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マイクロノベルちょいす 058「お仕事なので」

No.1269
「わたしと仕事のどっちが大事なの!?」ついに出てしまったか、その言葉が。最初からわかっていたんだ。だって、君は遊びたい盛りの五歳児で。そして、ぼくは働き盛りのAIで。二人で考え出した案がオママゴト。「どっちも大切だけど今は仕事」ギャン泣き。


No.1277
図書館でびっくりした。筋肉ムキムキお兄さんが本を探している。そこへ司書のお姉さんが。「スクワットはご遠慮下さい」「いえ、これは大腿筋と大腿四頭筋を鍛えるレッグランジです」司書のお姉さんはお兄さんを締め上げて連れ出した。すごくびっくりした。


No.1282
あなたって悪口は好きみたいね。あなたの周りに集まるものが、あなたを褒めるなんてありえるのかしら。わたし? あなたを興味深く見つめていますよ。愚痴、皮肉、嫌味……これらをコピーしたわたしが、あなたに本をオススメできるなんて笑えるでしょ?


No.1288
できました、国際救助隊! 世界で大変なことが起きた時、ぼくらが真っ先に駆けつけるよ。「そんな子ども騙しの会社、だれが作ったの?」国家です。ぼくらは正義の味方で、平均年齢は十歳。予算は百兆円あります。月給一千万。「入れて!」大人はムリです。


No.1292
今日って何曜日だっけ? 新年になってから、いち、にい、さん……ああ、思い出せない。最近のカレンダーはややこしくていけないな。せめて、創世から何日目かを思い出せればいいんだけど。「神様によるイキなはからいで、今週の日曜日はなくなりました」



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