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最大の敵は自分だった

もしかして、自分ってダサいのでは。

そう漠然とした不安に背中を取られて数日、これからの自分の服装に不安を覚えている。

というのも、大学ってみんな、いや、みんなと書くと誤解が生じるので言い換える。大体の人がおしゃれだと感じたから。

特にもはや大学生の中に共通するワードTOP30くらいには絶対に入っているであろう「古着」

あれを平然と来ている人たちは一体どんな環境で育ったのだろうか?

もしかすると、自分が知らないだけで大学の教養科目に「ファッション」とか「着こなし」とかが存在しているのだろうかとすら勘繰ってしまう。

逆にしっかり着飾っている人に何をどうすればそんな組み合わせの服を着ることができるようになったのか個別に聞きたいくらいだ。

自分がよくしている服の組み合わせは「シャツ・ジーパン」「スウェット・パンツ」「トレーナー・ジーパン」

お粗末だな畜生。お粗末にも程がある。世のファッション誌が泣くぞ。

正直なことを言えば、自分も洒落た格好をしたい。もちろんそうだ。自分も意気揚々と「おしゃれさんとつながりたい」は別にしたくはないけど自分の着こなしをインスタとかにあげてみたい。するかどうかは置いといて。

だけど、正解が分からない。平均点、及第点が分からない。自分が着る組み合わせが家族からは泣きそうになるくらいこき下ろされる生活はもうやめたい。

そう思いつつも、結局解決する手段がないから諦めて、いや、開き直って無難でそれっぽい最低限着ておけばなんとかなる組み合わせを延々と続けている。

そんなある日、遡ること数日前、あれは確か先月の25日、一緒にご飯を食べた同じクラスの子が着ていた服が、というよりもその子の服の組み合わせがはちゃめちゃにカッコよかった。

帰りの方向が同じだったので電車の中で何をすればそんな感じの服を着こなせるのかについて聞いてみた。

正直なところ、去年一年間の自分が参加していた授業のグループにおける男女比が1:4とかだったことによって、自分の中の性的自認がぐらっぐらに揺れています。

もう既に若干の女々しさが会話というか、声のトーンに現れている気がします。

よく言えば粋で鯔背な姉御、悪く言えば場末のママ。一人称が「自分・あたし」になっている自覚があるので多分そういうことです。まぁもともとセクマイだしその辺は仕方ない。

その子曰く、服は自分も普通に通っている京都の商店街の中にある古着屋で買っているとのことだった。

古着屋!!!!古着!!!!!出たよ古着!!!!!!

もうやだまた古着。シャツとパンツが普通の組み合わせだと思っている自分は一体なんなんだ?おしゃれ原始人か?もはや裸に葉っぱのはっぱ隊スタイルで通学した方がそれっぽいですかね!?

思わずもう頼むから服を教えてくれと言ってから数日、よくある「また今度ご飯いきましょう」のあれでなかったことになっている。もう予算はそれなりにかかっていいからそれっぽい組み合わせを教えてくれ!!!頼むから!!!!!!

洒落た男になりてぇ!!!!!

そんなこんなで新学期カウントダウンも終盤にさしかかり、今は自分の部屋にある服でもう着ないものとかを整理している。

生まれて初めてメルカリに手を出そうとしているけれど、よく考えると「自分の中でいらないと思う服」がわからない。

もう着ていない服の判別ができない。何をもって「もう着ない」なのかが分からない。

確かに前のシーズンで着なかった服はある。それはもう「着ることがない服」としてカウントしてもいいのか?

「着るかもしれない服」としてカウントしなくてもいいのか?

これまでに一念発起して断捨離をしたことはあっても、服の断捨離はしたことがない。何をどうすればいいのかすら分からない。

そう思って自分のクローゼットに詰め込んでいる服を見ると、確かにいつ着たか思い出せないような服がいくつか目に入る。そんな機会損失をしている服を処分してもいいのか?

もう何も分からない。

これまでサイズが大きな服しか買っていないから、数年間同じ服を着続けている。最後に服を買ったのは何シーズン前か思い出せないくらい買っていない。

思い出した、最後に買ったのは去年の夏に柄シャツが欲しくて買ったのと、勢いで買った七分丈のジャージだ。

秋冬物?春物?なんですかそれは??

トレンドラインなんてさっぱりだしこれまではシャツとパンツ、夏はポロシャツと短パンで生きてきた人が急に着こなしのサバンナに放り込まれている。

イケメンはシンプルコーデが似合うだって?

自分が着たらそれは休日のお父さんなんだよ畜生。俺も五条悟とかハウルみたいに白シャツに黒スキニーが似合う男になりてぇや!⭐︎

雑誌を見て勉強しようと思っても、自分の中で(でもこれって顔がいい男が着ているからかっこいいのであって、自分が着たらどうなるのよ…)みたいな疑念が話しかけてくるオプションがついているのでお話にならない。

最大の敵は自分とはよく言ったもので、きっとこれは厳密に言えば「最大の敵は自分の中の自己肯定感」なのだろう。

誰か、服を着せてください。着こなしを…履修させてください…

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