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アール・ド・ヴィーヴル03/アントワープにて(ショートトリップの愉しみ)

1 黄昏どき

アントワープには列車で行った。
朝早くアムスに着いてホテルに荷物だけ置きに寄って、身軽になる。

まず繁雄は、大好きなミュージアムであるティルブルグのTEXTIELLABに渚を連れて行った。繁雄はもう2.3回行っているのだが、毎回ワォというほど楽しいからだ。
渚はまだ行ってないんで、ちょっと強行でも、行っちゃえ!


みんなもぜひ行った方がよいです。
短時間だったけど、満喫して(これもいずれまた書くね)、列車でアントワープへ。弾丸。



繁雄が愛してやまないオランダの巨匠!写真家ポール・コイカーがアントワープの写真美術館で大規模な個展をやっていて、これは何をおいてもいかなくっちゃ。



ちなみにポールは、繁雄がやっているG/P galleryで何度も個展をしているし、東京にも呼んで写真集を作るプロジェクトもやった仲。



閉館ぎりぎりまで、美術館にいて、穴が空くほどポールの写真をみて、予約しておいた街中のホテルにチェックイン。
一晩だけの、アントワープ遊びなのです。
ふう。ちょっと一息。


カテドラルの真下のカフェで、2人でキールを飲む。夏の名残(9月です)の夕日、オレンジ色の光が、おとぎばなしの家のような街並みにシルエットを作っていく。空は青いが、もうすっかり秋のブルー。

カフェには大きくて、きれいで、かわいがられているプードルが番をしていて、夕日と雑踏を眺めている。人々はもう仕事を終えて、一杯やる時間だ。トワイライトの魔法。

渚(以下N)‐ いろんな街をいっしょに旅してるけど、アントワープって独特ね。
繁雄(以下S)- パリとアムステルダムを一緒にしたみたい。カソリックのデカダンスとプロテスタントの禁欲。ポールのちょっとデカダンな写真が好きなのは、よくわかるなー。
N- ちょっとヘンタイっぽい空気がある。エロチックというか。
ここは旧市街だけど、店もおしゃれだし、いろんなとこに花が飾られている。花屋さんで売ってる花も、ちょっと南米っぽかったり、色もハデで、葉っぱも不思議なのが多かった。


S- シークレット・ガーデン趣味なんだろうな。それにしてもベルギー人には、奇妙で魅力的な人が多いね。マグリット、デルボー、ヤン・ファーブル、タイマンス。日本じゃまだあまり知られてないけど、マルセル・ブロータスっていう鬼才もいたんだ。それから、こないだ2人で観た映画「顔たち、ところどころ」のアニエス・ヴァルダ監督もベルギー人だよ。
N- 味濃いなー。ラブリーで、エキセントリックなんだね。
S- そう考えたら日本と一番離れてるかもね。(と言って、教会を指さす。)


N‐ すっごい高い教会。こんなの日本人作ってないよ。
S- 前方後円墳だもん。笑 平べったくて地を這ってるのが日本だし。
N- あー、ホットチョコレート飲みたかったな。(繁雄が調べたチョコレートショップ「Günther Watté」が閉店時間で、間に合わなかった。泣)
S- じゃ、ビール飲みに行こうか。もうそろそろ予約の時間だろ。


N-店番の わんちゃん、いいコにしてるね。ご主人が帰ってきたら、邪魔にならないよう、かまってもらおうとしてる。
ところで今晩何食べよっかね。
S- 肉でしょ。
N- スペアリブかなー。
S- デ・コーニックのビール。ベルギー煮込み料理かなー。カテドラルの下でビール飲みまくるなんて、バベルの塔の下でうごめく蟻みたいだ。
N-はいはい、 おはなしは後で。おなかすいたねー。
S- 黒ビールも飲みたいな。


2 夜が明けて


N- 早起きしたから、川辺を散歩するのは格別に気持ちいいね。今気づいたけど、私って自然の中に街があるとこが好きみたい。
S- その点ではアントワープは、人工的だね。街は京都みたいな古都だけど、それは外見だけで、中身はみんな現代的。
N- サン・セバスチャンとか、海があるから好きだな。結局、イタリア、南仏、サンセバとかが好き。
S- ラテン系。アングロサクソン系じゃないな。でも、アントワープは享楽的だし、いろんな混血文化があふれていて、例外的に面白いね。ベルギーテクノって、あんまり知らないけど、聴いてみようかな。
N- こっちの道に行ったら Günther Watté。昨日、ホットチョコ飲みたかったなー。
S- どこかで朝飲めばいいじゃない。
N- あー、空がきれいだな。こっち行ったら、ファッションミュージアムだよ。


S- (歩きながら)ショーウインドゥの使い方とかもうまいな。
N- おしゃれな服が多い。次来るときは、買い物したいな。
S- きのう見つけといたカフェにまず行こうよ。
(Cafe Break Pointに入る。)


N- お!ウォーム・キャラメル・チョコレートがある!
S- ブレックファーストとオレンジジュース。夜が明けてきたね。みんな自転車で通勤してるんだねー。おっ、ホットチョコレート、うまいな。
N- アタリだったね。オーガニックカフェ。植物もかわいい。
S- パンもうまい!アントワープっていい街じゃん。笑
N- いい街だね。また来たいね。
S- お客さんも、いい感じの人ばかり次々に来るね。
(白い老犬を連れた婦人も登場。)


N- おいしかったね。駅まで歩く?植物園もあるみたいだよ。
S- お勘定しよう。
N- (店を出て歩く。)散歩、楽しいね。
S- 旅の秘訣を1つ。
「なかよしだと、行動が倍増する」。
N- いいね。そして発見もね。あっ、ファッションミュージアム。
S- おーブックストアもいい品ぞろえだね。11時からオープンか…残念。2020年まで休館みたい。
N- 残念賞で、入口で写真撮ってよ。
S- (歩きながら)おしゃれ度上がってきたな。
N- 見て!ドリス・ヴァン・ノッテンの店よ。


S- こりゃ、すごい。オシャレすぎるね。誰も着こなせない。人間の中身が問われるね。
N- 急がないと電車に遅れちゃうよ。
(急ぐ。)
(駅に向かう途中の小さな植物園に立ち寄る。)

S‐ ちいさな植物園。
N- 見て、見て。サボテンもあるよ。
S- この植え方、参考になるなあ。(写真に夢中。)ベルギーって、冬、寒くないのかな。雪は?サボテンも地植えしてるし。温室も覗いていい?
N- 植物もオシャレなものを植えてるね。
S- (温室を覗きこみながら)11時からか。外から撮っとこう。サボテン、すっごくよく育ってるね。渋いガーデナーがいるんだろうね。ここで、サボテンの写真集作れるくらい、たくさんある。


N- こっちもかわいいよー。
S- すっごく時間かけて大きくなってる。なんかサボテン界のウエスティ(ウエストハイランドホワイトテリア)みたい。


N- 笑…うまいこと言うねっ。もうあと5分で出なきゃ。
S- また来よう。(駅に急ぐ。)
N- アムスまでのチケット買わなきゃなんないし。
S- 急ごう。
(無言でひたすら歩く。)


N- ねえ、おいしそうなパン屋。
S- おっ、買っちゃおう。電車で食べようよ。
N- 結局、私たちって、「くいしんぼう」なんだよね笑


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ありがとうございます💛💛(渚)
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編集者でクリエイティブディレクターの後藤繁雄と渚。 夫婦2人の「旅と暮らし」をつづります。 夫65歳、妻41歳。 https://www.youtube.com/channel/UCxnUXuFX0if8uN1II_pLihg/featured
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