強だった。毎日イベントや飲み会に顔を出し、そこでポロッと出る本音から、何をどう動かせばいいのか頭を働かせた。

そんなある日、恩人だと思っていた広報マンの1人からFacebookの友達を切られていることに気がついた
その方は私が広報を始めた頃とても良くしてくださって、広報マンのあるべき姿勢や仕事に対するスタンスに大きな影響を受けた方だった。

転職するか留学するか独立するかで悩んでいた時にも相談し、その方と一緒に働くという道も考えたのだが、それは断られた。
その後独立することが決まり、すこしの間仕事を手伝ったことがあった。1ヶ月か2ヶ月くらいだったか、一緒に仕事をしてみると合わないことだらけで、関係性も悪くなり疎遠になっていった。向こうは私のことを「仕事ができないやつ」と思ったはずだし、私はその方のことを「外面は良いけど内側には雑」と思った。

ケンカ別れをしたわけでもなく、それから半年くらいは経っていたので、Facebookの友達を切るくらいの何かをやったかというと、全く心当たりがなかった。
共通の友人に「なにかあったの」と聞くわけにもいかず、気が付かないフリをした。内心では、「コミュニケーションを仕事にしてる人間が、コミュニケーションを断つんじゃねーよ」と半分怒っていた

心の片隅で、その方に私は何をしたのだろうかと心配しながらも、どうすることもできなかった。狭い業界なので共通の友人も多く、周囲の友人たちも次第に気がつき始め、私に「◯◯さんに、味岡と仲良くすると評判落とすって言われたよ、何があったの?」と聞かれたこともあった。

それでも私は、初対面の方に「◯◯さん知ってますか」と聞かれたら「はい、私の広報における師匠です」と答えていた。そのくらい尊敬していたのだ。

その言葉がどこかで耳に入ったらしく、その方がTwitterで「勝手に弟子を名乗る人がいて困っている」と投稿していたのを目にした時...。
ああもうこれは終わりだな、と思った。

覚悟を決めてメッセージを送った。
「これ私のことですよね?」と。

まさかあなたの評判を落とすことになるとは思わず、師匠などと勝手に言ってごめんなさい。
私の悪口を言っていることも知っていますが、それでも尊敬してました。
とても残念です。

そんなようなことを2回くらいのやりとりで送り、全てのSNSをブロックした。


私は心からその方を尊敬していて、その方みたいな広報マンになりたかった。
そのためには、たくさんの会社のPRを手掛ける、大きなイベントも経験できるようなPR会社に務めないといけないと考え、どこかで「1社で1年半」だけの経験をコンプレックスに思っていた。


しかし、このことがあってブチ切れた私は、

事業会社で広報立ち上げの経験をしたからこそわかるポイント
たった1年半でもこれだけの実績を残せた秘密
ひとり広報でも記者発表会が開催できるノウハウ

といったような、これまでマイナスだと思っていた部分こそ求められていたことに気が付き、その方と同じ土俵に上がることを止めたのだった。

クライアントがなぜ自分を選んでくれたのかを良く見たら、もとからそこにあったもの。おばかな私は、手痛い仕打ちを受けなかったら気づけなかったことだった。

弱みに思っていることこそ、強みに変えられたら、突き抜けられる
そのことをこの方が教えてくれたのだった。

広報マンの基礎となるスタンスを教えてくれて、人生における大事な法則まで教えてくれた人。
とても傷ついたしいまだに悪口を言われているし今に至るまで口もきいてないけれど、その方に心から感謝できるようになった時、私の仕事も変わっていったのだった


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