【料理エッセイ】タケノコの季節! 近所の八百屋さんでアク抜き済みが安く売っているから、超超超超いい感じ
タケノコの季節がやってきた。うちの近所には最強の八百屋さんがあって、アク抜き済みのタケノコを売ってくれている。しかも、100g100円とかなり安い。
一応、今年は豊作らしく、異例の安さとニュースでは言っている。100g38円という話もある。
ただ、皮付きのものは可食部が減ってしまうし、なによりアク抜きをしなきゃいけないのがめちゃくちゃ大変。
むかしはわたしも大きな鍋を用意して、ぬかと唐辛子を放り込み、長いことぐつぐつやったものだけど、面倒臭いったらありゃしなかった。とはいえ、ボイル済みのパック商品だと春の味わいは楽しめないし、毎回、えっちらおっちら頑張った。
ところが、いまの部屋に引っ越してきた5年前の春のこと。徒歩3分の八百屋さんを覗いてみたら、アク抜き済みのタケノコが格安で売っているではないか。
それは老夫婦が二人でやっている小さなお店で、おばあちゃん曰く、
「タケノコは下処理が大変だからね。この状態なら買いやすいでしょ。柔らかくなっているからねぇ」
とのこと。いやはや、あなたは神ですか!
結局、その年は数日おきにタケノコを追加購入し、5キロぐらい消費したと思う。早い、うまい、安い。もはや吉野家のノリだった。
以来、わたしはこの八百屋さんのお世話になりまくっている。特に仕事をしていたときは助かった。なんと、夜の10時を過ぎても営業しているのだ。しかも年中無休だからハンパない。
聞けば、午前中は市場で仕入れを行い、飲食店に野菜を配達し、お店は昼の3時から開けているんだとか。
「ひゃー。働き者ですね。眠る暇もないじゃないですか」
思わず、そう尋ねると、暇なときにちゃっとね……と笑っていた。
なるほど、お客さんがいないときに覗いたところ、夫婦そろって奥の方で椅子に座ってイビキをかいていた。心なし、二人の寝息はシンクロしているようだった。その日、わたしはほしかった焼き芋を諦めた。
さて、そんな素敵な八百屋さんで、今年もわたしはタケノコを買った。おばあちゃんから、
「大きいのが二つあるよ」
と、嬉しそうに勧められたので、もちろん、両方、頂くことにした。
それがこれ。ナイス・ビッグ!
それなりの大皿に収まらなかった。ひとつ、500g超である。テンションが上がってしまう。
とりあえず、定番のタケノコご飯と土佐煮を使った。ともに簡単レシピで仕上げた。
で、じゃじゃーん。タケノコをおかずにタケノコを食べるタケノコ定食ができあがった。
野菜不足が否めないので、にんじんとか大根とか小松菜とか、冷蔵庫にある野菜をぶっ込んだ命の味噌汁を添えてあげれば、大満足の夕飯となった。
もちろん、まだまだタケノコは残っているから、翌日のランチはパスタにしてみた。
なお、これはめちゃくちゃボーノです!
他にも、タケノコと太刀魚でペペロンチーノを作ってみたり、アク抜き済みのタケノコが安く手に入ることをいいことに、いろいろなアレンジに挑戦してみたが、ことごとく、どれも美味しかった。
まったく、恐るべき食材である。しかも、たぶん、ヘルシーなので罪悪感なしにバクバク食べられてしまう。あらゆる観点から、これほど最強な食材は他にないのではなかろうか。
いや、ただ一点、アク抜きが大変だってことを除けば。本当、大変なんだよね。やり始めちゃえば複雑なことはないんだけど、早くやらなきゃアクがどんどん増えちゃったり、鍋やシンクが汚れまくったり、億劫ポイントがあまりにも多くって。
だから、代わりにアク抜きをしてくれているおばあちゃんにはマジ感謝。今日も追加で一本、買ってきたよ。
そしたら、前回を凌ぐ横綱級が我が家にやってきた。
なんと、ひとつで1.2kg! ミステリーの凶器として使うこともできそうなずっしり感で、冷蔵庫の主と化してしまった。
ただ、今夜も明日も、わたしは新しいタケノコ料理に挑戦しまくる。きっと、数日で攻略できるはず。そしたら、また、おばあちゃんのもとへ行かなくちゃ。
いやはや。次はどんな化け物タケノコが待っているのか。気になって夜しか眠れない。
マシュマロやっています。
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