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小説「鎮火」

【あらすじ】
琴海には年に一日だけ、家族に内緒で出会っている男性がいた。共に家族を持ち、琴海には娘もいた。その中学生の娘が、二人の関係に感づいたようで、琴海はこの関係を終わりにした方がいいと伝えるが。
これは十年という間、不思議な関係を続けた家庭もある男女の、その関係の終わりを描いた短編である。

【備考】
・本作は超・妄想コンテスト「特別な一日」応募作です。
・コンテスト期間終了後、非公開になる場合があります。

【データ】
文字数:8000字
バージョン:v1.1.0
公開日:2023.1.15
更新日:2023.1.15

【リンク】
エブリスタ
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【作品冒頭】

 庭園で花をつけている赤い薔薇は十一月末の寒風を受け、凍えるかのように震えている。その前でじっと立ち尽くしている小豆色のショールを羽織った女性は、頭の後ろで綺麗にまとめた髪に青い花柄のバレッタを付けていた。
「琴海」
 背後からチョコレート色のコート姿の男性に声を掛けられたが、彼女は聞こえないのか、じっとその目を赤いそれに向けている。

小説「鎮火」1より

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