マイクロノベル集 234「目覚めた偽物たち」
No.1353
俺の能力はコピー。言葉、歌、職人の技術……。「なんでも作れるってこと？」もちろんだ。材料や加工するための機材もこちらで用意しよう。なにをコピーして欲しい？ 「それじゃあ、この地球を。でも綺麗にして」引き受けた。地球の資源、すべてを費やそう。
No.1354
偽物を作るには金がかかる。知ってはいるんだ。でも、悪魔がカフェを始めるのに、人間の電力会社と契約するのは間違ってるだろ？ 「だからって、俺みたいな雷系の魔物を雇うとはな。おい、新入り！ 電子レンジと電気ケトルを同時に使うなって言ってンだろ!!」
No.1355
悪魔の耳は地獄耳。でも、現実には天使の方が高性能かも。「店長、トイレでライターの音がしました。喫煙している馬鹿がいます」誰だ、誰だ。デビルマンのうたを歌えたら許してあげて。「罪人に懺悔の機会を与えるのですか？」優しさに目覚めた男だからね。
No.1356
「店長、私もお店の力となるべく、新メニューを考えました。これはシュー生地を輪の形にして、間にホイップクリームを挟んでいます」すごくおいしいけど、これ、ミスドで食べたことあるな。「名前はエンゼルドーナツ」この天使、悪魔より悪魔の才能があるな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？