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親の介護・6年の記録〜介護の始まりから葬儀・相続まで

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2021年8月某日、父が永眠しました。 6年に及ぶ、在宅での介助・介護が始まった日から、介護認定・デイケア・介護施設・ケアプラン・コロナ禍の病院の状況・救急車の搬送・終末医療・…
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親の介護が始まった日・第七話「デイケア施設の意外な格差」

親の介護が始まった日・第七話「デイケア施設の意外な格差」

色々な契約や手続きから始まり、認定されるまで時間がかかりましたが、なんとか父の介護認定がもらえて、生活の方向性がかたまってきました。

月に一度の病院への通院は、私が車を運転して父を運び、短い距離の移動はレンタルした車椅子を使いました。
又、平日の火曜日と金曜日に日帰りのデイサービスを利用して、朝の8時40分頃に施設の方が専用の送迎車で迎えに来てくれる事になりました。

施設の運転手さんは女性の気

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親の介護が始まった日・第六話「介護申請とケアプラン」

親の介護が始まった日・第六話「介護申請とケアプラン」

父は、病院やお医者さんが大嫌いでした。
風邪をひいても病院には行かず、いつも市販の薬でなんとかしていました。
そんな父なので、介護施設等に入所するなんて話を聞く訳がありません。

…でも、まぁ、皆んなそうですよね。
正直なところ、病院や介護施設に入りたいと思う人なんていませんよね。
やっぱり自分の家がいい。
それは皆んな同じだと思います。

世話になってきた父親が老齢になり、少し身体が不自由になっ

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親の介護が始まった日・第五話「介護が始まり、最初に直面する事…」

親の介護が始まった日・第五話「介護が始まり、最初に直面する事…」

父が退院後、介助・介護にあたる家族の負担は想定以上のものでした。

父は、ゆっくりですが自力で床から立ち上がり歩く事は出来たのですが、トイレに到着前で間に合わず、途中で漏らしてしまう事が時々ありました。
処理にあたるのは母か私。
そして、漏らした側の父の気持ち。
特にプライドが強いのが男性。
父はその度にプライドが削られていきました。
情けなさもあるのか、複雑な表情をしてその場に佇むしかない…。

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親の介護が始まった日・第四話「リハビリと今後…」

親の介護が始まった日・第四話「リハビリと今後…」

父の転倒した時の傷が癒えるのもそこそこに、リハビリがすぐに始まった。
いきなり立ったり歩いたりではなく、マッサージや軽いストレッチと軽い負荷運動からのスタート。
高齢になると筋力の衰えが早いので、1日も早くリハビリを始める必要があると、担当になった医師と理学療法士さんから聞いた。

私はというと、上司や職場に事情を説明し、急に休んだお礼をして、職場に復帰した。
母は病院から、入院時に用意して欲しい

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親の介護が始まった日・第三話「驚きと不安」

親の介護が始まった日・第三話「驚きと不安」

父が倒れた翌日、私と母は、父が入院している病院に行きました。

行きの車中、父は今どんな状態になのか、もし何か起こってしまっていたら、これからどうしよう…
そんな事が頭をよぎり、車内は無言。
「なる様にしかならないよね…」、その言葉を交わしたのだけは覚えています。

受付で父の居る病棟と病室の番号を教えてもらい、エレベーターに。
言われた階で扉が開くと、目の前にナースステーションがありました。

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親の介護が始まった日・第二話「診断の結果は・・・」

親の介護が始まった日・第二話「診断の結果は・・・」

息を切らし家に着き、玄関を開けると、母が病院に行く準備をしていた。子供は心配そうに居間の戸びらからこっちを見ている。

「おかえり、母さん、行ってくるね。タクシー呼ぶから、子供よろしくね。」
「うん、ありがとう。ママ(嫁さん)が帰ってきたら交代して、俺も車ですぐ病院行くよ。」
「分かった。」
母は車の運転免許を持っていないので、タクシー会社に電話した。普段より早口になり、明らかに動揺しているのが分

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親の介護が始まった日・第一話「父が倒れた・・・」

親の介護が始まった日・第一話「父が倒れた・・・」

ちょうど、6年前・・、12月の冷たい風が吹く、冬の日。

その日の仕事の終わりが見え始めた18時頃。
落ち度のないようにチェックをしていたその時に、一本の電話が職場に掛かってきました。
いつものように事務員さんが電話を受け、すぐさま私の名前が呼ばれました。

「○○さん(私の名前)、お家からお電話ですよ」(事務員さん)

「えっ?…あっ、はい。」(私)

今まで家から職場に電話が掛かってくることな

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