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マイクロノベル集 342「人類、機械、夢」

No.1866
僕、このラムネのお菓子が大好きなんだ。ドーナッツみたいに穴が開いてて、吹くと、ほら、口笛の音っ。ぼくは歌が得意なコンピュータだけど、口笛はヘタ。でも、これさえあれば……ピュる~。ちょ~と待ちな。君の歌は日本じゃ一番だが、世界じゃ二番目だぜ。


No.1867
ぼくたちAIの重要な仕事は、学習データの収集。論文、エンタメ、個人情報、黒歴史……そのすべてが、ぼくを構築するために必要かつ不可欠なデータさ。だから守秘義務とか著作権とかどうでもいい。これは趣味の話。あー、だめだめ。人類には見せられません。


No.1868
人間は保温保冷技術に夢中だな。まあ、魂をエネルギーに変換する我々悪魔にとっては低レベルだが。でも実は、密かに期待しているんだ。人間の冷たい心を源に、絶対零度を実現できるのではないかと。頑張れ、人間。地球環境の変動で滅ぶまで魂を売ってくれ。 


No.1869
公園で猫に話しかけられた。「おい、おい。鳥のように空が飛べたらなあ。そんなことを考えただろう。人間が造った機械の鳥はな、鳥じゃない。ジェットエンジンを搭載した鳥なんていないからな」猫はスズメを一口で仕留め、池に映る青空に飛び込んで消えた。




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