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試着室にて

年々と、強い光に忌避感を持つようになってきて、日中外に出るときもつい眩しくて顔をしかめてしまう。もともと弱視の傾向があったのか、ここへきて顕著なのだ。サングラスが助かる。

そうこうしているうち、つい顔をしかめて眉間に皺を寄せているうちに、通常時でも眉間に皺が寄るようになってしまった。無防備のときでも眉間に皺が寄っていて、ドラゴンボールの孫悟空のようである。

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齢を重ねると、それまで過ごしてきた年輪が顔に現われるという。こんな険しい顔ばっかりしている中年男性になりたくないなぁと思いながら、今日も、太陽が眩しくてつい顔をしかめてしまう。

眉間の皺が深くなる一方なので、意識的に破顔一笑していかないとどうにも具合が悪い。常時しかめ面が張り付いている大人になんかなりたくないよ。


話は変わって、先日、久しぶりに某量販店に洋服を探しに行った。

日常着も作務衣ばかりで、洋服から遠ざかって数年が経つ。「自分のために衣類を求める」という行為も(消耗品を除いて)久しくしていなかった。

ズボンを適当に何本か見繕って、試着室に入って、愕然とした。

なんてだらしない身体なのだろう、、!!

姿見に映った自分の体型の、なんと締りのないこと。

短足はもともと、しかしそこに体躯がブヨブヨに膨れ上がっているのでよりみっともなさに拍車をかけ、破裂寸前のゼラチンのかたまりのようだ。

多少のオシャレ・身だしなみで取り繕えるレベルではない。

唖然、呆然、愕然。

和装は腹で着る、なんて言葉があって、僧衣や和装で過ごすぶんには支障がないが、久しぶりに洋装を嗜もうと思っても、なんと似合わない姿になっているのだろう。


年齢とともに、眉間には皺が寄り、格好にも無頓着になって、成れの果てのようなみすぼらしい雰囲気の男が1人。自信もなければ色香もない。うらぶれたご様子ですね。

いやいやいや、さすがにこれはマズイ!!!


<了>




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