歩道橋を上って

止まった終電を降りて
追い越して

その先にある明日へ向かう

近くにあった歩道橋の
水溜まりを踏んで

その上にある今日を終える

昼に降り出した雨は
もう今日のエキストラ
今は見える夜空に残した
雨雲だけが助演賞

今日の主演は自分でありたくて

好きな靴を履いて出かけて

振られた雨に服を濡らして
歩く 歩く

そんな昼を過ごして今は

止まった終電を降りて
追い越して

歩道橋の上走る車を眺めて

自分の存在価値を確認する

誰かが誰かを気にも留めない今日が終わり
誰かが誰かを気にも留めない明日が来る

同時にそれとは逆の日が来ている人もいる

それはそれで
これはこれで

私が誰かに忘れられない
大事な存在になれる日を

夢見て

歩道橋の上濡れる手すりに手をかけた

行き交う車のライトも
今も尚点灯するビルの灯りも
歩道橋の上光を反射する水溜まりも

全てが私の作品のエキストラ
私以外のエトセトラ

それでも尚
輝きを知らぬ私の

輝く刹那のエトセトラ