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親の介護が始まった日・第六話「介護申請とケアプラン」

父は、病院やお医者さんが大嫌いでした。
風邪をひいても病院には行かず、いつも市販の薬でなんとかしていました。
そんな父なので、介護施設等に入所するなんて話を聞く訳がありません。

…でも、まぁ、皆んなそうですよね。
正直なところ、病院や介護施設に入りたいと思う人なんていませんよね。
やっぱり自分の家がいい。
それは皆んな同じだと思います。

世話になってきた父親が老齢になり、少し身体が不自由になっただけで、施設には行きたくないと言う父に、仕事があるからとか、介護が重荷だからとか理由を付けて、申し訳ないけど入所してくれ…とは、受けてきた親の恩を仇で返している様な気がして、さすがに私は言えませんでした。
(注…これは、あくまで私と私の家庭の考え方です。他のご家庭には、他のご家庭毎に考え方があると思います。私の考え方・捉え方が全て正しいという事ではない事をご理解ください。)

結果、父は在宅で介護するという事になりました。


しかし、今までの日常を続けながら、父の介助とリハビリの全てを毎日、我々家族だけでカバーするのはさすがに厳しいので、負担を少しでも減らす為、介護保険を使って、介助なり介護なりを受けてみようという事になりました。

しかし、介護保険の介助や介護って一体何をしてくれるのか、その前にどんな申請が必要なのか、私達は分かりません。

っと言う事で、市の窓口に電話をして相談してみる事にしました。
市に電話すると、高齢介護課に電話を繋いでくれました。

下記が、その後、私達が経験した一連の流れです。


市の高齢介護課から、私達の住んでいる該当地域の介護相談を受け付けてくれる事業所を紹介されました。すぐにその事業所に電話。お互いのスケジュール調整をして、相談日と時間を決めました。

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②相談日に事業所に訪問。そこで家から近い居宅介護支援事業社を紹介されました。帰宅後、その支援事業社に電話。家に来てくれる日のスケジュールを調整をしました。

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③後日…
居宅介護支援事業社の父の担当になったケアマネージャーさんが家に来て、挨拶して、父の病状の説明と経緯を伝え、事務的な契約をしました。

・介助・介護の支援を受ける(介護保険を使う)にあたり、市からの介護認定を受けなければならないので、その介護認定の申請書の作成と、市から派遣される認定士のスケジュール調整を頼みました。

通院の為の車椅子のレンタルを希望。介護用品の業者さんにケアマネージャーさんが連絡してくれました。

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④翌日、介護用品の業者さんがカタログを持ってきてくれて、車椅子の選定。次の日、レンタルの車椅子を家に持ってきてくれました。借りたのは、自家用の車に積みやすい、軽量で折り畳み出来るタイプの車椅子です。レンタル料は、月に500円でした。

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⑤頼んでから3週間後、市から派遣された認定士さんが家に来て、父の身体の動きのチェックや、父に名前や今日の日付、日頃の事などの応対の質問。その後、父がいない別部屋で、母と私との面談。父が日常で出来る事、出来ない事、日頃の様子など、事細かに聞いて書類に記入されていました。

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⑥介護認定審査会による審査開始。認定士の訪問・審査・介護認定書が家に届くまで、約1ヶ月かかりました。そして「要介護3の認定書」が届きました。(介護認定には、要介護1〜5まで段階があり、段階が上がる毎に、受けられる介護の項目が増えます。重度の5となれば必要な介護がかなり多くなるので、それに対応する為に、介護項目の増えるという感じです。)

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⑦後日、その認定書のコピーをケアマネージャーさんに渡し、これからのケアプランを相談。送り迎え付きで、日帰り通所型リハビリ施設を希望し、昼食付き・お風呂介助付きのケアが出来る施設の紹介をお願いしました。

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⑧ケアマネージャーさんに勧められたデイケアサービスを行う施設を見学。めちゃくちゃ広くて、綺麗で豪華な施設で驚きました。父も同行して半日だけ体験。父も気に入り、週何回通うかなどのスケジュール調整と契約。平日、週2回を希望しました。

・5時間〜7時間程度のデイケアで、当時は1割負担だった為、自己負担額は1500円程度でした。内容は、送迎・入浴・食事・機能回復訓練(生活リハビリ・按摩/作業療法士によるリハビリ等)、レクリエーション、その他の行事(誕生日など)でした。


週に2回のデイケア…。
表向きは父の体力を考えて週2回にしましたが、本音を言わせてもらうと、その日の日中だけですが、介護をしなくていい時間になります。
少しは介護の体力的・精神的な負担が減り、ホッと出来る時間が出来ると思っていました。

しかし、2か月程は順調だったのですが、ある日突然、父が通所したがらなくなります。
その訳とは……

……つづく

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