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ある少女と願望と夢の話

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願望を叶えたい藤丸立香と、夢を見るオベロンの話です。 全話無料公開で定期的にアップロードしていきます。
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#二次創作小説

【小説】ある少女と願望と夢の話

【小説】ある少女と願望と夢の話

 妄想の延長線に過ぎないのかもしれないと思いつつも、自分が何に違和感を感じるのか慎重に手探りする。後ろから目を塞がれて、その暗闇の中を歩いているかのような気分だった。そこにあるのにわたしには見えない。
 「何一つ理解していなかった」、そう思い知らされてしまったが故に、盲目になったかのようだ。

「悪癖だな、自分のこころを慰める方法は他にもあるだろう」

 彼は、わたしの目を塞ぐ手に力を込める。
 

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【小説】決別のかたち

【小説】決別のかたち

 ここ数週間、わたしは図書館にあるアーカイブを読み漁っていた。そのほとんどが睡眠に関するもので、残りは魔術世界における英霊の位置づけについてだ。
 とはいえ、前者は「結局睡眠ってよくわかんないね」という結論に落ち着き、後者はバックボーンが違いすぎてほぼ理解できなかった。

「サボってきたツケかぁ」

 お世辞にも、わたしはマスターとしての責任を果たしているとは言いづらい。特異点解消のためのレイシフ

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【小説】業務上における過失

【小説】業務上における過失


「迷いの霧?」

 狭い工房には、アルトリア・キャスターと、オベロン・ヴォーティガーンと、工房の主人であるダ・ヴィンチが顔を突き合わせている。ダ・ヴィンチは眉をひそめた。

「そう、迷い霧。」

 今度はアルトリアが眉をひそめる。

「でも、私たちはなにも見ませんでしたよ。ねえ、オベロン。」
「そう?俺はよく覚えてないけど」

 アルトリアが空気を読め、とでも言いたげに顔をしかめた。
 ダ・ヴ

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【小説】捻くれ者の復讐劇

【小説】捻くれ者の復讐劇

「一体君はいつまでごっこ遊びを続けるつもり?」

 再び板張りの廊下を歩いていると、後ろをついてきていたオベロンが口を開いた。

「……帰れるまで」

 振り返らずに答えたわたしに、オベロンはやれやれ、といった様子で付いてくる。足音のテンポが少し速くなった。

「『特異点を解消するまで』じゃ、ないんだ?」

 その言葉に立ち止まる。確かに言われてみればその通りである。でも一瞬、ほんの瞬きの間、わた

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【小説】平凡だったはずの少女について

【小説】平凡だったはずの少女について

平凡だったはずの少女について①
『連続のミッションでゴメンね、藤丸』
「いえ、レポートも書き終わりましたし大丈夫です。」

 腕に巻いた通信機に向かって話す私は、傍から見れば相当頭がイカれているように見えるに違いない。そう予想できたので人通りの少ないであろう部屋で小声で話しているのだが、そろそろ表へ出たほうが良さそうだ。
 今回の目標を確認して、通信を切った。表へ出ると、同行者が一名、わたしに目を

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【小説】五里霧中

【小説】五里霧中

五里霧中①
「うーんこれはマズイ!」
「言ってる暇があったら足動かせ!呑まれるぞ!」

 ジャカジャカと全身の装備を揺らしながら全力疾走すること4名。

「こういうときにこそ『いつものことだ』って言いながら、謎の余裕をみせてくれないかなクソマスター!」
「言ったところで現状は変わらないよオベロン!」
「ていうかクソマスターってなんですかクソオベロン!!ぶん殴りますよ!」
「殴るなら追っかけてきてる

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【小説】狭間

【小説】狭間

狭間①
「カルデアにいるうちにやり遂げたいコト、ですか?」

 レイシフトの目的地、近代に程近い時代の都市に向かって移動している途中。いつものように座標のズレで20kmほど離れた場所に飛んでしまったわたしたちは、朝から歩き詰めの足を休ませるために休憩に入っていた。

「うーん…。」

 少女の金糸が小刻みに揺れた。

 さっきまでは勢いよく野の獣を追い立て、跳び蹴り、殴打、爆薬、目くらましを食らわ

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【小説】真っ白な部屋とある男について

【小説】真っ白な部屋とある男について

願いごと
「またお願いね、マスター!」

 そう言って手を振りながら廊下の角に消えていった人影を見送って、わたしは壁に寄り掛かった。
 わたしがそうしたいと決めて始めたことだ、だからもちろん後悔なんてあるはずないんだけど。

「終わらせてくれないなぁ…。」

 右肩を壁にくっつけたままズルズルとしゃがみ込む。これはまずい。誰かに見られたらまた「医務室!?」って言われるに違いない。ああ、まったく。わ

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【小説】藤丸立香の日記

【小説】藤丸立香の日記

藤丸立香の日記① ドクドクと規則正しい心臓の拍動の音。一つしか鳴らない、鳴り止まない。その音に合わせて、顔に触れた髪がかすかに震える。
 煌々と白々しい白熱電球。その光がちらちらと灰色の髪に遮られて、セレストの双眸が冷たい色でわたしを見つめているーー。

「オベロン」

 オベロンと呼ばれた男は肩をピクリと震わせた。瞳の温度はそのままに、目頭を若干不機嫌そうに細める。

「ヴォーティガーン」

 

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