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シェアハウスから始まる次の人生は?! <若葉荘の暮らし>

時代劇に出てくる江戸の町民が暮らす長屋。
「おーい、助さん」と叫べば「なんだい、格さん」と返事があるような隣近所との関係に憧れたことがあります。大きな声で話せば会話が筒抜けになることもありますが、夫婦喧嘩や子どもたちの笑い声が聞こえて大きな家族のよう。
そんな暮らしにちょっと似た本がありました。

若葉荘の暮らし 著者:畑野智美さん

シェアハウス若葉荘に居するのは条件があって40歳以上の独身女性であることが条件です。アルバイト、正社員、小説家の人たちが暮らし、リビングで顔を合わせると食事をしながらほどよい距離でかかわっていきます。アルバイト先での人間関係やオーナーチェンジから小説家の不安定な収入との関わりから見えてくるのは「貧困」というテーマ。

著者の畑野さんは派遣切りにあった26歳女性のホームレス生活「神さまは待っている」を執筆されていますがこちらもテーマは「貧困」でした。

「貧困」を一括りにはできませんが、職業的な立場や経済的に困窮していても、人間関係による社会のつながりが支えになることがあるかもしれません。今の状態から抜け出したいではなく、“これからやってみたい!”と思えることがあると人は歩き出せると感じた1冊です。🎀


小学館

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