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vol.16【転倒は積み重なったサイン】だけど日常すぎて、家族はそこまで深刻に感じてない

「うわあ、どうしたの?このアザ。転んだの?」
居間に入った瞬間、大声をあげてしまいました。母・ブンブンのこめかみ・肩・肘などに、茶色くて紫ががった大きなアザができていたのです。

「ああ、もう、うるさいなあ。もういいんだよ」
ブンブンは触れてほしくない話題だと、いつもこんな感じ。

どうも、実家の老老介護をヤキモキしながら見守る、娘のマアちゃんです。
夏の終わりはまだ病状が緩やかだった、私の父・ペエくん。私の母・ブンブンも看護師さんが家に来る流れに慣れて、落ち着いて過ごせているようでした。

私マアちゃんは、変な話、「今のうち!」と、すごい勢いで仕事を片付け、人に振れるものはどんどん手放すべく動いていたので、結構忙しかった時期。実家に顔を出すのはちょっとご無沙汰していました。で、来てみたら母が大きなアザをいくつもこしらえてる!夏のTシャツをノースリーブのようにまくって暑がっていたので、痛々しいマダラ模様が丸見えでした。

うるさいって言われたところで、「イヤイヤ、この話に触れないのは無理だから、そこは、納得する答えを用意しときなさいよ、お母さん!」
とツッコミたくなるけれど、「無理が通れば道理引っ込む」的な人なので、無理ですね〜。

「これはきっと、これまでも気づかないところで、この5倍、6倍転んでいるよな」

実は1週間前に、看護師さんから私へ電話をもらっていました。
「お父さん、転んじゃったんですよ。 頭を打っているといけないので、一応外来で診てもらいました。そろそろ、今後どうするか考えた方がいいと思います」

私は会社の近くの商業施設で仕事の買い物をしていて。ワアワアうるさい中で電話を取り、「そうですよね」「はい、そうですよね」と答えていました。今思えば、看護師さんの言う「次のフェーズに入った合図なんですよ」という温度をちゃんと受け取ることができていなかったと思います。

看護師さんの書いた本を読むと、よく「こんなになるまで放っておいて!」と驚いた、と書いてあったりしますが、家族は現実の重さを把握できないんですね。見慣れて日常になりすぎて、日々の小さい変化が見えなくなっているから。

今後、家族や大切な人を見守るとき「実は大変な状態かもしれない」という観点を持つためには、看護師さんなどのプロの意見をしっかり汲む必要があると思います。

そういえば、転んでだいぶ経ってから、ブンブンが白状したところによると、この時期はもう、自分も体がキツくて転びやすくなっていたそう(やっぱりそうか!鈍い娘で対応が遅かった!)。しかしながら、巨大なアザには理由があって、脳梗塞を経験しているブンブンは血をサラサラにして血栓ができないようにする薬を飲んでいたようです。それで、ぶつけて内出血するとなかなか血が止まらないために大げさなアザができやすいということで。

「それを早く言ってよ!びっくりしたんだからさ!」と思いつつ、そういえば脳梗塞を隠しててケンカしたのは10年くらい前だなあ、と。子供が小さいうちは密接にやり取りしてたけど、油断したのは私の方でした。今日はちょっと反省です。

 

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