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マイクロノベルちょいす 044「モリモリやる気」
No.1177
悪魔の俺が気づくとぬいぐるみになっていた。体が上手く動かないし、自分の姿もわからない。ここはどうもぬいぐるみ売り場のようだ。幼子がやってきて、俺の隣のぬいぐるみを指さす。「この天使がいい!」な、なにぃ!? 悪魔の誘惑の力、見せつけてくれる!
No.1203
「テストを開始します」ぼく、開発当初からこのテストが苦手なんだ。地下通路に設置された監視カメラの前で男が踊ってる。こいつが人間かロボットかを判定しなきゃいけない。普通に考えれば酔っ払いのおっさんなんだけど……あっ、吐いた! これは人間だ!!
No.1211
AIのおかげで「今の気分にピッタリな歌」を聴けるようになったのは嬉しいんだけどさ。「隣のおじさんが靴を脱いで足を投げ出した歌」とか必要ないんだよ。そんなことで気分は紛れないんだよ。「消臭剤の宣伝ソング集」もいらないよ!
No.1218
スーパーダンジョン……まさに難攻不落の迷宮だったよ。通路が一瞬でペットボトルに塞がれ、死角から子供が飛び出してくるんだ。いや、だからスーパーのダンジョンだよ。野菜コーナーにたどり着いた時には特売のキャベツは売り切れだった。必ず再挑戦するぞ。
No.1223
ここにあった紅茶を知らない? ほら、一年前に置いてたやつ。えー、わたしが来るんだから買っておいてよ。「でも、君がつけてる口紅は俺がプレゼントしたやつじゃないよね」ちっ、気づいたか。紅茶も恋もとっくの昔に冷めていたというわけだ。買ってくるわ。
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